美学生インタビューInterview
曲の世界観を考えて表現するのが楽しいんです!
エレクトーンをやっているそうですね。この楽器の魅力を教えてください。
エレクトーンの魅力は、オーケストラや吹奏楽のような多くの楽器で成り立つ曲目を一台の楽器で演奏できることです。
まるで一人でオーケストラをしているかのように自分なりの一曲を完成させられて、自由に何でも表現することができるのが面白いですね。だから自分を表現することが好きな私にはぴったりだなって思います。
松木さんにとって“エレクトーンで表現する”とはどんなことなんでしょう?
曲からストーリーを作り、そのストーリーの世界観を考えながら弾くことです。ここでこういう話の持っていき方をしたら感動するんじゃないかとかを考えるのが楽しくて!
私、一見何が起こっているかわからない感じのうねりのある現代曲が好きなんです。例えば演奏したことがある曲ですと、ヴィトルト・ルトスワフスキさん作曲の交響曲第3番が特に好きでした。曲に描くイメージで、「ここではカラスがたくさんいる」とか「この音はダイヤモンドが弾かれた音だな」みたいに考えて弾くんです。
実際に演奏をすると、それを聴いた周りの人たちから「すごい世界観だね。」「演奏が始まった瞬間に聴き入っちゃった。」って言ってもらえて。もしかしたらそれは作曲者の意図を無視しているってことになるのかもしれないんですけど、私の演奏に引き込まれてくれてるんだなって捉えてこのまま私らしく頑張ろうって思いますね。
エレクトーンの演奏活動で特に思い出に残っていることはありますか?
3歳から高3まで習っていたんですが、小4から毎年出ていた大会で中3の時、初めて県大会で金賞を取って、関西大会に出場したことです!
すごいですね!その時はどんな気持ちでしたか?
ずっと金賞を取りたいと思っていて、大会の半年前から毎日5時間とか練習するほど燃えていたんですけど、いざ取ったら次の関西大会から始まる即興演奏はどうしようとか考え始めて不安な点もすごく出てきちゃって。私自身、そこで演奏できる事にワクワクするけどすごく不安も大きく戸惑ってしまいました。
でも、家族や先生、周りの人たちが本番中ずっと手を握り締めて「頑張れ!」って祈ってくれたり、賞を取った時には「おめでとう!」って言ってすごく喜んでくれて。支えてくれる人たちの温かい応援のおかげで頑張ろうって思えました。
関西大会では自由種目の音楽演奏と即興演奏っていうのがあったんですけど、即興演奏が本当に難しくて。当日3題出題される2小節分の課題から1題を選んで、「これから始めます」って言われたあと10分間の時間をもらって3分の曲を作成しなきゃいけないんですよ。
結局、賞は取れなかったんですけど、このためにお盆や夏休みも返上してひたすら練習したことや、色々な人に応援してもらって大きな会場で演奏できたことはすごく思い出深いです。
音楽と脳に関する研究を頑張りました!
大学ではどんな勉強を?
音楽神経科学を扱うゼミのMusic Medicineという班で研究に取り組みました。
慶應の環境情報学部に入ったきっかけでもあるんですけど、音楽演奏だけを学ぶよりも、取り組んできた音楽演奏の経験を活かして音楽と感性や様々な関係と影響についてを学ぶことが、よりたくさんの人に影響を与えられるんじゃないかなと思ったんです。
具体的にどんな研究をしていたんですか?
一例をあげると病院にかかっている患者さんを対象に、音楽が患者さんにどういった効果があるのかということを研究してきました。患者さんに感情を表現してもらえるようなアンケート用紙を見せて今の感情はどのあたりかっていうのを指で差してもらい、いくつかの音楽を聞いてもらった後にもう一度同じことをやってもらうんです。
私たちはそこで得られた結果をもとにその変化を解析して論文にまとめたり、お医者さん方にプレゼンをしたりしました。
解析の手法としてはRやSPSSという統計解析ソフトでデータの傾向などを見たり、SPMという脳機能画像解析プログラムを使って脳のどこが活性化してるのかを見たりしてました。
音楽と脳の研究では実生活に役立つ知識も身に付いたりしましたか?
個人差もあるみたいですけれど、寝る時にエンヤさんっていう方の曲を聴くとスッと眠れるみたいです。私、よく眠れないときがあるのでそういうときはよくエンヤの曲を聴いています(笑)
落ち込んでいる気分を回復させたいときなんかは、曲じゃなくて自然音やリラクゼーションミュージックなどを聴くのも効果的なんです。皆さんもよかったら、ぜひ試してみてください!