美学生インタビューInterview
ミスコンらしくない、それが私の武器です
ミス青山に出場したきっかけを教えてください。
1つ目は今年20歳の節目の年に大きなことに挑戦したかったからで、2つ目は4年間の大学生活の中で「頑張った!」と胸を張れる経験があると自分の自信に繋がると思ったからです。
3つ目はジェンダー問題についての発信、問題提起するようなことを大学に入ってからやっているのですが、今のままでは友達くらいにしか届かないなと気づいて。「もっと多くの人に届けるにはどうしたらいいんだろう?」と友達に相談したら、「ミスコンに出たらリーチの幅が広がるんじゃない?」と言われたんです。その頃、有難いことにちょうど知り合いにミスコン出場を誘われたこともあって、出場を決めました。
過去にミス青山に出場された方で特に好きな方はいますか?
2018年に出場されたヴァッツ美良さん、昨年度準グランプリの新田さちかさん、ファイナリストの森英奈さんですね。皆さん今でも精力的に活動されていて、SNSを見ていると向上心がすごく伝わってきます。見ていると「自分も頑張ろう!」って原動力になるんですよね!
でも、自分が出場するとなると悩んでしまって……。友達が「奈欧美がそういう風にジェンダー問題とかについて発信したら心が軽くなる人が絶対いるよ!」と背中を押してくれて、「私がやらなきゃ!」と覚悟が決まりました。
応募したのは応募締め切りの1時間前とかでした(笑)友達とカフェでお茶していた時に写真を撮ってもらって、「これで大丈夫かな?」と相談しながら一緒に応募したのが懐かしいです。
ファイナリストになるために努力したことはありますか?
メイク研究です!ずっとメイクは好きで頑張っていましたが、まつげを整えるためにコームを使うなど、しっかり丁寧にやるようになりました。
実際にファイナリストとして活動してみてどうですか?
ファンの方からのコメントが活力になって日々頑張ることができています。応援してくれる人がいて、自分がいるんだなと。
自分を応援してくれる人は本当にいるのかと不安になったりもしましたが、毎日の暖かいメッセージに元気をいただいております。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ミスコン活動は不安なことでいっぱいでしたが、「ジェンダー問題の活動をしています。」とインスタグラムに投稿した時に「自分は声を出すことに躊躇していたので、奈欧美さんが発信してくれて嬉しいです!」とコメントをいただいたのが本当に嬉しかったです。 声を出して良かったなと実感しました。
井上さんのアピールポイントは何でしょう?
私っていわゆる「青学の女の子」「ミスコンに出ている女の子」ではないと自分では思うのですが、そのミスコンらしくないことがある意味私の武器だと考えています。
「青学らしさ」とか「ミスコンらしさ」とか、ひいては「女の子らしさ」のステレオタイプを窮屈に思っている人たちに、私を見て「好きなメイクとファッションでいいんだ!」「こんな人もいるんだ!」と勇気を持ってもらえたら一番嬉しいです。雑誌には「彼ウケコーデ」とかたくさん載っているけれど、自分の好きな服を自分のために着ていいんだよって伝わってほしいですね。
最後まで後悔のないように自分らしく、楽しんで活動を頑張りたいと思います。そして、いつも応援してくださる皆様のことが本当に大好きで、心からとても感謝しています。これからもよろしくお願い致します!
みんなが自分らしくいられる世の中になってほしい
なぜ、ジェンダー問題に興味を持つようになったのですか?
1年生の時の美学生図鑑のインタビューで高2のオーストラリア留学についてお話したのですが、その留学の時から意識するようになりました。
向こうでは自分のセクシュアリティについてオープンな子が多かったのに、日本では誰も言わないなって帰国してから気付いたんです。日本は自己をオープンにしない、できない風潮があるんですよね。
データでは約10人に1人はLGBTQIA+の方がいると言われているのですが、自分の友達でその割合を考えたときに、「誰一人として思い当たらないのはおかしいな、もしかして打ち明けられていない人がいるのかな」と感じたことがきっかけです。それから社会問題を発信するアカウントをフォローしたり、ニュースを見たり、リサーチをしたりと自分なりにアンテナを張るようになりました。
それから、井上さん自身もジェンダー問題について発信する活動を始めたんですよね?
私の想いを伝えようと、高校3年生の時にLGBTQIA+の題材で英語のスピーチコンテストに出場したり、大学2年生の時に主にジェンダーに関する社会問題に対して声をあげようという理念の一般社団法人の学生支部に入って本格的に活動するようになりました。
私はその中でSNS関係を担当していて、インスタグラム用の投稿を作っていました。毎回テーマを決め、リサーチをして投稿を作り上げるので自分の知識にもつながりました。センシティブなトピックなので、当事者の方などが不愉快にならず、心地よい気持ちで見られる投稿になるよう心がけていました。
ルッキズムや、女性らしさとミスコンは切っても切れない関係ではないですか?
それについて私はずっと悩んでいます。実際に、先ほどお話した団体も「ルッキズムやジェンダー問題を助長している」と反ミスコンの考えですし。
でも、私にとって今回のミスコンはジェンダー問題をより多くの人に発信するための一番の手段であり、出場しているからこそできる何かがあると信じて出場を決めました。ミスコン自体にさまざまな課題がありますが、少しずつでも変えていけたらと思います。それをどう変えていくかが私の課題だと思っています。
ミスコンのSNSでのジェンダー問題の発信は上手くいっていますか?
正直、思った通りに出来ているとは言えないです。フェミサイド(女性であることを理由にした意図的な殺人)の問題などをシェアしたいけれど、どんな反応が返ってくるか分からないから怖くなってしまったり……。発信するには自分でそれなりの知識も必要だし、反対意見もでてくる様な話題なので億劫になってしまいます。いざ自分でこの立場になって発信しよう!と思うと難しいこともありました。
ですが、ジェンダー問題の活動をしていると言うことはできたので、これからはもっと詳しいことも発信していけるように!勇気を出して頑張りたいです!
応援しています!ミスコンが終わっても社会問題の提起は続けていきますか?
応援ありがとうございます、嬉しいです。
もちろん、これからもSNS等で活動をずっと続けていきたいです。男の人も女の人も、どんな方も、好きなメイクやネイルをしたりお気に入りの洋服を着たりすること、好きなことや人を好きと言えること、そして何よりそれを認め合えること。自分らしくいられることが当たり前の時代になるように取り組んでいきます!
タイには10回以上!?とにかく海外旅行が大好きです
趣味はありますか?
海外旅行です!特にタイが風景も食事も何もかも大好きで、10回以上行っています。私の親友がタイのハーフの子なので一緒に行ったりしたのが思い出です。道がわからなかったり物を失くしたりすると積極的にタイの人は助けてくれて、本当に素敵な国なんです。
他にもロシア、ベトナム、韓国、台湾、オーストラリア……10か国くらいかな?数えてみると結構行っています!いつかは世界一周をすることが夢なので、まだまだです。
それはすごい……!海外旅行のどんなところが魅力ですか?
「この国の人は優しい人が多いな」「こういう文化があるんだ!」といつも新しい発見があることです。自分の力で新しい所に行くことってすごく大変だから毎回成長できるんです。異なる環境や文化に触れることで適応力が身に付いたり視野が広がりますし、日常の当たり前だった小さなことが実は当たり前ではなかったことに気付けたり、どの国に行っても毎回自分の成長を感じられます。ハプニングもあるけれど、それもまた楽しい思い出になりますね。
今までで一番のハプニングは何ですか?
ベトナムで携帯と財布をひったくられたことですね。5日間の旅行の2日目に取られてしまって、帰国するまで一緒に行った友達に財布を借りて過ごしました。そのお友達には感謝しかないです!携帯もカードも止めて……辛かった……。楽しかったし綺麗な国だったけど、もう行かないかもしれません(笑)
それは大変でしたね。これから行ってみたい国はありますか?
メキシコです!タコスも大好きだし、カラフルな帽子をかぶって陽気に歌ってくれる様な楽しいお店に行きたいです。(笑)そういうイメージ、メキシコってありませんか?ビーチも綺麗だし、メキシコ、行きたいなぁ……。
あとはアメリカ、トルコ、イタリア、スペイン、エジプト、イギリス、インドネシア…。まだまだ行きたい国がたくさんありますね。海外旅行に行けるようになったら世界中を回って、そのことも皆様にたくさんシェアしていきたいです!
最近は旅行の代わりに都内で異国を楽しめるお店を探して楽していて、インスタグラムにも色々と載せています。友達と一緒に行くことが多いのですが、「奈欧美と行くといつも外れない!」と太鼓判を押されています。SNSでお店をシェアすると「実際に行ったよ!」とか言われたり、私と同じ角度で写真を撮ってくれたりしているのが嬉しくて、「もっと載せちゃお!」ってなります(笑)
おすすめのお店はありますか?
下北沢のBAR ALIMENTARI DANIELAというイタリアンのお店が特にお気に入りで、「こんなにフワフワなニョッキ食べたことない!」って感じでした(笑)美味しすぎてどうしたらいいか分からなくなるくらい……。ぜひ行ってみてください!