志茂彩奈（同志社女子大学）「高校時代は陰キャラ？！音楽が私を変えてくれました」

マイクを持つ手が震えてました

彩奈さんの趣味とか特技ってなんですか？

音楽ですね。高校は軽音楽部でした。

中学の頃、受験で病んだりしてるときに友達が「このバンドの曲いいよ、聞いてみ。」って勧めてくれたのがONE OK ROCKさんの曲だったんです。ずっとジャニーズとかが好きだったんですけど、初めて邦ロック的な音楽を聴いた瞬間、すっごいカッコいい！って思って。

それでバンドというものに惹かれて高校では3年間、軽音楽部でボーカルをしてました。

ボーカル、カッコいいですね！

でも実は、昔はメガネかけて髪をセンター分けにして、教室の隅で一人で本を読んでいる“The陰キャ”みたいな子だったんですよ、私。

そうなんですか、今の雰囲気からは想像できないですね。でも、それなら人前で演奏するのはちょっとハードル高くなかったですか？

高かったです、だいぶ。

1年生の初め、入部して2、3ヵ月くらいで練習の成果をお披露目する簡単な演奏会があったんです。身内だけの集まりだったので先生もそんなに緊張しなくていいよ～って言ってたんですけど、なんか一人だけ震えてる子いる、みたいな……。私のことなんですけど、自分でもわかるくらいマイクを持つ手が震えてました。

そのときは何を歌ったんですか？

スピッツさんの『チェリー』です。割と簡単な曲だと思うんですが、緊張したらもう難しい曲にしか思えなくなっちゃって。歌詞が出てくるか不安で、手に書いてそれ見て歌おうかなって考えてたんですけど、顧問の先生にそれだけはやめてって言われました（笑）

歌うのは好きなんですけど人前に立つのがすごく苦手で、なんでこの部に入ったんやろって気持ちになりながら頭の中が真っ白になって。終わった瞬間もう無理……（泣）ってなりました。最初はずっと棒立ちで歌詞もめっちゃ飛ぶし、音程もバラバラやから悲惨でしたね。

始めたばかりとはいえそれは結構……。よく続きましたね。

ライブを見に行ったらアーティストがステージで歌ってる姿ってやっぱりすっごくカッコいいんです。それに惹かれたのが一番です。

だから放課後、友達に協力してもらってギターに合わせながらゆっくり歌ったり、観客になってもらったりして緊張しないよう練習しました。演奏中めちゃくちゃ怖い顔してるって言われたので、ケータイで撮って歌ってる様子をチェックしたり、自分なりにいろいろ頑張ったんですよ。

練習を重ねて克服できたと。

そうですね。慣れてくるとMCもしてました。最近あった出来事とか、流行ってるバンドの話とか、ちょっとボケてみたりもして。

でも、ライブに通って強い刺激を受け続けた影響で気も強くなったというか、わがまま？になったというか。これがしたい！って思ったら「こっちの方がいいんちゃう？」って言われても「自分はこっちやから！」って感じで譲らない。親にも自分の意見をしっかり言うようになったねって言われました。

前に進む力をくれた音楽

性格も変わったんですね。ところで彩奈さんが一番好きな曲なんですか？

結構いっぱいありますけど、高校受験の頃によく聞いてたのはONE OK ROCKさんの『努努-ゆめゆめ-』とか『キミシダイ列車』とか。

キミシダイ列車は『何かのせいにして逃げてはいないかい？』っていう歌詞があって、時期が時期だけに聞くたびにああ～……ってなって。マイナス思考では何も変わらないって歌で受験期の自分には響きました。

最近はKing Gnuっていうバンド知ってます？色々なことが重なってなんでも話せる大切な人と気まずい関係になって、連絡が途絶えたことがあったんです。そのときKing Gnuさんの『白日』という曲に励まされてました。

この曲のどんなところに惹かれたんですか？

このバンドで一番有名な曲だと思うんですけど、出だしの『時には誰かを知らず知らずのうちに傷つけてしまったり 失ったりして初めて犯した罪を知る』という歌詞が、まさに自分のことだなってとても刺さりました。

それで『へばりついて離れない地続きの今を歩いて行くんだ』という部分があって、そのときに自分が一番すべきことを教えてくれた感じがしましたね。

自分の心境とリンクすると好きになりますよね。では、歌ってて気持ちのいい曲は？

いきものがかりさんの『うるわしきひと』です。この曲は正直、テンポが速いしサビは高音が出てくるのでとても難しかったんです。練習中は音程が外れるのが普通で、他のメンバーの足を引っ張ってしまってました。

でも、みんなで決めた曲なんでどうにかしてやりきろうと思って。だから本番でうまく歌えたときは、達成感がすごかったです。

一番思い出に残ってる舞台はいつですか？

2年生の文化祭ですね。その頃になるとメンバー同士でお互いに目配せしたり、手を叩いてお客さんを煽ったりもするようになって。

そのときはback numberさんの『青い春』を演奏しました。この曲は音程が低い分、他の曲と比べてたくさん練習したのを覚えてます。本番はすごく盛り上がりましたし、私自身も気持ちよく演奏できました。

音楽をやっていて一番良かったと思ったことはなんですか？

自分ではなかなか表現できないような言葉を、歌を通して自分なりに聞きに来てくれた人に届けられたことと、バンドのメンバーと切磋琢磨しながら楽しく演奏できたことですね。

英語を話せて小さな達成感　大学在学中の夢は……

大学は英文学科に通っているそうですね。どうしてこの学科を選んだんですか？

親からはずっと「英語を話せたら将来役立つよ。」って言われてたし、高校は担任が英語の先生で「英語か中国語はとちらかほんまにやっといた方がいい。」って言われてたんです。

正直、英語は苦手だったんですけど、周りの友達が海外旅行に行くのを見てると自分も行きたいなって気持ちが出てきて。でも、英語を話せないまま海外に行ったら絶対に怖いじゃないですか。だから、きちんと勉強してみたいというのもあって今の学科に決めました。

授業ではどんなことをやってるんですか？

主にリーディング、ライティング、スピーキングなんですけど、他にもイギリス文化についてとか。色々と履修できますね。

イギリス文化ですか？

文学とか絵画についてとか、ちょっと面白いのだとイギリス人はどういう風にしてアフタヌーンティーに親しむようになったのかとか。あとは単純に食とか建築とか。ものすごく専門的なとこまでは行かなくて、私みたいな子でも入りやすい授業です。

幅広いですね。食でいうとイギリスの食べ物はあまりおいしくないイメージが。

私もそう。イギリス料理って聞いたことなかったので、やっぱりイタリアとかフランスの料理の方がおいしいし、イギリスであんま食べ物は……って思ってたんですけど、実際調べると“イギリスの料理は不味いってイメージを持たれているがそんなことはない”って書いてあって。

あれ、そうなんですね。

でも、私が読んだ本には“フランス料理には負ける”とも書いてありました（笑）思った以上にマズくないよという感じで。逆にどんな味やろうって興味が湧きますよね。だけど、絶対に“おいしい”とは書かれてないので、もしヨーロッパに行ったとしたら食事はやっぱりフランス料理とかイタリア料理の方がいいかなって（笑）

確かに周りの国の料理の方がおいしそう。実際に海外へはもう行ったんですか？

大学入って2回生になる前の春休みにグアムへ行きました。学校は違うけど友達も英語系の学科に通ってるので、2人で頑張って英語で話してみようって感じで。

近いし、安いのでグアムにしたんですけど、でも、いざ行ってみたら看板が日本語ばっかやし、現地の方は顔的にこちらが日本人やってわかってカタコトなんですけど全部日本語で話してくれるんで、実際グアムではあんま英語使えなかったという……。

グアムは日本人観光客が多いって言いますもんね。空港とかではどうでしたか？

税関とかで質問されたりするときは英語でした。あとはホテルのフロントでチェックインするときも英語で「どこから来たんですか？」とか「このあとどこへ行きたいんですか？」っていう風に聞かれましたが、リスニングしてたのもあってちゃんと聞こえたし、ちゃんと返せたのは、自分なりには進歩があったかなって思いましたね。

実際に使えると嬉しいですよね。

海外では英語を話せないと悲惨なことになるっていう考えがあったので、学校で勉強して、それが簡単な英語であっても実際に使えたっていうのは小さな達成感がありました。それと、ちょっとでも現地の言葉を知ってただけで旅行に安心感が持てるんだなと思って。

私の大学生活の最終目標がアメリカとかヨーロッパへ旅行することなのでもっと英語のスキルを伸ばしていきたいなって思います。