美学生インタビューInterview
一人では完成しない みんなで作り上げる歌声
趣味や好きなことってありますか?
小さい頃から合唱やっててコーラスが大好きです! 7歳のとき仲の良い友達に誘われて地元の合唱団に入りました。
みんなだいたい中学生の頃に辞めてしまうんですけど、私は好きすぎて高校に入るまで続けてましたね。
そんなに歌が好きなんですね。
もう幼稚園の頃からずーっと歌ってて、ちっちゃい時のビデオを見たら歌ってるのが圧倒的に多いんです。今見たら恥ずかしいんですけど、お風呂とかでもずっと歌ってたみたいです。
合唱団ではどんな歌を歌うんですか?
最初はトトロとかのジブリソングが多かったですね。それから学校でも習う合唱曲だとか、海外の歌に挑戦したりとか。時期によってはクリスマスキャロルを練習してました。田舎の合唱団なんで人数は少なくて20人くらいだったかな。
でも、活動は活発で年に何回かある地元のコンサートに毎回参加したり、京セラドームで野球の試合前に国歌斉唱したり、先生がたくさん繋がりを持ってる方で、海外の有名な合唱団と交流して公演に呼んでいただいたりとかもありましたね。
どういうところに魅力を感じたんですか?
最初はみんなで歌ってる!楽しい!みたいな。だんだん成長するにつれてハモリだったり、歌がピッタリ合ったときの感動とか、それがたまらなくってずっと習ってました。それぞれが自分のパートをちゃんと歌ってきちっと合ったときに綺麗な歌が完成するので、それが嬉しいというか。
一人が自分を出しても良い合唱は完成しないんです。団体で一緒に作るっていうのが私には合っていましたね。
周りと合わせるのが大事なんですね。では、大変だなって感じたことは?
中学校の部活でも合唱部に入ったんですよ。ホントにコーラスが好き過ぎて合唱魂がメラメラメラ~って感じで(笑) でも、人数が少なくて私が入った時は4人でした。
少人数でも良い歌は作り出せるんですけど、周りに頼れないので自分の頑張りがそのまま出るんですよ。自分の声が不安定やったら周囲が上手でも全体で見たらあんまりってなるので、それが難しかったですね。
あと、ちょっと余談ですけどカラオケが苦手で……。
あれ? そうなんですか? 歌うの好きって……。
歌い方が違うんですよ。コーラスって“すっごい綺麗な声”を出すイメージで、広がりのある柔らかい音なんです。
でも、歌謡曲って自分の個性を出すし、喉を使うというか地声っぽい。それがその人のアイデンティティなんですが、合唱では個人は出さない。だから今でもカラオケは苦手で。
でも、コーラスやってたら「カラオケ上手いよね?」って言われませんか?
めっちゃ言われます。だけど、コーラスやってる子はみんな苦手って言いますね。だから、一緒に行く子は決めてます。歌うことは大好きなんで。あえて合唱曲を歌ったりしますよ。
合唱団を辞めてから音楽はやってないんですか?
高校では軽音部に入りました。ずっとギター弾けるようになりたいって思ってんですけど、やってみたら私はベースの方が楽しくて。
ギターっていくつもの弦を指で押さえてジャーン!って弾きますが、ベースって弦1本で弾くみたいな感じやから音が鳴りやすくて、あ!できた!ってなるのはベースの方が早いんです。
ギターは目立ってカッコイイし、ソロがあってスター!ってイメージですけど、ベースがないと、あれ?音が足りへんなってなります。その縁の下の力持ちみたいなとこが好きだし、音も低くて落ち着くのでハマりました。
“光り輝くチャンスを逃すな”
一人で目立つよりみんなでやる方が好きなんですね。
あんまり私だけが目立つ!っていうのは……。だったら何でミスキャン出たの?って言われそうですけど。
そうですよね。初音さん去年の同志社女子大学のミスコンでグランプリ獲得してますけど、ファイナリストになった時点で目立ちますよね?
めっちゃ目立ちます! だからめっちゃ恥ずかしかったです。
ミスキャンは実行委員の友達から「出て!」って言われたのがきっかけで。周りの子も「通るから!」「1回応募してみよ!」みたいな。可愛い女の子が好きで、前から色々なミスキャンパスの人たちをSNSで見てたのでミスキャンに馴染みはあったんですけど、自分が出たいと思ったことはなかったから、いやいやいや!って断ってたんです。
でも、みんな「可愛いから!大丈夫やから!」って推してきて。今まで言わんかったのに急に言うてくれるやん(笑)って思いながらも嬉しくなっちゃったんです。
単純ですけどみんなにヨイショ!ヨイショ!ってさて、応募だけしてみるよ~って書類を出したら……グランプリ頂きました(笑)
最後、端折りすぎですよ! もうちょっと詳しく(笑)
自分では“お喋り枠”なんかなと思ってて。ファイナリスト決める面接はすごく真面目な雰囲気やったんですけど、私はお喋り好きで話が盛り上がって。
後で聞いたら「どれだけ可愛くてもシャイすぎる子とかコミュニケーション取れない子は選びません。」「初音ちゃんは話して面白かったから選びました。」って言ってくれたんです。明るく元気に答えてたらそれを評価してもらったみたいです。
ファイナリストに選ばれたときどんな気持ちでした?
8月中頃にメールが来て、もうビックリしました!
でも、ゼミの先生からいつも「Never miss an opportunity to be fabulous!」“光り輝くチャンスを逃すな”って意味なんですけど、チャンスがあったら絶対に挑戦しろって言われてたんです。
アメリカの教育者、ティナ・シーリグさんの言葉なんですけど、今まで自分!自分!って主張してこなかったから、これは自分を出すチャンスなんやって感じました。
先生のアドバイスが背中を押してくれたんですね。
SNSで全然知らん人にコメントを返すのもすっごい勇気がいったし、配信も“清楚な同女生” がイメージかな?喋りすぎたら印象良くない?って迷ったんです。
けど、みんなに私をいっぱい知ってもらうチャンス!と思って、他大学のミスの活動を参考に頑張りました。
誰を参考にしてました?
同志社のえりよしさんとか立命館の津田さんとか。えりよしさんは同志社やから勝手に親近感沸いて応援してたし、津田さんはイベントで会って綺麗! 可愛すぎる!と思って。一緒に写真をお願いしたらすごく良い人で完全にファンになりました。
あと、立命館のグランプリの中林さん。カメラ向けられたらピシャ!ってポーズ取ってたのがカッコよかったです。私はいつもみんなでイェーイ!ばっかりで1人で写ることがなかったから、カメラ向けられても、え……ってなっちゃって。人の真似をしながら自分のポーズを探してました。
見つかりましたか?
全然見つからなかった(笑)でも、最初のお披露目写真とかは顔もガチガチなんですけど、それと比べたら今はいっぱい撮ってもらうようになって、研究成果もあったのか、割と自然な笑顔で写れるようになりましたね。
グランプリを獲れたのはどうしてだと思いますか?
謙虚さが良かったのかなって。自分で言うなって感じですけど(笑)
幼少期から母にずっと謙虚でいなさいって言われ続けてきたんですよ。でも、ミスコン出て!って言われて調子に乗って出たって面もあるんで、ファイナリストになったらまた絶対に調子乗っちゃうやん!と思って。今まで大事にしてきたのに謙虚と程遠い存在になってしまいそうやし、性格が変わったら顔にも出るじゃないですか。
だから、人をお手本にして、リスペクトして。他のファイナリスト4人も大きな存在だったし、他大学のミスコンの人もみんな大・尊・敬って感じで。そうしたら失うことなくより謙虚になれたというか、無くなるかもって思ってたものがより磨かれた。それを垣間見れた人は応援してくれたのかなって思います。
オーストラリアでALT あのときの先生と同じ目線に
ミスコンが終わって次の目標とか、将来の夢は?
職業は教師になりたくて。英語の先生です。中学校の時の先生の授業がすごく面白くて、それがきっかけで英語が好きになりました。
それと、外国人に日本語を教えるのも好きで、どうやって日本語を勉強するかっていう、“言語を学ぶ”こと自体にもすごく興味があるんです。
だから今は、“日本で英語を教える先生”と“海外で日本語を教える先生”の2つで迷ってます。
海外で日本語を教える先生、ですか?
これも中学時代の話なんですけどALT(外国語指導助手)の先生がいて、いつも英会話の練習をしに行ってたんですよ。それで仲良くなって。
でもその先生、日本に来たばっかりで全然日本語を喋れなかったので私に、「他の先生と仲良くなりたいから日本語教えて。」って言ってきたんです。
「え! 日本語教える!? 難しい!」って思ったんですけど、日本人の英語の先生にも助けてもらいながら「これ日本語でなんて言うの?」「この文章は日本語でなんて読むの?」とかから始めて。英語を訳してALTの先生に伝えて、「わかった!」って言ってもらうのがすっごい楽しかったんです。
それで、どうやったらこの先生の日本語がもっと上手になるんやろって考えるようになりました。それが私の言語学のスタートでした。
先生になるっていう夢は叶えられそうですか?
実は去年の春休みに1か月、オーストラリアの中高生に日本語を教えに行きました。大学のプログラムでメルボルンに。
向こうは日本語教育が盛んで第2言語として学んでるので、ALTとして。だからあの時の先生の立場と同じですよね。同じ目線に立てたというか、あの先生はこんな感じで英語を学ぶ中学生を見てたんやって。
それは貴重な経験ですね。実際に教えてみてどうでした?
みんなすごくイキイキしてて、ネイティブの人と喋りたいのでいっぱい質問をしてくれました。
すごいなと思ったのが会話に力を入れてて。日本ではよく、中高6年間勉強しても全然喋れない、って言われるじゃないですか。
日本では文法を中心で習いますよね。
オーストラリアの教育では、読む、聞く、話す、書くの4つの技能を同時に学ぶから、高3くらいになると日本の政治の話とか環境問題とか、専門的で難しい会話もできるんですよ。すっごいなぁと思って。
最後にあらためてこの先の目標を教えてください。
同志社女子大学って卒業後にも、半年ちょっとオーストラリアで日本語を教えるプログラムもあって、今はそれに参加したくて英語の勉強を頑張ってます。現地の教育がどうなってるのかをもっと学びつつ、自分が日本で英語の先生になったときにそのスキルを活かしていければいいなって思ってます。
残りの学生生活は自分の自信にも繋がったので、今までやめとこって思ってたことも勇気を振り絞って、これもチャンス!これもチャンス!って考えて、新しいことにいっぱい取り組んでいこうって思います。