美学生インタビューInterview
撮影枚数は2000枚
突然ですが、海でデートをするならどんなプランがいいですか?
水上バイクとか、ああいうアクティビティめっちゃ好きなんですよ。昼間は海で泳いだり、遊んだり、あとイルカウォッチングとかもいいですよね。そういうのを楽しんで、夜は地元の海鮮とか食べられる場所に行きたいです。
沖縄とかめっちゃ行きたい。南の島ならではのお店の雰囲気とかあるじゃないですか。お酒も飲みたいし、地元を全力で感じたいですね。そのあとは海の見える旅館で沈む夕日を「綺麗だね~」って見ながら温泉でまったりしたいです。五感で海を楽しむ旅がしたいなって思います。
遊んで、食べて、温泉でゆっくり。いいですね〜。今回の淡路島のロケはどうでしたか?
淡路島の海へ行ったのは初めてだったんですけど綺麗でしたね! めっちゃ楽しかったですよ。撮影場所3ヵ所回ったけど最初の砂浜が一番“海感”あって良かったなって。
海での撮影経験も初めてで、テンション上がっちゃいました。他の場所での撮影より無邪気になれた気がします(笑) みんなで遠出するっていうのもワクワクしました。
担当したカメラマンもテンションが上がって2000枚も撮ったと言ってました。
そんなに撮られた感覚ないんですよ。良いモデルさんって少ないシャッター数でも良いものを上げるし、選ぶのも大変なんでシャッター数減らしたいなと思ってました。だから、自分で極力写り方を考えながらポージングするようにしてましたね。
でも、撮り甲斐があったって言ってもらえたんで“撮りたい”って思ってもらえる被写体であれたことは嬉しいですね。
今回のロケの一番の思い出は?
全部楽しかったけど強いて言うなら移動中が楽しかったです! 行きの車の中とかで他のモデルさんとも打ち解けて和気藹々とできたんで、自然体でいられたのがめっちゃ楽しかったです。あの時間があったからめっちゃリラックスして撮影頑張れました!
確かに移動中もすごく楽しかったですね。
あとはスタッフさんの雰囲気が良かったなって。良いものを作ろうって気持ちとかすごく感じたんでやりがいがありました。単に「いいね! いいね!」って撮られるのが苦手なんですよ。どこがいいの?って思っちゃうんです(笑)
でも、美学生図鑑は何が目的なのか認識をして集まったスタッフさんやねんなっていうのが2回目の撮影にしてあらためて実感できたし、他にも色々な可愛い子がいる中で今回の特集に選んでもらって、ちゃんとしたものを残したいって思ったし、真剣に撮っていただいて私も真剣になれました。
あの時、クビになって良かった
由梨愛さんって昔、ティーン雑誌のモデルをしてたんですよね。撮影にはプロ意識を感じます。
ありがとうございます!でも、前回の記事にも載せてもらったんですけど、現役でモデルをしていた頃の撮影って実はあんまり好きじゃなくて。当時はモデルのこと何もわかってなかったんです。もっと可愛く見せたいとか、オシャレでいたいって意識が全然なくて、何を表現したらいいか、自分自身をどう見せたらいいかわからなくって、個性を出せないことが本当にしんどかったです。
モデルを始めたきっかけって何だったんですか?
親に「こんなんあるで」って言われてモデル事務所のオーディションに行ったんです。それがスタートでした。街で声をかけられたこともあったんですけど断ってて、でも小学3年生のときに“お母さんに言われたので受けてみる”って感覚で。
だから、モデルを続けてた理由も誌面に載ったり、審査に通ると家族や身内が喜んでくれるのが嬉しくってって感じです。最初は大阪の事務所にいたんですけど、途中から東京の事務所へ移籍して中学3年生まで活動してました。
しんどいと思いながら6年も活動してたんですね。
撮影のときに良い雰囲気を作るのもカメラマンの役割だと思うんですよ。でも、私の感じ方なんですけど雑誌のカメラマンって被写体の気持ちを考えるとかそこまでなくて。どんなときにどんな服を着てもいい顔ができる、シーンに合った表情ができるのがモデルに求められる能力っていうのはわかってるんですけど、そのときのカメラマンさんたちはシャッターを押してるだけに見えたんですよね。
他にも自分の気持ちと合わない面が色々とあって、たぶんそれが空気感や態度として表れてたと思うんですけど、中学3年生のときに事務所をクビになったんです。
クビですか……、厳しいですね。
誰かの憧れの存在でいることに私も憧れてたんで、モデルになって「すごいね!」って言われる自分が好きだったんです。そこに自信を持ってたけどそれをクビになった時点でアイデンティティを失っちゃったんですよね。“自分という存在がなくなる”って。
でも、当時は承認欲求で生きてたんで、そのまま続けていたら“人に良く思われてる自分”にしかなれなかったのかなって。私自身モデルの仕事を楽しんでやってなかったので自ら望んでやらないと、ああいう表現の仕事って生半可な気持ちじゃできない。それはすごく感じました。だから今はあのときにクビにしてもらって良かったなって思ってます。
今でも少し被写体をされているようですが、気持ちの整理は付いているんですか?
写ること自体は好きだったんです。でも、同世代の子と比べて老けて見えるというかティーン誌向けの顔じゃないというか、ずっと写真写り悪いって言われ続けてたんですよ。
それがコンプレックスとしてすごいあったんですけど、やっと年相応の顔になってきたし、その時のことも過去の経験として受け入れられるようになってきたんです。それが自信につながって今は楽しんでできるようになりました。自分の写りたい姿や雰囲気をありのままに出せるようになってきましたね。
環境を言い訳にしない 挑戦するための場を創る
前回の記事で「イベントを作りたい」というお話をしていました。その後、どうですか?
この4月に『零壱(ぜろいち)』っていう学生団体を立ち上げました。
まだ立ち上げたばかりで構想段階の部分も多いんですけど、私自身お祭りだとかたくさんの人が集まって楽しめる参加型のイベントが好きなので、今はそういうイベントを学校の内外で作れたらいいなと思って企画してます。
「自分が楽しいもんって何なんやろ?」って考えたとき、昔っからイベント事や学園祭の行事に熱中してたなっていうのがあって、自分たちが楽しいと感じることをやっていきたいと思うんです。
イベントの企画や運営をする団体ってことですね。
でも、普通のイベントサークルとはちょっと違っていて『“楽しく生きる”があたりまえの社会に』っていうのを理念にしてるんです。
何かに挑戦したいって想いはあっても、例えば自分の大学がFランだとか周りの環境を理由に諦めちゃう学生っているじゃないですか。私はフットワークが軽かったので自分で出会いを見つけて先へ進めたんですけど、みんながみんな同じことをできるとは思わないし、環境を言い訳にするのも仕方ない部分があるって思うんですよ。だから、そういう学生たちが集えて、新しいことに挑める場所にできたらと思ってるんです。
結構、真面目な集まりなんですね。
基本的にはコミュニティというかプラットフォームを作りたくて。特にアンダー25の世代のために何かができたらと思ってます。
私を含めてこの世代がこれから親になるじゃないですか。でも、その世代が挑戦するってことを恐れるようになってしまったら、これから生まれてくる子どもたちも閉鎖的な考えになるんじゃないかなって思います。そうならないためには今の世代がもっと色々なことに挑戦したり、楽しんだり、ありのままの自分と向き合える環境が必要だと思うんです。
すごく考えてますね。
最終的には子どもが笑ってられる社会を目指してるというか、私、昔っから子どもめっちゃ好きなんですよ。その子どもたちに一番影響があるのは親なので、親たちが笑顔でいられる社会を作ることで子どもたちが笑っていられる社会につながると思うから、今めっちゃ急いでやってるって感じです。
では、由梨愛さん自身がこの先、どういう人になりたいかイメージはありますか?
人としても女性としても自立した人でありたいって想いがあります。昔は他の人にすがるというか依存しながら自分を維持してきてたんですけど、そこから脱却したいって思ったんです。今までは他人から言われた仕事しかできなかったけど、やりたいことをしてありのままの自分で生きていけたら理想じゃないですか。
そうですよね。でも、実際にやりたいことをやるには色々と苦労もあります。
だから新しいことに挑戦したいなと思ったときに自分自身をブランディングすることや、目標を実現する力をつけることが必要やなって感じて、それで最近は『経営』にも興味を持ちました。
例えば団体の活動を続けていくにも資金が必要になることもあるし、世の中の仕組みがちゃんとわかって自立した活動ができれば、私が最初に思っていた“誰かの憧れる存在”っていう私の目標が叶うかもなって思うんです。