美学生インタビューInterview
上履きさえ履いていればOK!?自由な校風の高校
少し特殊な高校に通っていたと聞きました。どんな高校ですか?
京都にある同志社国際高校という学校なんですけど、海外に住んでいて帰国した子がたくさん通っていました。
例えば、日本人だけど小中学生の間は中国に住んでいて中国語で試験を受けて入ってきた人や、アメリカとかイギリスとか英語圏で育った人、韓国やタイ、ルーマニアから来た人など帰国生が7割くらい。
どんな人でも受け入れてくれるような環境で、常に英語や中国語が飛び交っていました。
他に普通の高校と違うところはありましたか?
行事がめちゃくちゃ多かったです。海外から来る子に日本の文化を知ってもらうための、「日本文化の日」はみんな浴衣を着て学校に行くんです。授業も浴衣で受けるし、先生たちも浴衣を着てます。
あと、ハロウィンは仮装して写真を撮ったり、職員室に行ったら先生からお菓子をもらえたり。アメリカの学校のようなノリの面白い学校でした。
校風自体がすごく自由で制服とかもなく、上履きさえ履いていればいいって感じしたね(笑)
どうして同志社国際高校に行こうと?
色々な国の人がいる環境が面白そうだなって思ったんです。英語が得意になりたかったのもあるんですが、多種多様な価値観と触れ合えて、普通の学校じゃ学べないことをいっぱい学べるんじゃないかなって。
実際に、他の国では今こういうことが起こってるって、聞いて初めて知ることもたくさんありました。みんな考え方も様々で「自分は狭い世界にいたな」って視野がどんどん広がっていきました。それがすごく面白かったです。
高校は楽しかったけど…大学では没頭できるものを見つけたい!
高校時代の一番の思い出は?
3週間ほどアメリカに留学したことですね。少しの期間マサチューセッツ州のスミス大学に通いました。
高校で外国の話を聞いてるうちに実際に行って直に知りたい、その場の雰囲気を感じてみたいって思ったんです。
アメリカは色々な国の人がいるじゃないですか。そして、それが受け入れられる風土。自分の通っている高校と似てるような感じがして、そういうところに行って世界を見たいなって思ったんです。
実際に行ってどうでしたか?
ホームステイ先はお母さんと娘さんの2人暮らしで、すごく優しく接してくれました。
娘さんは私より1つ年上でデパートや食事に連れて行ってもらったり、「今、付き合ってる人がいるの」「この間デートしてきたんだけどね~」って恋愛の話もしましたね。
家はどの家庭も地下室があって夜はランプで過ごしていたり、日本とは違うアメリカの文化や生活を見ることができました。
一番心に残ったことは?
お店とかもいっぱいある普通の道端に「お金を下さい」って書いたプレートを持った人がたくさんいたんですよ。若い人から年を取った人まで年齢は幅広い感じでした。
日本ではそういうのはあまり見たことがなくて、“格差のある国”とは聞いていたんですけど実際に目の当たりにすると衝撃的な光景でした。
そんな高校生活を経て今年、大学へ入学。大学生の間にやりたいことはありますか?
高校の時に失敗したなと思うことがあって……。部活動に入っていたわけでもないし、何か習い事をしてたわけでもない、何も一生懸命取り組んだことがなかったんです。
色々な人と触れ合えて高校生活はすごく楽しかったけど、「自分が3年間で何をやってきたのか?」って聞かれたらわからないんですよ。それがすごく悔しくて……。
だから大学では、卒業した時にこれを頑張った!って思えるような何かが欲しいんです。集中できる何か、途中で辞めずに最後まで没頭できるものを見つけたいと思っています。
ジョバンニ!カムパネルラ!初めて見た時、何故か涙が
趣味や好きなことはありますか?
宮沢賢治さんの『銀河鉄道の夜』がめっちゃ好きなんです。
小学校の低学年の頃にお父さんがプラネタリウムに連れて行ってくれて初めて見たんですけど、その時になんかもうグッときたんです、心の中に。不思議な世界観だったので内容も深くはわからなかったんですが、見ていると何故か自然と涙が出ていました。
お気に入りのシーンは?
主人公のジョバンニという少年が、親友のカムパネルラと銀河鉄道に乗って色々な星を旅するお話なんですが、2人が「どこまでも、どこまでも一緒に行こう」と言って友情を確かめ合うところですかね。
DVDで何度も見ましたし、小説の方も読みました。気持ちが沈んでるときでもこれを見ると浄化されるというか、頑張る力になって前に進めるんですよね。
他に今ハマっていることはありますか?
ピアスを自分でデザインしていて、今日付けているこれも自分で考えました。
高校の卒業式のドレスに合うようデザインしたもので、ドレスが紺色だったので紺色を入れて、白とワンポイントで優しく、可愛く見えるよう工夫しました。
お母さんの知り合いがアクセサリーを作っていて私のデザインを元に作ってもらっているんです。
最近始めたところなのでまだ数種類なんですけど、実際に販売もしているんですよ。
すごいですね!デザインをする時はどんなことを意識していますか?
自分が欲しいと思うものを作るというのが基本ですね。春や夏だったら花の付いたパッと明るく華やかなものを作ったり。他とは違う自分ならではのデザインになるように心がけています。
自分の考えたものが形になって、それを自分で身に付けるというのがすごく面白いですね。