美学生インタビューInterview
“人に頼る”ということを覚えるための留学
大学生活では主にどんな活動をしていましたか?
テニスサークル、京都府テニス協会での大会運営補助、テニススクールでのコーチアルバイトなど、テニスに関わることを中心に活動していました。
コーチのアルバイトをするくらいの腕前なんですね!テニスはいつ頃からやっているんですか?
5歳から始めました。家族全員がテニスをしていたので、その影響ですね。そこから中学まではテニススクールに通い、高校ではそれに加え部活にも入ってインターハイ出場を目指しました。
18年ほど取り組んでいるわけですね。結局、インターハイには出場できたんですか?
出場しました。ですが、実は日本ではなく、アメリカで出場したんですよ。高校3年生の夏から1年ほど休学してカリフォルニアへ留学をしていて、「CIFサザンセクションFORD」というアメリカでいう日本のインターハイに当たる大会に出ました。
何故、留学しようと思ったんですか?
自分を変えたかった、というのが大きな理由ですね。それまでの私は「何でも自分でやってしまおう」という考えの持ち主で、周りの人間に頼ることに対してとても消極的だったんですよ。でも、一人で出来ることって限られてくるじゃないですか?これから何かにチャレンジしていく際、自分の力だけでなく周りの力も上手く借りる術を身につけることでチャレンジの幅が広がると考えていたんですよね。そこで、“絶対に自分一人の力だけでは生きていくことのできない環境=人に頼るということを覚える環境”を求め、「留学」という選択肢を選びました。そして、少しでも早くその能力を身につけたいと思い、大学に入ってからではなく、あえて高校生の間に休学をして留学をすることにしたんです。
そこで人に頼るということを覚えたからこそ、大学生活の様々な取り組みに繋がるわけですね。
そうですね。一人の選手としてテニスをするだけでなく、周りの人間と協力することが出来ていたのは、留学したからこそだと考えています。京都府テニス協会での大会の運営補助などは特にそれが顕著に現れていたと思います。例えば、選手の賞金を計算して渡す賞金管理の仕事、表彰式の進行や優勝者が外国人だった場合の優勝スピーチの通訳、選手やスタッフのIDパスの発行、など自分一人では完結しないことばかりでしたが、周りと力を合わせることができました。まぁ、頼ることを覚えた分、少し図々しくなったりもしましたし良いことばかりでは無いんですけどね(笑)
アメリカ留学中、何か印象に残っているエピソードはありますか?
世界のトッププレイヤーのボールキッズ(試合中にボールを回収したり供給する役割を担う人員)を務めることができたことです。テニスクラブで1人で自主練をしていたら、それを見ていたコーチに「ボールキッズをやってみないか?」と言われて、あのフェデラーとナダルのボールキッズを務めさせてもらえたんです!フェデラー対ナダル戦のボールキッズは、それまでの働きや頑張りをスタッフやコーチが評価して12人を選ぶシステムで、それに選んでもらえたんですよ。本当に光栄でしたし、貴重な経験でした。
テニス経験を強みに 私だからこそ力を発揮できる仕事を
現在、4回生ということですが、卒業後の進路はどのような予定ですか?
放送業界に進む予定です。この進路を選んだきっかけもまたテニスでした。
京都府テニス協会で、プロテニスプレーヤーを招致してトークショーを開く機会があったんです。その時に、時間調整の関係でトークショーの開始まで1時間時間が空いてしまって……。どうしようとおろおろしていた時に、MCで来ていた男性の方が「僕が一時間繋ぎます」と言って場を繋いだんですよね。お客さんからも一切クレームが無いほど素晴らしいトークだったんです。その姿に憧れて、私もトークで人々を魅了することのできるような人、もしくはそんな人を支える職に就きたいと考えるようになりました。
具体的には?
アナウンサーやキャスターとして働くのであれば、自身の経験を生かしたスポーツキャスターや、スポーツ番組のアナウンサーとして活躍したいです。テニス協会で働いていたことや、フェデラーやナダルのボールキッズをしていた経験から、“私独自の視点”で物事を語れると考えています。支える側で働くとしても同様に、テニス経験を強みに、私だからこそ力を発揮できる仕事に挑戦していきたいですね。
学部にとらわれずに様々な経験を
現在4回生ということで大学生も終わりですね。楽しかったですか?
はい!この京都で4年間を過ごせたことは本当に幸せでした。桜など、各季節の風物詩を日本の伝統文化と共に堪能できるし、祇園でバイトすれば自然と英語も上手くなるし、こんなに楽しくて実りのある時間ももうすぐ終わりだと思うと名残惜しいです。
では、最後に美学生図鑑を見ている後輩たちへ一言お願いします!
「大学生」というのは本当にかけがえのない時間であり、自分の将来を考える貴重な時間でした。学部を選ぶ時点で将来を決めている人もいると思います。ただ、それにとらわれる必要は一切ありません。例えば私は法学部ですが、旅行やテニスなどの様々な経験を通じて放送業界という道を選びました。大学生活を通じて様々な経験を積むことで、自分自身が本当に叶えたい夢を見つけてください!