美学生インタビューInterview
女子校のような青春!アナウンサーの夢へ一歩踏み出したミスコン
橋本さんは2023年のミス立教コンテストでグランプリを受賞しましたね。まずは出場したきっかけを教えてください。
アナウンサーという夢に近づくための良い機会だと思ったからです。中高女子校で大学までアルバイト経験もなく世間知らずだった私にとって、色々な人と関わったり、表で発信したりできる活動は魅力的でした。
それと、ミスコンにおいて問題視されつつあるジェンダーやルッキズムなどの話題は、もしアナウンサーになったら自分が伝える立場になるかもしれないので、一度その環境に身を置いてみようと思ったんです。
ミスコン出場はアナウンサーという夢への第一歩だったんですね。以前から憧れがあったんですか?
立教大学のミスコンは、大きな規模感で発信できそうなので1年生の頃から憧れていました。でも、今まで自分で大事な決断をしたことがなかった私にとってミスコンは未知の世界に迷い込むような感じで、結局応募できたのは3年生になってからでエントリーしたのも締め切り前日でした。
ファイナリストとしての活動の中で思い出はありますか?
やっぱりライブ配信ですね。順位という数字と毎日戦ったり、相手の姿が見えない状態で何時間も1人で喋り続けたりすることにしんどさを感じたこともありました。
でも、それ以上に、自分の言葉で配信を盛り上げられたことで、苦手意識のあったフリートークも楽しいと思えるようになったりと、成長を実感する機会にもなりました。また、リスナーの方と爆笑した思い出もあり、今でもその当時のように関わってくださる方もいて、本当に温かい気持ちでいっぱいです。
ライブ配信ではどんなことをしていたんですか?
周りの子は大食い配信、激辛配信などの企画をやっている中、私はただひたすら話すという感じでした。1回だけ「ポイントが貯まったらロシアンシュークリームを食べる」という企画をやったのですが、ポイントがいくつ貯まったのかを確認したり、リアクションを取ったりするのが向いてなくて……(笑)
私はインパクトの強さや話題性で注目を集めるというより、リスナーの方とお話しして仲を深める方が向いていたんです。配信は22時〜24時までのつもりが、つい楽しくて25時までやってしまい、「恒例の延長ね、はいはい!」、「また長く話しちゃったよ〜!」という流れが恒例でしたね(笑)
トークによってコツコツと信頼を積み上げたんですね!伝えるという経験をして学んだことはありますか?
言葉や発言に対する重みを実感しました。そのおかけで、SNSで発信するときも友達との会話でも、これを言って誰かが傷つかないか、迷惑にならないかというのをすごく考えられるようになったと思います。
特に立教のミスコンは、ジェンダーやルッキズムなどに注意深く、カッコいいや可愛いなど容姿に関する言葉を使うのが禁止なので、人を褒めるときの言い方も改まりました。
では、ファイナリストの河邊仁紀ちゃんを褒めてみてください!
仁紀ちゃんはお姉さんって感じで大人っぽいけど、中身は無邪気ですごくとっつきやすい子なんです。人当たりも良くて情に溢れていて、本当に大好きです!
なるほど!一緒にいたからこそ分かる中身の良い部分を褒めているのが素敵ですね。
おかげで語彙力が高まって、可愛い以外の言葉で人を褒める能力がすごく高くなったと思います(笑)
改めてミスコンを振り返っての感想を聞かせてください。
とにかくやってみて良かったです!傷つくこともあったけれど、それを経験したからこそ人に優しくなれた気もします。
それと、女子校のような青春を大学生になってまた味わうことができたのが嬉しかったです。今でもミスのファイナリストとはみんなで月1でご飯に行ったりするくらい仲が良いんです。本当に人に恵まれて、生涯を通して繋がっていたい友達と出会うことができました!
ただ原稿を読むだけじゃない、裏の努力にあるアナウンサーの魅力
そもそもアナウンサーを目指そうと思ったきっかけは何だったんですか?
言葉で人を救えることが素敵だと思ったからです。
きっかけは、東日本大震災が起きた小学校2年の時に、ニュースでアナウンサーの方が怒っているかのような口調で「逃げてください!」と視聴者に訴えかける姿を見たことです。
当時の私はその姿を見て、もっと優しい口調や言葉で言えばいいのにと思い、その疑問を母に投げかけたんです。そしたら、「公共の電波を使ってこうやって伝えることで、見ている人たちは逃げよう、対策しようという気持ちになるんだよ。」と説明してくれて。自衛隊の方みたいに直接自分で助けに行くわけではないけど、言葉で伝えることで人を救えることがすごくカッコいいなと思ったんです。
確かにカッコいい仕事ですよね。当時からずっとアナウンサーを目指しているんですか?
実は一時期、教師を目指していたこともありました。というのも、実は私の弟と親友が同時期に周りの大人が原因で学校を辞めたことがあって……。このことが本当に悔しかったので、大人に遮られずに、若い人がやりたいことをできる環境作りをしたいと思い、教育の道を志して大学は教育学科に進みました。
でも、よく考えたら、私が大切にしていた軸は子どもや若い人という存在に対してではなく、“何かによって世間から切り離された人々を社会と繋げたい”という思いであることに気がついたんです。
切り離された人々を繋ぐとは……?
例えば、学校に行けなくなった子は教育の流れから外れて、学校でみんなが話す話を知らずに終わったり、大人でも目の前のことでいっぱいで世間を知る機会がない人もいたりするかもしれません。
でも、テレビの情報なら、そういった外でコミュニケーションを取れない方を含め、幅広い層の方が世間の流れを知れると思うんです。SNSとは異なり、わざわざ検索しなくても、自分との関連性が低い情報でも触れられる、この点もテレビならではの魅力だと思います。
では、アナウンサーになるという夢を叶えるために今、力を入れていることはありますか?
2つのアナウンススクールに通ってアナウンススキルの習得に励んでいます。一つは夜の時間帯に1日4〜5時間、面接やESなどの就活対策を、もう一つは1レッスン1〜2時間で、発声や原稿読み、フリートークなどの技術面を学んでいて、週の半分くらいはアナウンススクールにいる生活ですね。
かなり力を入れているんですね!アナウンススクールに通って良かったことはありますか?
話すテクニックを学べたことです。アナウンサーの方って、一見文章をそのまま読んでるように思うかもしれませんが、実はかなり自分で文章の構成を考えているんですよね。聞き手に気持ちよく興味を持って聞いてもらうために、話始めにキャッチーな一言を入れたり、固有名詞や数字を出して分かりやすくしたりと工夫をしているんです。
例えば……?
お寿司屋さんでのアルバイトをテーマに話すとします。そしたら、「私は〇〇にあるお寿司さんで働いていて〜」と話すのではなく、「私、実はお魚博士なんです!」という一言から始めるんです。キャッチーな言葉から始まると、聞き手は思わず、何!?と気になりますよね。
確かに使う言葉や順番で話の印象はすごく変わりますね!
レッスンでは、テーマに対して1分で内容を考えて1分で話すという練習をするのですが、私は欲張りすぎる性格で、つい喋りすぎてしまうんです……。一つの話に出来事を2、3個詰め込んでしまう癖があるので、「重要なことは1個でいいよ。」と講師の方によく言われます(笑)
でも、話すスキルが身につくのはいいですね!
スキル面はもちろんですが、アナウンサーである講師の方が、レッスンの合間に興味深いお仕事の話を聞かせてくださる点も通っていて良かったなと思います。憧れだけでなく、現実的なことを知った上でより素敵な職業だと思うようになりました。
印刷された文字を綺麗に読むだけではなく、テレビの画面に映る姿の想像以上に裏で血の滲むような努力をしているんですよね。自分でカメラを持って取材に行ったり、話を聞いたり、原稿を書いたりと多岐に渡る業務をこなす姿は本当にカッコいいなと思います。
では最後に、理想のアナウンサー像について教えてください!
「私は〇〇(番組名)派!」と思ってもらえるような情報がお届けできるアナウンサーになりたいです。特に、日々の出来事を忖度なく端的に伝えられる情報番組で、世間から切り離された人々を社会と繋げられたらいいなと思っています。
特に日本テレビの岩田絵里奈さんのような、まだ若くフレッシュさがありながらも、堂々としていて機転が利いて、親しみやすさと信頼感のあるアナウンサーになるのが理想です。
何でも全力で飛び込める性格を活かして、良い情報を届けるために挑戦を恐れず泥臭く頑張りたいです!