美学生インタビューInterview
兄の影響で始めた柔道で葛藤の日々
これまでの人生で力を入れて頑張ったことはありますか?
小1から高3まで続けていた柔道です。
2個上の兄が柔道を習っていてその練習を見に行ったことをきっかけに興味を持って、それまでやっていたバレエを辞めて習い始めました。兄にはきついからやめた方がいいと言われていたんですけど、当時は組んで戦う様子が楽しそうでどうしてもやってみたいと思ったんですよね(笑)
だいぶ長い期間柔道をやっていたんですね!始めた当初はどうでしたか?
もともと身体を動かすのが好きだったし、最初の頃の練習は年上のお兄さんと組んで投げさせてくれたり、飛行機みたいにして揺らしてくれたりして、ほぼ遊びみたいな感じだったので楽しかったです。そして、始めて半年後くらいの初試合で勝ったのをきっかけにさらに楽しさを覚えるようになりました。
順調に楽しめていたんですね!その後はどうでしたか?
地元の小さな道場で週3回の練習だったんですけど、年齢が上がるにつれて先生の指導が厳しくなってだんだんと大変になりました。普段は優しいけど、練習になると技の教え方も厳しいし、腕立て30回を9セット、腹筋を半永久的に、人をおんぶして道場内を走り回るといったような精神的にもきつくなる感じの筋トレもたくさんさせられて、よく泣いていました。
それからは、ぶっちゃけどんどん嫌になっていきました……。両親は試合を毎回見に来てくれるくらい熱心だし、兄も全国大会に出ていたし、私自身も市の大会でほぼ毎回優勝できていたのでモチベーションはあったものの、練習で筋肉がすごくついてきてしまったり、指が太くなったり、蹴られてあざができたり……。練習のきつさだけでなく、こういった外見への影響がが女の子としてすごく嫌で、小学校の高学年くらいからはかなり気にするようになってしまいましたね。
練習以外にも辛いことが色々あったんですね……。
だけど、すごく負けず嫌いだったので、普段の練習から男子相手にもやられたらやり返すくらいの気持ちで続けていました。
小5からは全国に繋がる大会が始まるんですけど、この時はずっと成績が良かったので勝たなきゃいけないというプレッシャーで試合中は手がキンキンに冷えてかじかんでしまうくらい緊張しましたね。でも、全国に行けると決まった時は本当に嬉しくて、その瞬間ワアッと涙が出ました。
全国では周りの選手はみんなオーラがすごくて、ウォーミングアップの時に打ち込みといって、試合をする相手と技を何度か練習するんですけど、その時からレベルの高さを感じました。
やっぱりすごく緊張するんですね。試合中はどんな感じなんですか?
試合は3分間。時間でいうとすごく短いんですけど、最中は息もできないくらい苦しいし、汗もすごく出るし、技や相手の組み方の特徴を気にしながら考えたりしているのですごく必死ですね。
そして中学に入ってからは部活と習い事を両立し、部活を早上がりしては習い事行ってまた練習、という柔道漬けの日々でした。
部活と習い事の両方やっていたんですね!
地元の中学には柔道部がなかったので、小学校の友達とは離れて兄と同じ、県内で一番柔道が強い中学に進学しました。
良い結果が出るたびに先輩後輩関係なくみんなでハグして喜び合うような温かな雰囲気の部活で、1年生の頃から団体で関東大会に出たり、2年や3年生では全国大会に出たりできていたのですごく良い思い出だったなって思います。優勝すると達成感もあるし、なんだかんだで練習も楽しかったので、きつかったけどやるしかないっていう感じでしたね(笑)
柔道の魅力は「工夫次第で小さい人が大きい人を倒せること」
お話から、柔道への熱意がすごく伝わってきます。
それから中学で全国大会出場などを果たした結果、一番良いスポーツ推薦を貰えて県内で一番強い高校のスポーツ課に進学して柔道部に入ったんですけど、これがもうものすごく厳しかったですね……。
どんな感じだったんですか?
まず、毎日7時半から8時10分まで朝練で、グラウンドを10周、人をおんぶしながら階段ダッシュを10本とかしていたので冬でも汗びしょびしょで、「シャワー浴びてきたの?」って言われるくらいの状況で授業に出ていました……(笑)他のスポーツ課の子にも「柔道部はヤバい。」と言われていましたね。
そして、放課後もけんすいを10回5セット、ベンチなどのウエイトから始まって、夜の20時まで柔道をしていました。しかも、スポーツ課は水曜と金曜は授業が4時間しかなくお昼過ぎから練習があったので、その2日間は特に練習時間も長くて大変でした。
ものすごく大変そうですね……。辞めたくなることはありませんでしたか?
逃げ出したい気持ちでいっぱいで、ほぼ毎日辞めたいと言っていました(笑)
例えば、眠っている時間って幸せなんですけど朝起きたら朝練があるんだと思うと目を瞑ることすら怖くて、寝たいけど寝たくないし、朝起きたくないという気持ちになるほどで、毎日が地獄のようでした。休みも月に1回あればいい方で、夏休みでも3回くらいしかなかったので、あまり他のことをする時間もなかったんですよね。
そうなんですね。そんなに厳しい環境下で秋本さんが頑張り続けられた理由は何だったのでしょうか?
両親や祖父母、親戚、そして教えてくださって先生に、自分が結果を出して恩返しをしたいという気持ちがあったからだと思います。苦しいことも辛いことも分かっていながら「あともうちょっと頑張れ!」と言って応援してくれたり、毎回の試合を見に来てくれたりして感謝の気持ちでいっぱいでした。
それと仲間にも本当に恵まれていて、みんなで日々「明日も頑張ろうね!」と励まし合えていたので、きつすぎて辞めたいと口では言っているけれど、本当に辞めたいという気持ちではなく、とにかくやるしかないという気持ちでしたね。
すごく芯が強いんですね。そんな高校時代の部活で特に印象に残っていることはありますか?
高1の夏に前十字靭帯を切ってしまって手術をして、ウエイトやリハビリを1年間くらい続けた後、高2の1月に出場した選手権予選で個人も団体も優勝できたことです!
選手権大会自体はコロナの影響で中止されたのでこれは県大会で、私の中で最後の試合だったんですけど、部長だったので優勝が決まった後にトロフィーを持って先生と握手したり、「おめでとう!」と部員と言い合ったりしたことが本当に嬉しくて思い出に残っています。
高3もコロナの影響で大会は無くなってしまったんですけど、柔道は一緒に戦う仲間が多ければ多いほど練習になるので、先輩たちもそうだったように残っている部員のためにも冬まで一緒に練習していました。
コロナの影響で大会が中止になったのは残念ですが、最後まで頑張り抜く姿は素敵ですね。そんな思い出がたくさんある中、部活を引退する時はどんな気持ちでしたか?
ぶっちゃけすごく楽しみでした(笑)練習もないし、そのせいであざができたり擦れて耳がつぶれたりもしないし……。
それまでは練習に支障が出ないようにずっとベリーショートにしていたけど、これからは髪を伸ばしたり思いっきりおしゃれができるし、休みもたくさんあるし、「やったー!」「ラッキー!」みたいな感じでしたね(笑)
なので、大学では私も両親も「エンジョイしよう」という感じで、柔道を続ける気持ちはありませんでした。仲間と切磋琢磨できないことは寂しかったけど、柔道ができないことへの寂しさや未練は無く、やり切ったという気持ちでした!
辛いこともあったと思いますが、良い気持ちで最後までやり切れてよかったですね。最後に、秋本さんが思う「柔道の魅力」について教えてください!
礼儀正しくなれることかなと思います。道場に入る時や試合前には必ず礼をするし、常に練習相手や仲間がいることに感謝の気持ちを持つという教えがあるんです。
それと、なんといっても一番の魅力は、小さい人が大きい人を倒せるということですね。一見自分の方が小さくて相手を倒すのは無理そうであっても、技や組手を工夫することでどんな相手も倒せることがすごく楽しいなと思います!
趣味はスイーツ巡り!家族でもよく食べに行きます
最近ハマっていることはありますか?
甘いものを食べることです!アイス、ソフトクリーム、パンケーキ、ワッフルなど、甘いもの全般が大好きで……(笑)私の母親も甘党なので、休みの日などによく一緒にパンケーキを食べに行ったり、家族がすごく仲が良いのでみんなで揃って食べに行くこともあるくらいなんです。
そうなんですね!今までに食べた中で特にお気に入りのスイーツはなんですか?
幸せのパンケーキというお店のティラミスのパンケーキです!フカフカで甘いパンケーキの上にたっぷりのチョコとマスカルポーネのクリーム、そして生クリームやエスプレッソがかけられていて、美味しすぎて感動しました……!
それとEggs ’n Thingsのパンケーキも生クリームがモリモリで好きです!
ちなみにそういった甘いものはどういう場所で食べることが多いんですか?
今は埼玉に住んでいるので、埼玉だったら大宮で、都内だったら事前にお店を調べたりするよりかは出掛けた先で近くにあるお店をふらっと入る感じですね。
そうなんですね。ちなみに家で甘い物を食べることはあるんですか?
自分で甘い物を作ることもあって、昨年の最初の自粛期間中には何回かケーキ作りをしました。叔母がスイーツ作りが得意なので、教えてもらいながら、いちごのタルト、ガトーショコラ、ショートケーキなどを作ったんですけど、思っていたよりも簡単にできました。
自分でも作るんですね!お菓子を買って食べることはあるんですか?
クッキーやチョコを買って食べることはあるんですけど、部活を引退してから動かなくなったのに以前と同じように食べてしまうとぶくぶく太ってしまうので、家では少し控えてますね。
あと、柔道をやっていた当時も減量している時期がありましたね。試合の時に、自分が出場する階級の体重をオーバーしちゃいけないので、この階級でやると決めたからにはその体重に戻さなきゃいけなくて。
その時はどんな風に減量していたんですか?
これがめちゃめちゃきついんですけど、2週間前くらいからスイーツを禁止にして、1週間前からは普通の食べ物もほぼ食べないようにするんですよ。そして前日に長風呂をしてたくさん汗をかいて水分を出して、夜も少ししか水を飲まず、当日の朝は水も飲まずにカピカピの状態で体重計に乗って……。体重OKが出たら減量組のみんなで、好きなものをワアーって食べて試合に臨むんです(笑)
体重をコントロールするのってすごく過酷なんですね。
ちなみに最近だと1年ほど前にに思いっきりダイエットをしたので、それ以来いい感じに筋肉も落ちて体型が維持できているかなと思います。
大学に入ってからは以前よりも時間に余裕があるので、これからはマリトッツオや韓国スイーツにあるようなワッフルに生クリームがたっぷり乗っているものとか、とにかく東京のスイーツ巡りをたくさんしてみたいです!
美学生プロフィールProfile
担当カメラマン・インタビュアーCameraman & Interviewer
小森 すみれ
一人一人の笑顔を引き出しながら写真を撮ること、そしてなによりも楽しく撮影をしていきたいと思います。美学生図鑑を通しての新たな出会いと繋がりを常に楽しみにしています!
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