美学生インタビューInterview
気持ちの数値が負の数から正の数に変わった
以前からミスコンに興味があったんですか?
実は全然なかったんですよ(苦笑)中学の時からの親友がミスコンの運営にいて、その子に誘われるまではどんな活動をしているのかさえあまりよく分かっていませんでした。今年4月まで「ミスコンとは何ぞや?!」って感じでしたね。
ミスコンを知らないところから、どのような経過を辿って応募に至ったんですか?
親友から応募締切日の前日に「出ない?」って電話がかかってきて、私は普段は家に引きこもっているタイプの人間なので全然乗り気になれなかったんです。
でも、親友は私の家族ともすごく仲が良いので、いつの間にか父と母と妹からも「香蓮は一度、表舞台に立つ練習をした方がいい!」と説得され始めて……。
次の日まで私vs家族と親友の攻防は続いたんですけど、最後は「ファイナリストになるって決まったわけじゃないから応募するだけしな!」って言われて、締切間近で考え込んでいる余裕もなく泣きながら応募しました(笑)
ファイナリストに選ばれた時はどんな気持ちでしたか?
Zoomでの結果発表だったので、ミスコンの運営の方々が画面越しに私を見ていたんです。だから、なるべく本当の感情は表に出さないようにしていたんですけど、Zoomを切った後は「終わった(白目)」みたいな感じで涙がツーって落ちてきました(笑)
心の整理がつかないまま始まったミスコン活動はどうですか?
想像していた通り、私の苦手分野ですね。気持ちを数値で表したら、活動前は−100、初日は−150、2週間後には−200になっていました(笑)でも、今は+5くらいです!
負の数から正の数になるのはすごい進歩です!何か良いことがあったんですか?
ちょっとだけ喋れるようになったんです。これまでは人と喋れば手汗をかくぐらい緊張していたし、そもそも人と喋らなさ過ぎて高校2年生の時にはクラスで私だけ“有賀さん”って苗字で呼ばれて1年間が終わったこともあるですよ(笑)でも、今は少しだけ慣れて、ある程度は人と喋れるようになりました。
それに、交流の輪が広がったことも良かったですね。私は射撃部に所属しているんですけど、射撃部にいたら絶対に出会わなかったような人たちとも出会えて世界が広がりました。応募するかしないかで揉めている時に、家族からは「あんたこのままだと銃撃って大学終わっちゃうよ!」って言われていたんですよ(笑)
説得の仕方が独特ですね(笑)活動で心がけていることはありますか?
無理して違う自分を演じないようにしています。活動が始まった頃のライブ配信では、ミスコンらしく振る舞った方がいいのかな?と思って頑張っていたんですけど、そもそも喋るのが苦手だから話を広げられなくて咳払いでその場を凌いだりしていたんです(笑)
でも、ミスコンの運営の人から「香蓮はそのままでいいよ。」って言われてからは、なるべくありのままの自分でいるようにしました。そのおかげで、私は好きなことについてならたくさん喋れるので、ライブ配信で無言の時間が生まれることは少なくなりました。その代わり、洋画だったり洋楽だったりについて話すオタク配信にはなっていますけど(笑)
ミスコン本選までに気持ちの数値はもっと高くなりそうですか?
なるべく+100に近づけたいですね。ネガティブなことばかり考えると気持ちがダーンって沈んでしまうので、活動を通して自分にプラスになることをひたすら考えようと思います。
でも、コロナの影響で本選は規模を縮小して開催するという噂があって、人前に立つ絶好の機会がなくなることに若干ほっとしている自分もまだいるんですけどね(笑)
シャー芯の太さが10点圏内!?ライフル射撃は繊細なスポーツ
射撃部に所属しているということですが、どのような競技なのか教えてください。
射撃と言っても色々あるんですけど、私は「10mエアライフル」という種目をやっています。空気の力で鉛の弾を押し出すライフル銃を使って、制限時間内に立った状態で10m先の標的に60発の弾を撃ち、その合計点を競うスポーツです。
0.1点刻みで点数が出るので、最高得点は10.9点。10点圏内の大きさは0.5mmなので、シャー芯を思い浮かべてみるとどれだけ繊細なスポーツなのか想像できると思います。
手元が1mmズレると10m先ではもっとズレてしまうので、常に同じ姿勢、同じ引き金の引き方、同じほっぺたの乗せ方を意識しないといけないんです。
ひたすら同じ動作を繰り返すから訳が分からなくなって射撃が嫌になることもあるんですけど、撃った瞬間に真ん中だと思って得点表を見て10.9点だった時の心地良さが堪らなくて、また練習に行くんですよね。
そもそもどうして射撃を始めたんですか?
私は小さい頃から男の子っぽい性格だったので、男の子が興味を持つようなものが好きだったんです。それに何より3歳の頃からずっと警察官になりたいという夢を持っていたので射撃に興味を持ちました。私は中央大学の附属中学出身なんですけど、受験をしたきっかけは附属高校に射撃部があったからなんですよ!
でも、高校3年生ぐらいから警察官になるという夢は薄れてしまったんです。海外旅行が好きになって、警察官は職業柄旅行する時間を作りにくいということに気づいてしまったので……。だから、今は競技として射撃を楽しんでいるという感じです。
どのくらいの頻度で練習しているんですか?
部員全員が集まらないとできない競技ではないので、平日はノルマ6.5時間の練習を各人の都合に合わせてしていて、日曜日だけは全員で集まって朝から夕方まで練習していますね。でも、今はコロナ禍で以前のようには練習できない状況が続いています。
先行きが見えないとは思いますが、次の目標はありますか?
団体戦で1位になるのが目標です!団体戦は男子3人女子3人の合計点で順位が決まるんですけど、明治大学と日本大学が強くて中央大学はいつも2位か3位なんです。だから、引退するまでに何とか1回でも優勝できたらなって思います。
射撃はマイナースポーツだと思うんですけど、有賀さんのおかげで広まりそうですね!
認知していただけたら嬉しいですね(笑)射撃部の人にミスコンに出ることを言ったら「マジかよ、射撃部からミスコン出ちゃったよ!」って言われるぐらい暗いスポーツではあるんですけど、すごく奥深いスポーツでもあるんです。だから、東京オリンピックとかで目にすることがあれば、ぜひ興味を持って見てほしいです!