美学生インタビューInterview
今まで2位、3位ばかり……今度は1番になりたくて
大学に入ってから挑戦したことって何かありますか?
一番は布施戎神社の福娘をさせてもらったことです。両親の転勤で色々な所に住んでいて、高校2年生の時に大阪に引っ越して来たのでご縁があるなって感じたのと、もともと和の文化が好きでよく神社巡りをするから、それでやってみたいなと思って。
私、中学生の頃、テニスを頑張っていたんですけど、市の大会では個人2位、県では団体で3位といつも1番には届かなくて、だから、何かで1番になりたいなと思って挑戦しました。
福娘も順位が付くんですね。
付きます。選考会があってミスと準ミスを決めるんです。
応募がだいたい400人くらいで、まず書類審査。次に5人一組の集団面接があって30人に絞られます。その30人が巫女の衣装を着て舞台に立って、そこから9人が正式な福娘として選ばれるんです。
衣装を着た時はどんな気持ちでしたか?
重いしギュッと締め付けられるから苦しかったんですけど非日常なことなんで、ドキドキしました。普段ライトを浴びることなんてないから舞台に立つと緊張しちゃって。
特に私、エントリーナンバーが1番だったので、いきなり飛ばされて別の人から呼ばれたらどうしようって思ってました。でも、なんとか9人に選んでいただけて。
そこからミスと準ミスが選ばれるってことですよね?その時の心境は?
9人に選ばれる時よりも緊張したんですけど、結果は準ミスで。その時はすごく悔しかったです。
でも、後からミスの子に聞いたら、面接の受け答えとか本当にしっかりと準備してて、私が足りなかったんだなって。1番を取るためにはもっと努力が必要だなと思いました。
神様は必ず見ていますよ
福娘になると実際にどんなことをするんですか?
布施戎神社の周りを船みたいなお神輿に乗って練り歩いたり、福餅や福笹を配ったり、あとミスと準ミスは市役所や会社を回ってPRをします。
1月の例大祭、十日戎の3日間は参拝者の方たちに、笹に付ける縁起物や熊手を授ける役をします。今年は福笹が全部売り切れるほど盛況で、お参りに来た方がすごく多かったんですよ。
それは大変だったでしょう。福娘のお仕事は朝から夜までと聞きますし。
朝8時から夜8時まで12時間くらいずっと立ちっぱなしなので足がパンパンなりましたね。時間がないのでお昼もパパッと口に入れてまた表に出るとか。
それでも参拝者の方は笑顔でお迎えしないといけないので大変だったんですけど、自分がご奉仕することで喜んでもらえるのは嬉しいし、ニュースにも出演させてもらってそれを見たよって言ってもらえるのも嬉しくて、今振り返ると3日間は結構アッという間で、またやりたいなって感じです。
十日戎の3日間で一番思い出に残ってることって何ですか?
おみくじの際、初穂料を頂いてからくじを引いてもらうんですけど、箱の中にくじが入っていて引いたものに対応する番号の紙をお渡しするっていう仕組みなんですね。でも、ある方がおみくじを引く時に「箱の中にお金を入れちゃった」っておっしゃったんですよ。
お賽銭みたいな感じで、間違って入れてしまったんですね。
私もそうかなと思って。箱の中は外から見えないし、その時は参拝者の方がたくさん並んでいたので、「後で取っておきますからくじを引いてください。」って言ったんです。
で、後から箱の中身を全部出して調べてもお金がなくって。あら!?ってなったんですけど、まあそういうことですよね。
でも、あとからよくよく考えると、その人が引いたおみくじ、実は凶だったんです(笑) 引いた番号で吉とか凶が決まるので何度もお渡ししてるとわかるんですよね。神様はちゃんと見てるんだなって思ってビックリしました。
そういうことはするもんじゃないですね。で、どうでしたか?実際に福娘をやってみて。
先ほどの話と重複しますが、1番を取るためには人一倍、努力や準備をしないといけないなって思ったので、次は1番を取れるようにしっかりと準備したいです。
そういう点に気付けたのと、人に何かをして喜んでもらうのは純粋に自分も嬉しいんだなって思いました。だからまたやりたいです。
福娘としては1度きりなんですけど、巫女さんとしてなら関わることも出来るので、またご縁があったらさせて頂きたいです。
勝っても涙 負けても涙
先ほど中学の時、テニスを頑張ってたって言ってましたね。テニスが好きなんですか?
ラケット競技がすごく好き。小学生の時にやったのがすごく楽しくて中学で部活を選ぶ時に、これしかないって思って他の部活を見ずに入りました。
練習は毎日?
毎日ありました。朝練もあるし、土日もあるし。日焼け止めとか塗ってたんですが追いつかない。それくらいずっと外で頑張っていて、照り焼きみたいにめっちゃ焼けてました(笑)
何が魅力だったんですか?
ボールを打ち返す爽快感がたまらない(笑) あと、勝ち負けを競うところですね。
試合が好きだったので出るために頑張る。順番があって、試合に出してもらうためにはその順位が高くないと出られないんです。私のペアは3番手だったので、試合には出させてもらってましたね。
でも、感情が入りすぎて勝っても負けても試合が終わったら毎回泣いてました。
毎回ですか?(笑)
負けず嫌いなので負けたら悔しくて泣くし、勝ったら嬉しくて泣くし。練習試合とかは全然そんなことないし、普段の生活では感情的な方ではないんですけど、ちゃんとした試合の時はもう毎回めっちゃ泣いてて。そのうちチームメートには周知の事実というか当たり前になってました(笑) たぶん呆れられてたと思います(笑)
負けず嫌いということはたくさん練習したってことですよね?
そうですね。もともと未経験だったので初めの頃の実力は下から数えた方が早かったです。だから、家に帰ってからも1人で素振りとかめちゃめちゃ頑張りました。目標を決めたらバァー!って行っちゃう猪突猛進な性格なんです。
それにテニスって団体戦では同じ学校の友達と協力して他校と試合をすることもありますが、別の試合では同じ学校の友達と競う場合もあります。仲のいい友達だし、勝負をするライバルでもある。そういう間柄の仲間がいたから頑張れたこともたくさんあります。
最後にこの部活を通して学べたことを教えてください。
粘り強くなったことだと思います。それと、常に自分の出来ることのちょっと上を目指すようにしていたので向上心が身に付いたと思いますね。
そして、負けた時はなぜ負けたのか、何が足りなかったのか、次はどう対策するか反省するようにもなったし、誰かに応援してもらえる嬉しさを知って、自分も頑張る人を応援して元気付けたいと思うようになりました。