美学生インタビューInterview
手が震えた初めての解剖
森岡さんは医学生ということですが、どうして医者を目指そうと思ったんですか?
父が大学病院で小児科医をしていて医者という職業を身近に感じていたのと、高1くらいの頃にドラマの『コード・ブルー』を見てカッコいい!って思ったのがきっかけです。
ドラマの影響って大きいですよね。お父さんはやっぱり仕事大変そうですか?
帰ってくるのが遅かったり、当直があったりで忙しそうやなって思ってたんですけど、それでも楽しそうにしてたから進路を決めた時はそこまで大変ってイメージはなかったですね。
医学部のカリキュラムってどんな感じなんでしょうか?
1回生は他の学部と一緒で履修科目を自分で選びます。内容も英語や数学など一般的な教科で、医学を本格的に学ぶのは2回生からなんです。そこで最初に人体の解剖をするんですけど、それが今までで一番心に残ってます。
いきなり人の解剖なんですか。教科書で体の構造を勉強してからだと思ってました。
解剖をする中で学んでいくって感じです。1回生の頃から2回生の4、5月にやるって聞いてて、その時はへぇ~って感じだったんですけど、話に聞くのと実際にご献体と対面するのでは全然違うなって。2年たった今でも全部覚えてます。
最初に見た時はすごい衝撃で手とかも震えちゃってましたけど、ご献体は私たちに学ばせてあげようと本人が提供してくださったものなので、しっかりやろうと思って切り替えてやりました。
解剖ということはメスとかで切ったり……
そうですね。まず皮膚を切って表面にある脂肪を取り除くと筋肉が露出してくるんで、中にある神経を見つけて、これがどの神経かっていうのを班のみんなで確認します。で、次は、筋肉の中にある骨や内臓を見て、体の構造を把握するんです。
実際にやってみてどうでしたか?
人の体は思ってた以上に複雑で、当たり前やけど自分の中にもこれが全部入ってるんやなって思ったらすごいなって。見た目はみんな違うのに中身は一緒なんやって思いました(笑)
なんか淡々としてますね(笑)
ちょっとしたら慣れてきちゃいます。きょうは腕の日、きょうは脚の日、きょうは内臓の日って感じで、1か月くらい毎日朝9時から夕方5時までやっていたので。
献体はもちろん遺体なので亡くなった方ですけど、私たちが治療するのは生きている人なので、そう考えたらすごく責任が重いなって感じましたし、患者さんの体にメスを入れられるのは医者だけなので、カッコよくてやりがいのある仕事だなって思うようになりました。
ダンス部で仲間たちと切磋琢磨
話は変わりますが、森岡さんは趣味や特技って何かありますか?
大学ではダンス部に入ってます。
医学部って忙しいイメージがありますが、部活やってるんですね。
4年制の学部と違って医学部は6年あるので活動できる時間も結構あるんですよ。一昨年くらいにできたばかりの新しい部でジャズとヒップホップの2ジャンルをやってます。引退時期が違うからメンバーは医学部の学生だけなんですけど、部員は15人くらいいます。
ダンスはもともとやってたんですか?それとも大学に入ってから?
中学の頃からやってました。先生が熱心で、まさに“運動部”って感じの部活だったので毎年大会に入賞したり、優勝することもありましたね。練習は基本的に毎日で大会前は体重管理もして、今では考えられないくらいストイックにやってました。
部活で体重管理とはすごいですね。
露出のある衣装を着ることもあったし、体が軽い方が躍りやすいので頑張ってましたね。
ダンスのどんなところに魅力を感じてたんですか?
主に創作ダンスを踊っていたんですけど、創作ダンスって何を作ってもいいんです。だからテーマを決めて、それに沿った振り付けや構成を考えたり、音楽を決めたり、部員同士で話し合いをしていく中で、すごく仲良くなっていったのが良かったなって思います。
一番心に残っている大会は?
自分たちが一番上になって初めて出た新人大会です。それまでは大会に出てみんなの足を引っ張らないように……とかネガティブなことばっかり考えて練習することも多かったんですけど、その大会では同級生たちとどんな作品にしようかって話し合いながら、のびのびと毎日練習できました。その結果、優勝までできたのですごく嬉しかったですね。
そもそもですが、どうしてダンス部に入ったんですか?
勧誘されたんです。それで先輩が可愛かったから入部しました(笑)
思ったより勉強との両立が大変だったんですけど、同じ悩みを抱えてる子たちと一緒に切磋琢磨しながら最後までちゃんと活動できたということが自分にとって大きな自信になってます。だから、忙しかったですけど中高一貫校だったので6年間、ずっと続けて良かったです。
“医学部あるある”は驚異の100万回再生!
大学生活自体は忙しいですか?
毎日勉強はしていますが、学校へは行けないし部活もあまり出来ない。外で自由に遊ぶことも難しいので時間は余りがちです。なので、冬くらいからTikTokを始めたんですよ。
どんな動画を載せてるんですか?
私が躍っている様子を背景に、中高生に向けて自分が高校生の頃にやってた勉強方法とか、その時にどんなスケジュールで生活してたとか。私が経験してきたことがちょっとでも役に立ったらいいなと思って発信してます。
あとは医学部あるある。医学部がどんな学部かっていうのを載せてるんですけど、思ったより中高生に響いて結構リアクションをもらえたりするんです。2日に1回のペースでアップしてるので、本数も結構上げてます。
SNSは色々とありますが、どうしてTikTokだったんですか?
何か新しいことを始めたかったんですが、6回生になると忙しくなるから手っ取り早くバズれる方法はないかなと思って。それで、TikTokが一番広まりやすいっていうのを知って、じゃあTikTokにしよう!って(笑)
動機が(笑)一番バズったのはどれくらい再生されたんですか?
ちょうど100万回くらいです。めっちゃビックリしました。
@ayumim9医学部4回生あるある💉#医学生 #医学部あるある #大学生 #おすすめ #fyp♬ Renai Circulation (English Cover) [TV Size] – Lizz Robinett
そんなに再生されるんですか!?どんな内容を投稿したんですか?
それこそ医学部4回生のあるあるですね。他の学部と違って部活は4年生で幹部になるよとか、医学部じゃない友達が就活で忙しそうなのを見て焦るとか、学年内で順位が出るテストがあるからみんなめっちゃコソコソ勉強するよとか。
短い動画なんで本当に大したことは書いてないんですけど、そういうちょっとしたことを投稿してます。
バズった感想は?
本当に誰にも言ってなかったのに、たくさんの人の目に留まって色々な人から連絡来たんですよ。フォロワーも1万5000人くらいになって、シンプルに嬉しかったです。