美学生インタビューInterview
日本大会に向けたスパルタレッスン!
ミスユニバーシティに挑戦したきっかけを教えてください。
きっかけは、大学2年生の時にタイへ半年間留学したことです。その経験は私にとってとても大きな挑戦だったのですが、それをやり遂げた後、ふと“空白”のように感じる時間があったんです。何もできていない自分に焦燥感を感じ、大学生という限られた時間でしかできないことにまた挑戦したいと考えるようになりました。
そんな時に頭に浮かんだのが、高校生の頃から憧れていたミスコンです。大学のミスコンにも興味がありましたが、ミスユニバーシティの審査は外見だけでなく取り組む過程も評価してもらえるんです。また、本番に向けてレッスンもしっかり組まれていて、努力次第で自己成長を図っていける点にも魅力を感じました。
そして見事、千葉代表に選ばれ日本大会への出場が決定。本番に向けて、どのようなレッスンを?
本番までの約4か月間、ウォーキングやスピーチの特訓、ファイナリスト全員で踊るオープニングアクトのダンス練習などに取り組みました。
レッスンは本当にスパルタでしたね……。「いつ、どこで、誰に見られても恥ずかしくない立ち居振る舞いをしなさい」といったことは何度も言われました。仕草や言葉遣い、視野の持ち方、他者との関わり方、さらにはレッスン会場に来る時の服装やメイクなど、すべてにおいてどれだけ高い意識を持てるかが問われるんです。ミスユニバーシティに挑戦することを選び、県代表という肩書きを持った以上、その重みを自覚するようにと繰り返し指導を受けました。
求められる意識の高さが想像以上ですね……!ウォーキングレッスンはどうでしたか?
大会では13cmのヒールを履いて歩くのですが、最初は立つことすらできませんでした。ウォーキングは基本姿勢が大事で、それが整っていないと歩いてもブレてしまいます。なので、最初は歩かせてもらえず、姿勢を覚えることから始めました。上から引き上げられるようなイメージで立つのですが、全身の筋肉を使う感じですごく難しかったです。
立つだけでも大変なんですね。歩くとなるとさらに難しいのでは?
そうですね。ミスコンのウォーキングは体の曲線をいかに美しく見せるかが大切で、腰を左右に滑らかにつなぐような動きが求められるんです。また、歩き終えた場所での「ポージング」は見せ場でもあり、足首の角度や高さ、腰の位置、顔の向き、目線、間の取り方まで細かく指導していただきました。
鏡の前で自分と向き合い、アドバイスをノートにびっしり書き込んで、ひたすら改善を繰り返して、毎回レッスンが終わる頃にはへとへとになってしまうほどでしたね。
心が折れそうになることはありませんでしたか?
ありました。でも、講師の方のご指導には愛がありましたし、おっしゃることはどれも正論ばかりで、有り難いと感じていました。
また、ファイナリスト同士で課題を消化し合い、「こうした方がいいんじゃない?」とお互いに声を掛け合える温かい環境ができていたんです。ミスコンって出場者同士の関係がギスギスしてるイメージがあったんですけど、まったくそんなことはなかったです。だから、落ち込むことがあっても辞めたいと思ったことはありませんでしたね。
審査は勝ち抜き方式!緊張で震えた大会本番
そして、迎えた日本大会当日。審査はどのような流れでおこなわれたんですか?
オープニングアクトの後、スピーチ審査、ドレスウォーキング審査と続くのですが、その審査がトーナメント方式の勝ち抜き戦なんですよ。スピーチ審査では、当日ランダムに対戦相手が決まり、ステージの左右から登場して、順番に30秒ほどスピーチをします。
その後、審査員の皆さんが「良かった」と思った方にその場で旗を上げるんです。敗れたら次の審査には進めず、その時点で脱落となってしまいます。
なかなか残酷ですね……!スピーチ審査を勝ち抜かなければウォーキングを披露することすらできないということですか?
そうなんです。スピーチ審査で半分に絞られてしまいます。
対戦相手はステージに出てきた瞬間に初めて分かるのですが、「この子か……!」と思いつつ、誰が相手でも”自分らしくあること”をずっと大事にしてきたので、比較しても仕方ない!という強いマインドで臨みました。自信を持って笑顔で話すことができて、私としては100点満点のスピーチだったと思います。
旗が上がって勝ち抜きが決まった瞬間はどんな気持ちでしたか?
「よっしゃ!!」と心の中でガッツポーズしていました。でも、その喜びを顔に出してはいけなくて、何事もなかったかのように静かに舞台袖へ捌けるんです。自信はあったのですが、次に進めることがわかってすごくホッとしましたね。
ドレスウォーキング審査はどうでしたか?
直前までは落ち着いていたのですが、ステージに立った瞬間に足がガクガク震えてしまって……。スピーチ審査ではそんなことなかったので自分でも驚きました。本番特有の緊張感に少し飲まれてしまったのかなと思います。
この審査ではしなやかでゆっくりとしたウォーキングをしなければいけないのですが、私は足の震えでブレてしまうこともあり、結果的にここで敗退となりました。表情やポージングは自分らしくできたと思いますが、ウォーキングそのものには若干の後悔が残りましたね。
改めてミスユニバーシティへの挑戦を振り返って感想を聞かせてください。
もちろん悔しさはありました。でも、綺麗事ではなく、誰がグランプリになっても誇らしいと思えるような仲間に出会えたことが、私にとっては何より嬉しかったです。
それに、表彰式の後におこなわれたアフターパーティーで、「コンジニアリティ賞」を頂くことができたんです!これはファイナリスト同士で選ぶ「最も親切で、見ていて楽しかった人」に贈られる賞で、日本では聞き馴染みがないかもしれませんがアメリカではメジャーな賞だそうです。
予想外の受賞だったので驚きましたが、一緒に頑張ってきた仲間から評価してもらえたことが本当に嬉しくて、報われたというか、「頑張って良かったな」と心から思えた瞬間でした。
チアダンス愛好会は「青学に入って良かった理由、そのもの」
ミスユニバーシティの他に大学生活で力を入れて取り組んできたことはありますか?
大学のチアダンス愛好会の活動です。高校ではダンス部に入っていたので、大学でもダンスを続けたいと思って調べていた時にインスタグラムで見つけたんですよね。ひと目見て惹かれて、新歓にも参加して、ここだ!って即決しました。
どういうところに惹かれたんですか?
シンプルにユニフォームが可愛くて憧れたのもありますし、学園祭で初めて見た時に、ニコニコ可愛い曲だけじゃなく、ものすごくキレのあるダンスでバチバチに踊っている曲もあって、そのカッコよさに衝撃を受けました。
チアダンスは未経験だったんですよね。習得するのに苦労しましたか?
開脚などの基本的なストレッチから始め、それからジャンプやターン、アームモーションなどを練習していきました。私はとても身体が硬くて、その柔軟性の無さから技の表現の幅が限られてしまうのがネックでしたね。
ただ、活動自体は「楽しい」って気持ちが一番でした。みんなで息を揃えて一つの作品を作る過程が本当に楽しくて!私たちの学年は人数が少ない分、団結力が強くて、引退した今でも定期的に集まるくらい仲良しなんです。
特に思い出に残っているステージはありますか?
一番印象に残っているのは、昨年の青山祭(学園祭)ですね。来場者が多くて、まるでフェスみたいにたくさんの観客が立ち見でぎゅうぎゅうになりながら観てくれるんです。私たちの代の引退ステージでもあったので、今でもその光景は鮮明に目に焼き付いています。
踊っている最中はどんな気持ちでしたか?
すごく楽しかったです!また、同時に「これが最後なんだ」という気持ちも強く感じていました。ただ、それを噛み締める余裕もないくらい息が上がっていて(笑)というのも、3年生はエンディングの前のトリで、5曲連続で踊るんです。夏合宿では2、3曲目でヘロヘロになっちゃって、「これ、本番で踊りきれるのかな……?」ってみんなで心配していたくらいで。笑顔もキープしないといけないのでものすごくハードでした。
ステージが終わった時の心境を教えてください。
寂しさよりも、「やりきった」という達成感の方が大きかったです。その日は家族や幼い頃からの友達などたくさんの人が観に来てくれて、みんなが「泣きそうになった」と言ってくれたことがとても嬉しかったです。こういう感情も大学生活ならではだなと感じながら、満足感に浸っていました。
中村さんにとって、チアダンス愛好会はどんな存在でしたか?
「青学に入って良かった理由、そのもの」だと思います。青山祭の1〜2週間後に引退式があって、その後に3年生だけでお疲れ様会を開いたのですが、その場のスピーチでもみんなが口を揃えてそう言っていました。大学生活の中心がこの仲間たちとの時間だったと、全員が心から実感して終えられたことが本当に幸せで、涙の嵐でした。