美学生インタビューInterview
被写体を始めて“個性”に対する執着を手放すことができた
高校生の頃から被写体活動をしているそうですが、始めたきっかけを教えてください。
人と違うことをやりたいと思っていたんです。部活や生徒会に入って色々と活動はしていたんですけど、それだけだとまだ他の子と差別化できていないなと感じていて。
そんな時にSNSで「被写体」というものがあることを知ったんです。モデル活動には興味があったけど事務所に入るほどの熱量はなかったので、これなら自分でも挑戦できそうと思いました。
“人と違うこと”に強いこだわりがあったんですね。
当時は個性やアイデンティティというものにすごく執着していて、「自分って何なんだろう?」ってよく考えていました。古着を好きになったのも、一点モノを身につけることで他の人とは違う自分でいたいと思ったからです。ほんと何に対しても個性、個性って感じでしたね。
そういう時期ですよね……!被写体活動はどのようにして始めたんですか?
その頃、好きな女子高生2人組のYouTuberさんがいて、その方たちを撮っていたカメラマンさんに、「○○さんの写真好きです!私もいつか撮られたいです!」ってメールを送ってお願いしました。当時は何のモデル経験もなかったので、今思えばすごく勇気のいることをしたなぁと思うんですけど、その時はただやりたいって気持ちだけで動いていましたね(笑)
そしたら有り難いことにカメラマンさんから返事が来て、私の地元まで来て撮ってくださったんです!
初めての撮影はどうでしたか?
そのカメラマンさんは構図を決めて撮るというより、被写体が自由に動いてるところを撮っていくスタイルだったんです。最初はどうしたらいいかわからなかったんですけど、わからないなりに動いてみました。
で、何枚か撮ってもらってからモニターを見せてもらったら意外といい感じで……!こんな風に写るんだってことがわかってからは大げさに動いてみたり、自分で色々と考えてポーズをとるようになりました。
今日の美学生図鑑の撮影の様子を見ていても、身体を動かすのが上手いなと思いました。
ありがとうございます。高校時代は被写体活動にかなり入れ込んでいて、ポーズのバリエーションを増やしたいと思って日頃からたくさん練習していたんです。インスタグラムで好きなモデルさんの写真を保存して鏡の前で真似してみたり、こういう筋肉の使い方をしたらこう写る!っていうのを身体が覚えるまで練習していたので、今もそれが染み付いているんだと思います。
自然なポーズに見せるコツはありますか?
写るときには「写真」というよりは、どっちかというと「MV」っぽい感じをイメージします。静止画ではなく映像の中のワンショットみたいなイメージで動くと、いかにもポーズを決めたという印象にはならずナチュラルに見えると思います。
参考になります!先ほど個性を求めて被写体活動を始めたと話していましたが、手に入れることはできましたか?
結果的に、個性に対する執着を手放すことができました。
実は、高校2年の時に「ミスiD」という講談社が主催するオーディションに出たんですよ。その時に、思い描いていた個性のイメージがぶっ壊れたというか……。他の出場者が個性のかたまりみたいな人ばかりだったんですよね。面接でも「自分はこうです!」っていう主張が凄まじくて、見ているうちに「私って個性ないかも」と感じました。
それを機に自分自身を見つめ直した結果、個性に対する考え方が変わったんです。個性って「強い」とか「弱い」じゃなくて、横軸で捉えるものなんだなって。端的に言うと、人と比べることをやめました。他人と比較せずにただ自分が良いなと思うものを選んでいったら、個性って自然と確立されるものなんだと思います。
担当していたファイナリストが活動辞退!?
大学生になってからも被写体活動は続けているんですか?
活動のピークは高校時代で、大学に入ってからはコロナの影響もあったりしてほとんど活動できていないです。今4回生なのですが、大学卒業と同時に被写体活動は完全にやめる予定です。
では、大学生活で力を入れて頑張ったことを教えてください。
3回生の時にミスター&ミスキャンパス関大の運営スタッフとして活動したことですね。
2回生まではサークルにも入っていなくて人との出会いが無かったので、何か新しい環境に身を置きたいと思っていたんです。アルバイト先の友達が別の大学のミスコンの運営をやっていたので興味を持ちました。
運営スタッフとしてどのような活動をしていたんですか?
メンバーが30人くらいいて色々な部署にわかれて活動するのですが、私は「営業」と「ファイナリストのマネージャー」の2つの役職を兼任していました。営業は協賛企業と取り組み内容について話し合ったりするのが主な内容で、マネージャーはファイナリストのスケジュール管理や提出物のリマインドをしたり、相談役として話を聞く役割です。
大変だったことはありますか?
実は、自分がマネージャーとして担当していたファイナリストが途中で辞退してしまったんです。原因はミスキャン活動と就活の両立……。当時はとにかく会話を重ねて、不安を解消してもらえるように説得を試みました。運営代表からは「ファイナリストの味方になってあげてください。」と言われたので、誰よりもファイナリストの気持ちに共感して寄り添うことを意識して接しましたね。
でも、辞退してしまったんですよね。
手は尽くしたんですが、9月の終わりくらいに辞退してしまいました。ショックが大きすぎて2、3日は寝込んでいた気がします。色々な人にしょうがないよって慰められました。
今思えば、もっと早く代表に相談しておけば良かったなとは感じます。まだ不安が小さいうちなら話し合うことで解決できることもあったと思うんです。でも、あの時の自分には精一杯だったかな……。
結局、そのあとは別のファイナリストのマネージャーを受け持つことになりました。
ファイナルイベントはどうでしたか?
それが残念なことに、ファイナルイベントの時にちょうどコロナに罹ってしまったんです(笑)黒子として舞台で贈呈品を渡す係を務める予定だったんですが、当日は家でライブ配信を見ながらファイナリストにエールを送ることになりました。めっっっちゃ悔しかったです……!
そんなこんだでハプニングも多かったミスキャンの運営団体での活動ですが、就活ではこれらのエピソードを挫折経験として話すこともできたりしたので、結果的には良かったです。今ではいい思い出ですね。