美学生インタビューInterview
一つの技に1年 トランポリンは自分との戦い
これまでの人生で力を入れて取り組んできたことを教えてください。
中高6年間、部活で頑張ったトランポリンです。高校2年生の時にはインターハイの団体戦で全国6位に入賞しました。
入部のきっかけは何だったんでしょうか?
小さい頃から身体を動かすことが大好きで、中学ではこれまでやったことがないスポーツにチャレンジしたいと思っていました。
それでトランポリン部の体験入部に参加して、先輩と手を繋いで跳んでみたら楽しくてハマってしまって。他の部活を見ることもなく、ここにしよう!って即決しましたね。
トランポリン部って珍しいですが、どんなことをするんですか?
主に大会に向けて技の練習をします。
入部してまずは、真っ直ぐジャンプすることに慣れます。簡単なように思えますが意外とバランスが難しいんです。
それが出来るようになったら今度は、空中で膝を抱えたり、脚を広げたり、着地の際に腰や腹で落ちたりする練習をします。1年目はこれだけで精一杯。2年生の途中から回転技の練習を始めました。
ジャンプしながら回転するのはすごく難しそうですね。
高校生からは回転にさらにひねりを入れる技にも挑戦しました。
でも、ひねりを入れることで変な癖がついてしまって、もともと出来ていた普通の回転もできなくなってしまったんです……。スランプに陥って、また基本的な回転から練習し直すことになりました。それが一番大変でしたね。
大会ではどのように採点されるんでしょう?
約20秒間の演技時間に10回の跳躍をおこない、違った技を連続で披露します。そして、それぞれの技の難易度や出来栄え、着地の正確さなどが数値化され、合計得点を競う形です。大会によって技が全部指定されている場合もあれば、この技だけは入れてあとは自由演技でOKという場合もあります。
途中でミスをしたり、バランスを崩すこともありますよね。
はい……。でも、10回以上跳ぶことはできないんです。だから、バランスを崩してしまったら予定していた技を変更して対応することもあります。
“綺麗に跳ぶ”というよりは、とにかくすべての技をやり切ることが毎大会の目標でした。10回とも予定通りに飛べたときはホッとしましたね。
清水さんにとってトランポリンの魅力とは何でしょうか?
やっぱり、新しい技が出来た時の達成感でしょうか。
自分が出来る中で最も難易度の高いのが「フルバック」という、後ろに1回宙返りしながら1回ひねりを入れるという技なんですが、この技は習得するのに1年くらいかかりました。
誰かとの競争ではなく、まさに自分との戦い。動画を撮影してチェックしては「回転が足りない」「ひねりが足りない」と修正を繰り返して、やっと技を自分のものにできた時の喜びは何物にも代えがたいです。
祖父を元気づけたい、と今宮戎神社の福娘に挑戦
最近はどんなことに取り組んでいますか?
大学ではボルダリングサークルに入って活動しています。また、今宮戎神社の令和3年度福娘に選ばれ、十日戎で参拝者の皆様にご奉仕させていただきました。
まずはボルダリングサークルについてお話を聞きたいと思います。入ったきっかけは?
小さい頃からジャングルジムとか登り棒とか、登る系の遊具が好きだったんですよね(笑)
高校3年の時にボルダリングのジムに友達と遊びに行ってすごく楽しかったのでサークルに入ろうと思いました。
サークルの活動内容を教えてください。
西宮北口にボルダリング場があって、そこで週2回くらいボルダリングを楽しんでいます。月に1回、京都にある大きなクライミングジムに遠征したり、ボルダリングができる岩のある山手の公園に行くこともあります。
出来てまだ3、4年目くらいのサークルでメンバーは20人くらい。男女比は7:3で、経験者も多いですが、私のようにもともと別のスポーツをやっていた人もいます。
(記者は)ボルダリングやったことないんですが、ものすごく力が必要なように見えます。
確かに筋力は必要ですが、力よりも身体の使い方がポイントです。身体の動かし方のコツを掴むことができれば、手を傷めず体力もあまり消耗せずに登ることができるので面白いです。私の場合、トランポリンで体幹を鍛えていたのがボルダリングでも活かせている気がします。
屋外でボルダリングをすることもあると聞きました。どんな岩を登るんですか?
西宮の北山公園にある「北山ボルダー」という場所なんですが、足をかける所がほとんどない岩や、人が登りすぎてツルツルになっている岩を登ります。垂直に近い急傾斜の岩を、足を引っ掛けられる場所を探し、身体の動かし方を探りながら登りきります。
岩の上に立って眺める景色は最高で、自然の中のボルダリングでしか感じられない爽快感がたまりません!
話変わって、今宮戎神社の福娘の活動についても聞きたいと思います。応募のきっかけは?
祖父が京都で醤油の醸造所を経営しているんですけど、コロナの影響を受けてしまって……。祖父を元気づけたいと思って福娘に応募しました。
今宮戎の福娘は倍率が高いことで有名です。最終審査では応募者が各々自己PRをするそうですが、清水さんは何を?
部活でトランポリンをやっていて体力があることをPRしました。実際に跳んでるところを見せることができたら良かったんですけどそれはできなかったので、審査員の前で前後開脚をしました。
他の人はダンスをしたり歌を歌っていたりしたと思うんですけど、当日は緊張しすぎて記憶がなくて……あまり覚えてないですね(笑)
十日戎の感想を聞かせてください。
3日間5時起きで朝から晩まで本当に大変だったんですけど、私が福笹に飾り付けをすると参拝客の方が「今年一年、幸せになれるわ〜」と喜んでくださって、やり甲斐を感じました。家族や祖父母も毎日足を運んでくれてそれも嬉しかったですね。
お祖父さんを元気づけたいという思いは叶いましたか?
はい!実は、最終審査の時にテレビ局のインタビューを受けて、祖父のお店が応募のきっかけだということを話したらニュース番組で放送されたんですよ。それがきっかけで視聴者の方がお店に醤油を買いに来てくださったりもして。そういう思わぬ形でも祖父のお店に貢献できて、私もすごく嬉しかったです!