美学生インタビューInterview
今回はいつもとは違う、音楽マガジン風なインタビュー記事となっています。会話の中に、彼女たちの音楽に対するスタンスと、しっかりとした軸が詰まっています。これから要注目な彼女たちのインタビューをどうぞご覧ください!
① 自己紹介をお願いします。
あみ:あみです。関西学院大学国際学部の3回生で、ボーカルをしています。
稚秋:稚秋(ちあき)です。関西学院大学社会学部の3回生で、ギターを担当しています。
さちゅん:関西学院大学教育学部3回生のさちゅんです。ベースをやってます。
あやか:神戸市外国語大学外国語学部の2回生のあやかです。ドラムを担当しています。
② ディアアニーってどんなバンドなんですか?
あみ:そうですね、大阪と神戸を中心に活動している平均二十歳のエモーシヨナルガールズロックバンドです。
記者:えーと、エモーシヨナルロックバンドってどんな音楽なんですか?
全員:そうですね…
さちゅん:えーと、勝手なイメージなんですけど、ちょっと重めのロックみたいな感じです。
記者:なんでまたエモロックなんですか?
あみ:うーんそうですねー、打合せとかしてこういうジャンルがしたいねって言って決まった訳じゃないんですよ。私たちは全員で曲を作っているので、色んな音が混じってくるんです。だからあんまり、こういう色でって決めてる訳じゃなくて、その時出来た曲をジャンル分けするみたいな感じなんですよ。
稚秋:バンドって全部ロックなので、ロックっていうと枠が大きすぎるから、ジャンル分けした感じですね。
記者:そうなんですね、自分達の音楽性を説明するためにジャンル分けした形になるんですね。
あみ:私達オリジナルの曲を作ったりするバンドを組むのが初めてなんですよ。みんなで探しながら作っている感じですね。
記者:活動場所というか拠点にしているところは決まっているんですか?
あみ:私達みんな兵庫の大学なので関学の最寄り駅の甲東園の近くにあるスタジオで基本的に練習してます。
③ 仲が良さそうな4人ですが、ケンカすることはありますか?
記者:音楽のことでケンカすることはあるんですか?この表現にしたいっていうのでぶつかったり。
あやか:この音は使いたくないとかそういうことですか?それはたまにありますけど。
稚秋:使いたくないとかはありますけど、喧嘩はないです。
あみ:こっちのほうがいいんじゃないって、譲り合いじゃないけど、こっちの方がベターっていう言い方をしますね。
あやか:そっちの喧嘩はないですね。個人的なケンカならたまにあるけど(笑)。
あみ:うん、ないねぇ。個人的ケンカ以外は(笑)。
記者:結構冷静に、こっちの方がここがいいと思うからって言うんですかね?
あやか:そうですね。そんな感じです。
あみ:言うときは絶対スタジオに4人が揃ってて楽器が演奏できる状態で言うんですよ
稚秋:だから一回やってみておかしかったら「ここおかしいね」って言って、納得して決められるので、だからその根底の感覚がずれていないのでうまくいってますね。みんな性格とかバラバラなんですけど、根底が一緒だから大丈夫ですね。
④ Dear annie,はなぜこの4人なんですか?
記者:音楽の好みや性格もバラバラなみんながどうしてバンドを結成したのか疑問なんです。
あやか:バンドって何より人間関係が大事なんですよ。おんなじ趣味とか関係なくて、何より人間性が合うか合わないかなんです。
稚秋:それはほんまにそう思う。
記者:一緒にいれるかどうかということですか?
あやか:そうです。ほんまにそこが重要です。
全員:うん。ほんまに。(みんな力強く頷いていました)
稚秋:経験者は語るやな。この二人(あみ・あやか)は前にベースとギターが違うバンドで一緒にやってたんですよ。
あやか:まあ上手くいかなくて。あみはもっとやってるよね。
あみ:そうやね。
記者:人間関係で行き詰まるんですか?
あみ:というか、人間性が大事で…。誰が悪いとかではないんだけど、バンドって友達じゃないから。お金も絡んでくるし、意見の言い合いにもなるし、すごい人間性出るので、そこが合うか合わないかってすごく大事です。
記者:バンドのメンバーって、友達ではないんですね。
あみ:うん、友達ではないですね。
記者:友達ではない…うーん
さちゅん:なんか、メンバーと一緒にごはんを食べに行ってる時は友達なんですよ。でも、スタジオ入ったりライブの時は友達っていうより、なんやろう…
稚秋:身内…?
あやか:ひとつ屋根の下みたいな。
あみ:あ、わかるわかる。
あやか:兄弟みたいな
あみ:なんか身内に近いなぁ。友達以上家族未満みたいな
稚秋:なんか繋がってるよなぁ
記者:へー!
さちゅん:みんな音楽性違って良かったなぁって思うなぁ。
記者:なぜですか?
さちゅん:音楽性が似てたら、それは曲とか作りやすいと思うんですよ。でも、似すぎてたらあんまり刺激ってないじゃないですか?だから4人がバラバラやからこそ、自分一人だったら絶対に思いつかないようなフレーズとか思いついたりするときもあって、だからバラバラに思えるこの4人で良かったなって思います。
全員:うんうん
記者:バラバラだからこそ
あやか:一つが出来るって思いますね。
⑤ みんなで曲を考えているんですか?
あやか:はい!
記者:誰か一人とかじゃなくて?
全員:はい
記者:それって珍しくないですか?そんなことはないんですかね?イメージとしては、メジャーなバンドだと作詞作曲を見ると
稚秋:大概ボーカルが曲書いてますよね。
記者:そうなんです。そのイメージがあったので、ビックリというか、どうやっているんだろうって思いますね。
あみ:まぁ、ボーカルとか誰か1人が書いたほうが早くできるといえばできるんですよ。誰か1人が完成型を持ってきたら、ドラムが自分のパート付けて、ベースが付けて、ってもう構成は決まっているじゃないですか?そうじゃなくて、みんなで作るってなると時間も掛かるし、曲が飛び飛びになってしまうこともあるんですよね。1コ1コ凄いこだわってしまうので本当に時間がかかりますね。
記者:なるほど!本当に4人揃ってのdear annie,ですね。
⑥ dear annie,って誰がつけたんですか?由来を教えてください
全員:あみです!(笑)
あみ:えーと、annieていうのが人の名前で、Dear annie,って日本語訳したら「親愛なるアニーのために」ってなるんですけど、バンドの4人全員をアニーちゃんに見立てて、アニーちゃんのために音楽を作っていこうっていう意味を込めたバンド名なんです。ふわっとしたイメージなんですけど、4人1人1人がアニーちゃんだし、私1人でもアニーちゃんで、みんな(アニーちゃん)のために音楽やそれ以外のことも作っていこうと思っているんです。
記者:へぇー!みなさん反対されなかったんですか?
あやか:全然してないですね。
稚秋:あみのセンスを全面的に信頼してるんで!
あやか:そうそう!あみに任せたら間違いないやろ!って思ってました(笑)。
稚秋:そうなんですよ。そのセンスを見込んでのボーカルっていう。
あやか:うんうん。
あみ:めっちゃあみのこと立てるやんか~(笑)照れるやんか~(笑)。
稚秋:あみ、めっちゃ嬉しそう(笑)。
あやか:今日だけやで(笑)。
⑦ 勉強とバンドの兼ね合いはどうですか?
全員:痛いとこつくなー(笑)。
記者:いま皆さんほとんど3回生じゃないですか?就活のことを意識されたりすることもあるのではないですか?
全員:まだそんなには意識してないですね…笑
記者:バンドと学校を両立するのが難しいなと思うときもありますか?
あみ:そうですねー…、ライブをする時にリハーサルがあるんですけど、基本的に昼なんですね。だからライブの時間には間に合うんですけど、調整が難しいときはありますね。でも、ライブのために学校を休んだりすることを強制したりすることはありません。そこはライブハウスさんも分かってくださってるところが多いですね。
稚秋:時間のやりくりが一番大変だと思いますね。学校もあるし、バイトもしないといけないし、練習もしたいしで、もっと時間とお金があれば、って思いますね(笑)。
記者:なるほどー。確かに時間がかつかつになりそうですね。でも両立されていて凄いです。
⑧ 最後に読者へメッセージをお願いします。
あみ:自分の優先したいところを優先して生活してほしいなと思います。周りがこうやってるからこうしなきゃいけないとか、周りがこう言ってるからこうしよう、じゃなくて、自分のやりたいことを優先して全力で頑張ったらいいと思います。
あやか:優先順位を早く見つけることはすごく大事だと思いますね。分からないままで過ごしていたら、結局何も出来ないまま大学生活が終わってしまうんじゃないかなって。
全員:あーそうだね。
稚秋:周りとか親戚の人からサークル入らないと友達出来にくいよって言われていたんですけど、サークルに入ってない友達もいて、そういう子はやりたいことをバイトで見つけていたりとかしますね。だから学科で仲良くなった子がそのサークルに入るからとかじゃなくて、自分でちゃんと考えて、何をしたいのか決めたほうがいいと思いますね。
あやか:妥協しないことも大事だと思います。
あみ:うん。ほんとそうだね。
さちゅん:大学って全部において結構自己責任なところがあると思うんですよ。先生とかに強制されることが今までより確実に減ると思うので、その自己責任ということを意識して自分のやりたいことを自発的にやっていくのがいいんだと思います。
稚秋:いろんな人がいるので、やろうと思えば何でも出来るし、志が同じ人はたぶんいると思うし。
あみ:極端に言うと、最後の時間じゃないですか。就職する人が多いと思うんですよ。だから最後の自分を一番優先的に考えれる期間だと思うので、大事にしてほしいと思いますね。
記者:こうして聞いていると、みんなの基礎の部分ってすごく似ているのかな、と思いました。
全員:笑。
記者:これが長く続く秘訣なんですかね?笑
全員:そうかもしれないですね。基盤だけ似てる(笑)。でもみんな全然違う方向に伸びてるんです(笑)。卒業しても就職しても、このバンドを長く続けていけたらいいなと思っています。
dear annie,の皆さん、お話ありがとうございました! (写真=辻村真依子、記者=加藤真理子)
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