美学生インタビューInterview
“ノンケ”に届けたい!レズビアンを公言するミスコンファイナリスト
ミス中央コンテストに応募したきっかけを教えてください。
以前から運営団体の方から声をかけていただいていて、ずっと迷っていたんですけど、学生生活の最後に何か思い出を残したいなと思って出場を決めました。
それと、私はレズビアン当事者として高校2年生の頃からSNSで発信活動を続けていて、レズビアンを公言している自分が表舞台で輝くことで、いろんな人に希望や勇気を与えられるんじゃないかなと思ったんです。
もともとのアカウントもたくさんのフォロワーを抱えていましたし、そのままインフルエンサーとして発信を続けるという選択肢もあったと思います。あえてミスコンという新しい環境に飛び込もうと思ったのは何故でしょう?
個人で活動してると見られる層に限りがあるというか、私のことを見たいと思った人にしか届かないなと感じたんです。「この子ミスコンに出てるんだ〜可愛いな〜」とビジュアルから興味を持ってもらって、蓋を開けたらレズビアンだった!っていう方が理想的だと思ったんですよね。私がミスコンに出ることで、「LGBTの子ってこんな普通にいるんだ?!」と感じてもらいたかったんです。
なるほど、そんな思いがあったんですね。でも、レズビアンを公言しながらミスコンに出ることに不安はありませんでしたか?
ありました。アナウンサーや芸能界を目指しているわけでもないのにミスコンに出るなんて、傷付きに行ってるだけじゃんって(笑)そう思ってたから、4年間エントリーするか迷っていたんです。
でも、実際に出場してみると意外とマイナスな意見はほとんどありませんでした。それに、ここまで堅いファンがついていたらもう安心。多少嫌なことあっても大丈夫かなって思っています。
肯定的な意見や応援コメントの方が断然多いですよね!
ただ、男性からの下心のあるコメントはよく届きます。「俺が“男”を教えてやりたい」とか(笑)
……(苦笑)では、松澤さんがミスコンのSNSで発信する際に心がけてることはありますか?
レズビアンであることを前面に出しすぎず、ミスコン出場者としての日常を投稿することです。LGBTに関する発信を多くしすぎると、そのテーマに興味のある人しか見なくなっちゃうじゃないですか。
私が届けたいのは、いわゆる「ノンケ(異性愛者)」の方なんです。LGBTの人がカミングアウトするときに大事なのは“受け手側の理解”だと思っています。だから、ノンケの人たちに届けて理解を広めることで、障壁を無くしていきたいんです。
より広い層に届いている実感はありますか?
もともとはX(旧Twitter)を中心に発信していたので、フォロワーは同世代より上の人が多く、ファンの9割は女性だったんです。今はTikTokにも力を入れているので中学生の子もたくさん見てくれてるし、男性ファンも増えました。
「友達と話している時に海優ちゃんの話題が出て、その流れでカミングアウトできました!」というような声も届くようになって、本当に嬉しいです。
それは嬉しいですね!ミスコン活動において、ご自身の強みや「これは他の人には負けない」と思うことはありますか?
自分の見せ方は誰よりもわかってると思うし、唯一無二だと思います。ミスコンに出てからは、女の子らしすぎない服を着るようになりました。ゆるくてカッコいいスタイルの方が需要に合ってるし、他のファイナリストとの差別化にもなっていると思います。
ファイナルに向けての意気込みを教えてください。
最後の最後で大バズりして、もっと差をつけたいですね。
正直、最近はフォロワー数の伸びが緩やかになってきて、なかなか増えないんです。本当はファイナルまでにTikTokのフォロワー数30万人を目標にしてたんですけど、このままだと20万台後半で終わってしまいそうで……。本当はまだまだ上を目指したいんです。これはもう、自分との戦いですね。
あと、ファイナルまでにダイエットしたいです!実はミスコン期間中にめちゃくちゃ太ったんですよ(笑)ファイナル当日は、自信を持って堂々とステージを歩ける自分でいたいです。
彼女とのカップル動画が大バズり!気づけばインフルエンサーになっていました
高校2年生からレズビアンとしてSNS活動をしているとのことですが、どうして公言しようと思い立ったんでしょう?
実は、自分の意思でオープンにしようと思って始めたわけではなかったんです。
16歳の時、当時付き合っていた彼女とのカップル動画を何気なくTikTokに載せたら、それがまさかの大バズりしてしまって……(笑)顔も出していたので、そのまま学校中に知られることになってしまいました。
もともと公言するつもりはまったくなかったので最初はめちゃくちゃ焦ったんですけど、もう取り返しがつかないし、隠しても意味ない状況になってしまって、そのまま投稿を続けることにしました。「私も彼女も可愛いし、まぁいっか!」くらいの気持ちで。そしたらいつの間にかフォロワーが増えて、気づけばインフルエンサーと呼ばれるようになっていたって感じです。
もし、あの時バズってなかったら今頃どうなっていたんだろう?って思います。めちゃくちゃ良いきっかけでした。
SNS活動を続ける中で、「LGBT当事者のために発信したい」という気持ちが芽生えたのは何かきっかけがあったんですか?
セクシャリティをオープンにして活動していると、「レズビアンの人に初めて出会った!」って言われることが多かったんですよ。でも、「絶対に初めてじゃないから!」「言ってないだけで身の回りにいるはずだから!」っていつも思うんです。
言わないからって存在しないことにされちゃうのって、めちゃくちゃ悲しいじゃないですか。だから、「普通にここにいるよ!」っていうのを、私を通してもっと知ってもらいたいんです。
みんなの価値観の中に、「そういえばレズビアンの人いたな」っていう印象がワンクッション挟まれば、今後そういう人に出会うことがあっても、“初めての存在”じゃなくなる。そうすることで、カミングアウトしたい子たちの手助けになればと思っています。
現在4年生の松澤さん。大学卒業後はどのような道へ進む予定ですか?
広告系の会社への就職が決まっています。働き方の融通が利く会社なので、これからもSNSでの活動を続けながら、社会人とインフルエンサーの二足のわらじで頑張っていく予定です。
ゆくゆくは、LGBT当事者のコメンテーターとしてメディアに出演できるようになれたらいいななんて考えています。みたらし加奈さんっていう、パンセクシュアル(全性愛者)を公言しながらSNS発信やテレビ出演をされている臨床心理士の方がいて、その方に憧れているんです。いつか自分も同じようなポジションになれたらいいなと思っています。
これからも発信活動を続けて、恋愛対象が異性じゃないことが特別視されないような社会にしたいですね。あと、同性婚の実現に向けてもめちゃくちゃ頑張りたいです!
美学生プロフィールProfile
松澤 海優 (まつざわみゆ) 中央大学 商学部経営学科4年生
>お仕事を依頼する- 生年月日
- 2004年3月9日
- 出身地
- 東京都
- 憧れの人
- 姉
- チャームポイント
- 口角
- 性格を一言で表すと?
- 真っ直ぐ
- 好きな人を落とすコツ
- 相手の日常に入り込む
- 主な活動
- ミス中央コンテスト2025 Entry No.3 / レズビアン当事者としてのSNS活動
X(旧Twitter)
インスタグラム
TikTok
担当カメラマン・インタビュアーCameraman & Interviewer




















