美学生インタビューInterview
憧れのミスコン生活が私を救ってくれました
ミス慶應コンテスト2023に出場した理由を教えてください。
慶應に入学した時からミスコンに注目していました。ただ、私はSNSで発信したりすることが苦手だという自覚があったので、自分には絶対に無理な場所なんだと決めつけていたんです。
そんな中、数年前に身近な友達がミスコンに出場したんです。当時はコロナ禍真っ最中で私にとってすごく辛い時期だったのですが、頑張っている友達の姿に刺激されてすごく元気や勇気をもらえました。
それから就職活動の時期になって自分の将来について思いを巡らせた際、会社でインターンをすること以外に学生のうちにできることないかなって考えた時に「そうだ!ミスコンだ!」と思い出したんです。
過去にミスコンを見て救われた経験から、次は自分が出ようと思ったんですね。
そうなんです!コロナ禍で勇気をもらったミスコンに、学生最後の年に挑戦してみようという気持ちになりました。苦手意識もあったのですが、社会人になる前に自信を持って自分のことを発信できるようにスキルを身に付けたくて応募しました。
野村さんはオーストラリアに留学もしていたんですよね。留学経験だけでも十分素晴らしいと思います!
そうなんです。私はずっと海外に行きたいと思ってたんですけど、コロナの影響でなかなか留学に行けなくて……。やっとコロナ禍が明けてきた時に、「今、留学に行かなきゃ絶対に後悔する」と思って急ピッチで留学が決まったんです。半年間の充実した留学を終えて帰ってきた時に、また普通の日常に戻って、普通に就職活動して……っていうのが、私の中ですごく違和感があったんですよ。
なんかもっと別の選択肢というか、もっと挑戦できることを見つけたくて。ミスコンに挑戦してみたら自分の可能性をもっと広げていけるんじゃないかなと思いました。
充実した留学生活を経たからこそ挑戦したい気持ちが強くなったんですね。
なので、就活真っ最中ではあったんですけど、ミスコンに応募しようと思いました。就職活動が終わったのはお披露目後の6月中旬頃でしたね。
就活とミスコンの両立は大変ではなかったですか?
就職活動が本当にキツくて……。将来について考えすぎて、悩んじゃったんです。逆に、ミスコンの活動は楽しくて、自分らしくいられる時間で、就職活動中の希望でした。だから、両立が大変というよりも、憧れのミスコン生活が私を救ってくれたというか、頑張るスイッチが入ったんです。
楽しんで活動できているんですね!
はい!地元の静岡県を拠点にミスコン活動をしていることも影響しているかもしれません。
静岡に住みながらミスコン活動をしているんですね。なかなかイレギュラーな活動ではないですか?
そうですね。ただ、そこに関しては活動を始めた時から良い意味で全く心配していなかったんです。東京にいない分、活動しづらいっていうのはもともとわかっていたんですけど、実は中学生の時から芸能活動をしていたので、レッスンのために東京に通うことが多かったんです。なので地方から東京に通うことも慣れていたし、そういうタフさはあると思っていて(笑)
それに、地元の魅力を伝えられる良い機会だなと思っているんです!地元でストレスフリーな生活をしながら静岡の、特に地元・沼津市から発信する、それがミスコンファイナリストとして自分の個性というか、強みになると思っています。
静岡県沼津市の魅力はどんなところですか?
観光客の方がたくさん来てくれるような人気の名所もあれば、地元の人だけが知っているような穴場スポットがたくさんあるんです!そういう場所をSNSに投稿したりしています。
その投稿に対して「そこ知ってる!」とか、逆に「美味しそうな飲食店教えてくれてありがとう」って言ってもらえたりすると、役に立ったのかなと思って嬉しくなります!
“自分らしさ”を大切にしながら活動していて素敵です!
ミスコン活動を始めたばかりの時は「こんな写真で大丈夫かな」とかすごく考えてしまっていたんです。でも、王道のミスコンらしい投稿や活動って私にはできないなって思って。今4年生ですが休学していたこともあって、他のファイナリストの子と年齢が全然違うし、住んでいる場所も違うのでそれを個性としてプラスに捉えています。飾らずに、ありのままな感じで発信しています!
女優を目指すも届かなかった過去 だからこそ、頑張っている人を応援したい
先ほど、芸能活動をしていたという話がありました。
はい、中学生の時からずっと女優を目指してレッスンも受けてきました。
もともとお洋服が好きでファッション誌を読んでいたんです。『Seventeen』とかのモデルにすごく憧れてオーディションを受けてみたり。そのオーディションは落ちてしまったのですが、その時に撮ってもらった写真で別の事務所のオーディションに応募したら、合格を頂けたんです。
それがきっかけで中学2年から色々なレッスンを受けて、その中で演技のお仕事がすごく楽しいなって思うようになって、次第に女優という夢ができました。
お芝居のどんなところに魅力を感じましたか?
私、昔から恥ずかしがり屋で人前に立って何かをするっていうのがすごく苦手だったんですけど、演技をしている時は自分と別人になれるんです!それがすごく楽しくて……!恥ずかしがり屋な自分から離れて、普段出せないような感情も表現できるようになるんですよ。
でも、演技ってすごく難しいですよね。
いや、もう、ずっと「難しい!できない!」ってもがいていました(笑)でも、もがきながらも表現することが楽しかったんですよね。それに、小さい頃からずっとドラマが大好きだったので、人の心を動かせる人になれたらめちゃくちゃ素敵だなと思って、そんな女優さんを目指していました。
事務所に所属しながら、どんな活動をしていたんですか?
お芝居のレッスンはもちろん、作品に出演するために何度もオーディションを受けたり、お家で発声練習やウォーキング練習をしたり、セリフを覚えたり……。
同時に、学業も一生懸命頑張っていました。中学高校時代は芸能活動も学業もどっちも手を抜かず100%でやると決めていましたね。
夢とはいえ、何故そこまで頑張れたんですか?
それが不思議なんですよ(笑)私も今振り返ると「なんであんなに頑張れたんだろう?」って思うんですけど、たぶん大変さに勝る楽しさがあったんだと思います。
勉強が好きだったとは言い難いんですけど、学校生活はすごく楽しかったし学校自体が大好きだったんです。そんな中で芸能活動をしていると、何かの作品に出演するたびに友達がすごく喜んでくれるんです。それがすごく嬉しくて。どちらも楽しくて大好きだから頑張れたんだと思います。
今は芸能活動はしていないんですよね。
はい。大学に入学して上京したら本格的に芸能活動ができるようになると思っていたんですけど、一人暮らしや大学生活、アルバイトに慣れることにいっぱいいっぱいで1年すぐ終わっちゃったんですよ。で、ようやく生活にも慣れてきた2年生から芸能活動に打ち込むぞって構えてた時にコロナ禍に突入してしまって……。
コロナの影響で決まっていたお仕事やオーディションも全部なくなっちゃって。オーディションを受けないと仕事が頂けないので、そもそもオーディションが開催されないってなると、もう頑張る術がないんです。
ここからだという時に、コロナ禍と重なってしまったんですね。
レッスンもないし、家にずっと1人でいるみたいな生活が続いて……。私は突っ走っていないとダメになっちゃうタイプなので、やれることが何もなくて頑張れていない自分がかっこ悪すぎて、情けなくて、悩みまくりました。これまで勉強も芸能活動も全部頑張ってきたのに、急にプツンって頑張ることがなくなってしまって「あれ、私なんのために今まで頑張ってきたんだろう?」って自問自答ばかりしていました。
中学生からずっと人生の目標にしてきた“女優”という夢を自分で取り下げちゃうのがすごく怖くて。でも、この状態で芸能活動を続けることはできないなってわかっていたのでその時期はすごく辛かったです。
これまでの努力の量を考えると、夢を諦めるのってすごく怖いですよね。
そうなんです。そうしているうちにだんだんコロナが明けてきて、ずっと暗い気持ちのままでいるわけにもいかないと思ってパッと思い立って留学に行くことにしました。はっきりと次の目標が見えたわけではないのですが、留学を決意してからは少しずつ気持ちが前向きになってきて、やっと一歩踏み出せた感覚でした。
そこからは留学生活をすごく充実させることができて、今に至ります。留学をしたことで、本当にシンプルなことなんですが、自分の進みたい道を自分で決めてその通りに生きればいいんだっていうことに気づけたんです。お決まりの敷かれたレールを辿らなくてもいいんだって思えたらすごくハッピーになりました。
その経験もあるからこそ、自分らしくミスコン活動ができているのでしょうか?
そうかもしれません。自分が夢のために精一杯努力したり悩んだりしたからこそ、今は頑張っている人を応援したいという気持ちが強いです。
目標だったり、自分の信じてるもののために一生懸命努力してる人って、絶対に辛い瞬間があるんですよ。私は女優を目指している時に何度も悩んでコロナ禍でたくさん考えて夢を諦めてしまったんですけど、諦めないで一生懸命今を頑張っている人に少しでも癒しや勇気を届けたいなって思います。