美学生インタビューInterview
過去には帰国生特有の悩みが……。同じ悩みを持つ人のために経験を発信したい!
ミス慶應コンテスト2023に出場した理由を教えてください。
大きく2つあります。1つ目は、自分の経験を発信したいと思ったからです。私は3歳から中学入学前まで海外に住んでいたのですが、帰国子女だからこその悩みがあって……。
海外では自分の意見をはっきりと主張することが大切で、主張しないとそもそも聞いてもらえないんです。それに対して日本人は空気を読むし、建前の文化があるじゃないですか。
海外生活を経ていると忌憚なく発言できるのは良いことだと思っていたのですが、日本で生活し始めると自分の言葉にヴェールをかけることができず、友人から「ストレートだね。」と言われて。その言葉は決して褒めているわけではないということに気づいたんですよね。
そこから保守的になってしまったというか、自分が思っていることをきちんと伝えられず、大切にしてきた価値観をしまい込んでしまうようにもなりました。
帰国生だからこその悩みを抱えていたんですね。
私の通った中高では帰国子女が多かったので共有できる部分もたくさんあったのが救いにもなりました。一般生に刺激を与えられていたかな(笑)とも思います。帰国生、一般生の混じった英語スピーチコンテストもあったのでそこでは自分の思いをアピールする機会もありました。
大学に入ってからはさらに色々な人と交流する中で自分と似た境遇の人にも出会って、同じ悩みを抱えている人は世の中にもっとたくさんいるだろうし、この経験を発信していかないといけないなと思ったんです。
日本では謙虚であることが美徳とされる文化がありますよね。そんな日本の文化を変えたいという意識があるのでしょうか?
いえ、日本の文化自体を変えたいわけではないんです。謙虚さこそ日本の美であって、その静けさのようなものが美学として昔から根強く残っていることは尊重されるべきだと思うんです。ただ、その美学が全てじゃないんだよっていうことを伝えたいです。
多様性ですね。
日本で生まれ育ってきた人にとっては日本の文化が基準になっていると思うのですが、それ以外にも色々な価値観があって、どれか一つに囚われなくてもいいっていうことを伝えたいですね。お互いの価値観を尊重し合えるような場、みんなが心地好い空間を作れたら良いなって思います。
ご自身、大学で似た境遇の人と出会う中で何か変化があったんですか?
中学高校時代は意地を張ってしまっていて、強がって「私は大丈夫だ」っていうように周りに見せていた部分もありました。でも、大学に入学してみるとそういう人間の弱いところを見せてくれるような友達にたくさんたくさん出会えて……。弱みに向き合うとか殻を破るという意味ですごく大きな変化になりました。
大学入学以前は建前を気にしてしまっていたんですね。
大学では様々なバックグラウンドの人がまたたくさんいて…新たな世界線で考えられるようにもなり、素直になることの大切さも学んだのでミスコンという舞台をプラットフォームとして利用して「自らの経験からくる自分らしさを発信したい!」と背中を押されました。自分の殻を破るという意味でもチャレンジしてみたいと思いました。元来大切にしている元気、勇気、そして笑顔で活動していきたいです。
“ミス慶應”を活かしてポテンシャルを引き出す立場になりたい!
ミスコンに出場したのにはもう1つ理由があるんですよね。
2つ目の理由は、ミスコンに出場することで社会貢献の第一歩になるんじゃないかなと思ったんです。
実は、私はもともとミスコンに対して批判的な考えを持っていたんです。ルッキズムというか、切り取られた部分だけで評価されることに怖さも感じていたし、偏見も持っていました。なので自分がミスコンに応募するなんて考えていなかったんです。
そこから心境の変化があったんですか?
就職活動を始めて自己分析をしていく中で考え方が変わっていきました。自分が将来どんな形で社会貢献していきたいかなって考えたときに、人や物事のポテンシャルを引き出してそれを発信するような仕事に携わりたいと思ったんです。それを学生時代から体験できる場って、インターンシップ以外に何があるかなって考えたときにミスコンが思い浮かんだんです。自分のやり方次第で、その一歩が踏み出せるのではないかと思いました。
ミスコンのファイナリストの方はどちらかというとポテンシャルを引き出される立場だという印象があります。
もちろん撮影やインタビューなど、基本的には引き出していただく立場にあります。ただ、ミスコン活動をしていると色々な人に出会えるんです。
例えば、テレビ関係の方やイベントの主催者の方など本当に多様な人と話をする中で、これまで疑問に思っていたことや知りたかったことなど、ミスコンに出場したからこそ詳しく聞けるような立場になれたと思っていて。興味がある分野のことを逆に自分がインタビューしてるみたいな(笑)逆質問的なことをたくさんしてしまうんです。この機会があるからこそ知識も増えますし、その分野の潜在的な魅力にも気付けたりするんです!
だから、自分のことを知ってもらった上でプラスアルファとして相手やその物事に対してもっと知る、そういう好奇心というかガツガツ知ろうとする姿勢みたいなものがミスコン活動中により強くなったと思います。
ミスコン活動で色々な人と出会ううちに、さらに興味が湧いてきたんですね。
そうなんです!チャンスは逃さず自分のものにしたいので、自分が大事にしているパイオニア精神を発揮して恐れずに聞くようにしています。それが自分自身の学びになると思うんです。
素晴らしいです!パイオニア精神は海外生活を通して得たものなんですか?
そうですね。3歳からインターナショナルスクールに通っていていたのですが、年上のクラスの日本人の女の子をサポートとして呼んでもらう選択肢もあった中、なぜか私は断ったんです(笑)
そこから自分で切り拓いていかないと、人の力を借りて甘えちゃうなと思うようになりました。なので、まずは自分でやってみて出来なかったら人の助けを呼ぶっていうことは大切にしています。3歳の私はクラスの唯一のアジア人として自分の使命を感じたのかわからないんですけど(笑)とにかく、海外生活の影響が大きいと思います。
最後に、フィナーレに向けて意気込みをお願いします!
ミスコン期間の前半は学校の試験に振り切ってしまった場面もあって、SNSで「最近、投稿少ないけど大丈夫?」と心配のコメントをいただいてしまったりもしたので、第一の目標として必ず毎日ファンの方と交流したいです!
あとはミス慶應の仲の良さをもっと発信したいですね。ファイナリスト同士で結構話したり交流したりしてるんですけど、それをなかなかSNSで見せられていないなと思うので、みんなを巻き込んで最後に何か一つ大きなことができればいいなと思っています。それを目標に残りの期間も頑張りたいです。