美学生インタビューInterview
グランプリじゃなくて良かったかもしれないです
出身地はどこですか?
北海道函館市です!山の麓で育ち、高校へは往復12kmの道のりを30〜45分くらいかけて自転車で通っていました。
往復12kmも?!大変じゃなかったですか?
私はバスケットボール部に所属していたのですが、かなりの強豪チームでとてもハードな練習をしていたので、部活が終わったら毎日ヘトヘトになって帰るんですよ。さらにその帰り道が山の麓ということもあって坂が多いのでキツかったです。冬になると雪の影響で自転車禁止の条例が出るので路面電車で通学していたのですが、冬は冬で寒さに凍えていました(笑)
なぜ北海道の大学ではなく埼玉大学に進学したんですか?
大学4年間は首都圏で生活してみたいと考えていて、国立大学に進学したかったので埼玉大学に進学しました。
2020年には埼大ミスコレ(埼玉大学のミスコン)に出場していましたよね。
もともとミスコンの運営サークルに所属していたのですが、私立大学に比べて埼玉大のミスコンは小規模なので出場者の人手が不足していて、先輩に誘われたことがきっかけで出場しました。
コンテストに出場するようなキャラじゃないし、周りの人からどう思われるんだろうという不安もあったのですが、「せっかく関東に来たんだから何か始めたい」という想いが強く、出場を決意しました。
ミスコンに出るまで撮影経験は全くなかったのですが、いざ撮影してもらうとすごく楽しくて。SNSにショート動画を投稿したことがきっかけでサロンモデルやポートレートモデルの依頼をいただくようにもなりました。
楽しくミスコンの活動をしていたんですね。辛いことはなかったんですか?
SNSの毎日投稿が大変だったとおっしゃる出場者の方が多いように感じますが、私はSNS投稿が好きだったこともあり、あまり辛いと感じることはなかったですね。
SNSって個性やキャラクターが大切だと思っていて、周りの出場者たちはダンスや歌など特技を発信していたのですが、私はこれといったものがなかったんです……。そこで、ミスコンを機に料理を始めました!初めは一品作るだけで精一杯だったのですが、最近ではかなり料理のレパートリーも増えました。
ミスコンの結果についてはどう受け止めましたか?
グランプリを獲れなかったことが悔しくて、終わった後の数日間は落ち込んでいましたね……。それで、まるで失恋したかのように勢いのままバッサリ髪を切ったんですよ。そうしたら、最近はショートボブのモデルの需要が高いこともあり、サロンモデルの依頼がたくさん来るようになったんです!(笑)
もしグランプリを獲っていたら、結果に満足してモデルやSNSの活動を辞めていたかもしれないです。グランプリを獲れなかったからこそ、その悔しさがバネになって今に活きていると思うので、そういう意味ではグランプリじゃなくて良かったかもしれないですね。
ミスコンに出場して得られたものはありますか?
ミスコンに出て、人生が180度までは行かないかもしれないけれど150度くらい変わりました(笑)
高校時代は毎日ジャージで通っていたし、3年間全くと言っていいほどメイクをしていなかったんですよ。そんな自分がまさかサロンモデルをやるなんて想像もしていなかったので、貴重な経験をしているという特別感を感じますし、何よりも写ることが大好きなんです!今は就活があるのでサロモの活動は週1程度にしているのですが、多いときは週4で一日2件撮影するくらいやりがいを感じています。モデル活動は社会人になっても続けたいですね。
また、高校の時はバスケ部のレベルが高すぎて付いて行くことに必死だったので、周りに対して自分から意見したり発信することが少なかったんですけど、ミスコンに出場してからは主体的に行動できるようになりました。ミスコンがきっかけで生活的にも内面的にも変わることができたので、すごく良い思い出になっています!
埼玉県の特産物・狭山茶を広めたい!自ら茶カフェをオープン
ミスコンを経験して主体的に行動できるようになったとのことですが、モデル活動以外に何か挑戦したことはありますか?
ミスコンの約1年後の2021年の夏に、埼玉の特産物である狭山茶を使ったテイクアウト専門の茶カフェを期間限定で経営しました!
すごいですね!どうして茶カフェを経営しようと思ったんですか?
埼玉って「ダ埼玉(ダサいと埼玉を掛け合わせた造語)」と言われたり「何も特徴がない」という印象を抱かれがちなんですけど、私はそんなことないと思っているんです。大型ショッピングモールもあれば畑もあって、私は住んでいるうちにこの程よく落ち着きのある埼玉が好きになってきたんです。もしかすると函館より住み心地良いかも(笑)
そんな埼玉の魅力を活かしたいと思い、埼玉の特産物であり静岡茶、宇治茶に並ぶ日本三大茶の一つである「狭山茶」を使った茶カフェをオープンしようと決めました。紅茶といえばスリランカなどの外国紅茶が一般的で、和紅茶はまだあまり知られていないんですよ。狭山茶という埼玉県産の和紅茶の魅力を、若者をはじめ、もっと多くの方に届けたいという想いが強かったですね。
あとは、実家で家族がカフェを経営していることも影響していると思います。父がすごく行動的で、ある日、突然「カフェをオープンしたい。」と言って営み始めたんです。そんな父の姿を見て、私もカフェを運営してみたくなりました。実家のカフェは、もともと教会だった建物を買い取ったのでステンドグラスがあったり、とても特徴的なんです!
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親子揃ってすごい行動力ですね!狭山茶はどうやって仕入れたんですか?
埼玉大のミスコンは地域密着型で、地域の企業や農家の方と連携してコンテストを盛り上げていくのですが、ミスコンの活動を通して知り合った方にお願いして入間市のお茶農家を紹介していただいたんです。その農家の方に茶カフェの話を持ちかけて協力していただきました。協賛企業との距離が近かったからこそできたことなので、地域と連携してミスコンを開催している埼玉大ならではの経験ですね。
そして様々な品種の茶葉を試飲して、農家の方と一緒にラテとプリンのレシピを考案しました。そんなに舌が肥えているわけではないんですけど、農家さんの知識をお借りしながら自ら10回以上試作してこだわり抜いたレシピなんです!
縁あってFMラジオに出演させていただいたり、Yahoo!ニュースに記事を書いてくださったお客さんのおかげもあり、カフェには地域の方や埼玉大を志望している高校生、ミスコンの時からのファンの方などたくさんの方が来てくださりました。
お客さんがラテやプリンを食べて喜んでいる表情を見たり、お茶の品種に興味を持ってくれた時はすごくやりがいを感じましたし、地域活性化に少しでも貢献できたと思うととても嬉しかったです!