美学生インタビューInterview
臨床実習を経験して歯科医師になる自覚を持ちました
美学生図鑑には3回生の時以来、2年ぶりの登場ですね!最近はどんな勉強をしてるんですか?
5回生から大阪歯科大学の附属病院での実習が始まりました!
大学病院の中に14の専門の診療科があるんです。虫歯を治療する科、入れ歯を扱う科、小児歯科、放射線科、麻酔科など細かくわかれていて、それぞれの科を数日から2か月くらいかけて実習してまわっています。
実習ってどんなことをするんでしょう?
実習生1人につき10人くらいの担当患者さんがいて、その患者さんの治療を見学します。例えば担当の患者さんが虫歯の治療をされるなら、先生が治療する手順を隣りで見て勉強するんです。唾液を吸うバキュームを持ったり、歯の汚れを取ったりといった治療の助手をすることもあります。
長く通院されている患者さんは毎年実習生が来ることもよくご存知で「今年は女の子なんだね。」とか、私の名前を覚えてくださり「元気?」って声をかけてくださる方もいます。患者さんとの会話や交流からも大切な事を学ばせていただいています。
臨床実習を経験して、歯科医師という仕事のイメージは掴めましたか?
今までは模型相手に実習をしていたので、自分が将来歯科医師になることにまだ実感がなかったんです。
それに正直、焦りも感じていました。同じ年齢の友人たちは先に4年制の大学を卒業して社会人になったり、中には結婚してお母さんになってる人もいて「みんな先行ってるなぁ、大人だなぁ」って、まだ学生の自分はなんだか子どものまま取り残されているような気持ちになっていました。
でも、臨床の場に出て患者さんと接するようになって自分の将来が以前よりも明確に見えるようになりました。歯科医師になるという自覚も持てた気がします。
実習を通して、将来どの科の医師になりたいかは決まりましたか?
ん〜……学ばなければいけない事があまりにも多くて、悩んでいます。
実習でイメージが変わったこともあるんです。私は子どもが好きなので小児歯科がいいかなと思っていたんですが、診察中に幼い子が治療を嫌がって泣いている様子を見てなんだか可哀想だなって気持ちになってしまって……。怖がる気持ちを和らげることの難しさを知り、子どもが可愛いから、という気持ちだけでは務まらないと感じました。
逆に、口腔がんや抜歯などを治療をする口腔外科は、以前は「大変そう」というイメージが強かったんですが、命に関わるような病を抱えた患者さんが治療によって笑顔で帰っていかれる姿を実際に見ると、たしかに大変だけれどやりがいのある仕事だなと思うようになりました。
進む分野についてはまだ考え中ということですね。
そうですね、もう少し勉強してから決めようと思います。
6回生は国家試験の勉強が中心で、卒業後は研修医としていよいよ臨床の現場に出ることになります。現場で学べるのは5回生のうちだけなので、今のうちに吸収できることはすべて吸収して将来に備えたいです。
試験直前まで福娘活動?!最終日は声が出なくなりました
2年前のインタビューで、「うちの大学は1、3、5回生が比較的忙しくないと言われてるので学業以外のことにもチャレンジしたい」と話していました。あのあと何かに挑戦しましたか?
3回生の時(2020年の1月)に今宮戎神社の福娘をやらせていただきました。まだコロナが流行る前で、マスクもせずに参拝客の皆さんに笑顔でご奉仕できたので良かったなって思います。
福娘って倍率がすごく高いって聞きます。
そうなんです。私の年は2600人くらいの中から40人が選ばれました。
しかも、オーディションがめちゃくちゃ本格的なんですよ!私、何も知らずに受けてしまって。最初からあんなんだって知っていたら受けていたかわからないくらいです。
どんなオーディションなんですか?
まず書類審査があって、それを通過すると神社での一次選考に呼ばれます。そこでは「○番、佐々木実結、学生です。」と言って審査員の前を歩くんです。受かった人はその場で張り紙で発表されて、「番号がある人は残ってください。」って。その選考だけでだいぶ人数が絞られました。
名前を言って歩いただけで?残酷ですね……。
最終選考もすごかったです。会場は大きなホールで、審査員の方や他の福娘候補者の見ている中で自己PRをするんですけど、みんなしっかり用意して来てるんですよ、特技とかネタを。大きなカバンにフラダンスの衣装を入れて持ってきてる人もいました。
佐々木さんは何を?
いや、私、みんながそんなに用意してるなんて知らなくて、普通に喋るだけにしようって思ってたんです(笑)でも、喋って終わりなんて人はほとんどいなくて……。せっかく歯科学を勉強しているので、みなさんのお口の健康につながる「唾液腺マッサージ」を披露しました。
だ、唾液腺マッサージ?
耳の下から顎にかけてのラインを指圧して唾液の分泌を促すマッサージです(笑)虫歯の予防、風邪の予防にもなるんです。祖母が前に教えてくれて。
そんな自己PRした人、他にいないんじゃないですか?(笑)
いや〜人前でできる特技、探しとかなきゃですね(笑)もう当たって砕けろって感じでした。
そうして高い倍率をくぐり抜けて晴れて福娘に選ばれたわけですが、十日戎での活動はどうでしたか?
めちゃくちゃハードでした。朝から晩まで参拝客の方と接して、笹の飾り付けをしたり、お話をしたり。
しかも、私、十日戎の4日後に大学のテストを控えていたんですよ!15教科くらいある大変なテストです。だから、十日戎の3日間は神社の近くにホテルをとって、福娘の活動が終わったらホテルに戻ってテスト勉強をしていました。
あれ?佐々木さんって大阪在住でしたよね?なのにホテルに宿泊してたんですか?
福娘ってものすごく早起きしないといけないので、家から今宮戎神社に通っていたら睡眠時間が確保できないと思ったんです。
でも、結局、ホテルに戻った頃にはくたくたで気力も体力も残ってなくて、テキストを見ながら寝落ちしてしまいました(笑)
そんなにハードだったんですね……。
限界を超えてました。賑やかな境内で一日中声を出すので喉をやられてしまって、最後の日はとうとう声が出なくなってしまったんです!出そうと思っても空気しか出なくて……。
声を出さなくてもいい部署に移していただいてなんとか最後までご奉仕することができたんですけど、あの時はどうなるかと思いました。
本当にお疲れ様でした。
でも、そんな大変さも今となっては良い思い出ですし、本当に貴重な経験をさせていただきました。
家族もすごく喜んでくれたし、バイト先の店長がお客さんに「この子、福娘なんだよ。」って私のことを紹介したら、「え〜?!握手して〜福が来るわ〜!」ってめちゃくちゃ喜んでもらえたこともあったんですよ。
大阪の皆さんにとっては福娘って特別な存在なんですね。こんなにたくさんの方に喜んでもらえる経験は今までなかったので嬉しかったですし、神社の方など皆さんにお世話になって今も感謝の気持ちでいっぱいです。