美学生インタビューInterview
落として踏まれてぐちゃぐちゃ!最初からやり直し!?
歯科大に通っているということですが、歯科医師を目指しているんですか?
はい!父と母が歯科医師で、物心ついた頃から医療関係の仕事に興味があったんです。
大学受験に差しかかり「将来何になりたいんだろう?」って考えた時、自分の技術を直接患者さんに役立てられるのは看護師ではなく医師や歯科医師かなと思い、医学部と歯学部のある大学を受験することにしました。
結局、医学部は駄目で、親の勧めもあって大阪歯科大学に進学することになったという感じです。
今、大学ではどんな勉強を?
大学内での実習は一通り終わって、今は来年2月くらいから始まるプレ国家試験のために筆記の勉強に励んでいるところです。
4回生の最後にプレ国家試験と実技試験があって、それをパスしないと進級できないんですよ。5回生になったら実際に病院で患者さんを診る実習も始まります。
実習といえば、辰巳さんのインスタグラムのストーリーに歯の模型が投稿されているのを拝見しました。
私、昔から絵を描いたりするのは好きなんですけど、工作が苦手で。歯の模型を削ったりするのもいつも失敗してやり直したり、授業時間内に終わらなくて家に持ち帰ってやったり、毎回苦戦してたんです。
だから完成したら嬉しくて、ストーリーに載せてハイライトにまとめています(笑)
具体的にどんな模型を作っているんでしょう?
一番難しかったのが「ブリッジ」と呼ばれる治療を想定した模型作りです。並んでいる3つの歯のうち真ん中の歯が欠損してるという状態で、両隣の歯を支えに橋渡しのような形で一体型の被せ物を装着するというものです。
石膏の型づくりが上手くいかず、ひたすらやり直したのを覚えています。
他にも、自分の歯の型をとって矯正器具を作る実習があったんですけど、順調に製作が進んでいたのに小さい模型だからどこかで落としてしまって……ほんとどんくさいんですけど(笑)
それで後日、踏まれてぐちゃぐちゃになった状態で見つかったんです。当然、一から作り直しです!あの時は本当に大変でした。
話を聞いているだけで苦労が伝わります。
本来は歯科医師ではなく技工士さんがやるようなことも一通り学ぶんです。上手くいかないことばかりでしたが、手技を覚えることが目的なので頑張りました!
あとは、2回生の時にやった人体解剖の実習も印象に残っていますね。
歯学部でも人体解剖をするんですか?
身体の状態が口の中に影響することって多くて、口から全身の病気を見つけることも結構な頻度であるんです。だから、歯のことだけじゃなくて全身の疾患も全部学びます。特に首まわりが大事で、血管の走行なども理解しなくてはいけません。
実習では臓器の解剖もおこないました。6人グループで1人の方を解剖するんですけど、ご遺体によっては脂肪がたくさんついていたりしてめっちゃ大変なんですよ。私のグループで解剖させていただいたのは若い方で、皮膚が硬かったんです。皮膚を剥いで脂肪を取り除くのに苦労しました。
でも、テキストを見てるだけじゃ覚えられないことも実際に解剖することで覚えられたので、良い経験だったなって思います。
知識と技術とコミュニケーションと
将来はどんな歯科医師になりたいですか?
知識豊富で高い技術を持った歯科医師になりたいです。
父は今でも海外の学会に参加していたり、母もセミナーに積極的に参加していたりするので、私も大学を卒業してからも勉強を続けてその時々で一番良い治療を提供したいです。
それと、単に医療を提供するだけじゃなくて患者さんとのコミュニケーションもすごく大事だなって思うんです。
母は小児歯科を担当しているんですが、まだ言葉がわからない、話せない小さな子には説明の仕方、治療法などを工夫しなければならないので難しいと話していました。また、高齢者の方が頑なに「こうしてほしい!」とその方の口腔内の状態では厳しいような治療を要望されることもあり、どのように理解していただくか考えることも難しいと教わりました。
専門的な知識のない方々にどのように安心して治療を受けてもらえるか、モチベーションを持って口腔ケアに取り組んでもらうためにどのようなお声掛けができるか、その点も日々考えていきたいです。
ゆくゆくはご両親の医院を継ぐ予定ですか?
両親が仕事を続けられないってなったら継ごうと思ってます。それまでは他の医院で修行を積みたいですね。いずれにせよ、この人に診てもらいたいって思ってもらえるような歯科医師になることが目標です。
まずは来年のプレ国家試験のために勉強、頑張ります!