美学生インタビューInterview
曲に入り込んでいるからしんどさは感じません
特技は何ですか?
タップダンスです。幼稚園の頃からやってます。幼馴染のお母さんが教室の先生をしていて、一緒にやらない?って誘われて始めました。タップはシューズのつま先やかかとに金属のチップを付けて床を叩きながら踊るんですが、初めはつま先でカカカカカって音を鳴らしながら稽古場を走り回ってるだけでした。小学校に入ってからはリズムをとれるようになってステップもちょっとずつ踏めるようになりましたね。タップダンスはどんな風に踊るんでしょう?
私のやってる“ショータップ”は、曲の雰囲気に合わせて上半身も動きを付けて踊ります。しっとりした曲なら体の動きもしなやかな感じでそんなに早いステップも踏みません。激しい曲なら足全体を使って「バン!」と音を鳴らしてメリハリを付けたりします。使う曲で代表的なものは『雨に唄えば』や『ニューヨーク・ニューヨーク』など。昔のジャズ音楽とかも多いです。どれくらいの頻度で踊ってますか?
練習は週に2回くらい。私と幼馴染だけの時は1時間ほどひたすら踊り続けることもありますね。1曲1分半から2分くらいで短いんですが、何回も踊ったりするので曲によっては結構息が上がります。おかげで高校の持久走のときも他の運動部に負けないくらい体力が付きました。でも、踊ってる時は曲に入り込んでいるからしんどさは感じないんです。成り切ってますね。曲によってそれぞれ違う顔や雰囲気があって、それを活かすことが大事だと思うので、ある曲ではカッコよく、ある曲では子どものように笑顔で元気よく、というように使い分けています。小さい頃からずっと続けてきたものがあるってすごいことなんだなって
タップダンスの発表はどんなところで?
最近は京都市内のライブハウスが多いです。自分の友達や習ってる生徒の知り合いを呼んで100人くらいの前で踊ります。今練習してるのはしっとり系の大人っぽい雰囲気で、バレエの要素も入った曲です。ステップはそんなに手こずることはないんですけど、上半身の動きが大変ですね。早い曲だったら流れに任せて足と一緒に勝手に動きますが、ゆっくりした曲になると手の動きひとつまで目立つので指先まで綺麗にしないとダメなんです。長いスカートを履いて裾を持って回るので、手を曲げたらスカートが綺麗に回らないし、持つ位置によってもスカート広がり方が違います。しんどくて辞めたいと思ったことは?
それはないですね。友達との約束とレッスンがかぶって「遊びに行きたかったのに」って思うことがあるくらいで。今は本当に生活の一部みたいなものです。小さい頃からずっと何か続けてきたことがある人って少ないなって思っていて。やっていても「受験を機に辞めた」とか「昔はやっていたけど」って人が多くて、今も続けてるって言えることってなかなかない。自分でもそんなに意識してなかったけど、高校生の時に周りに言ったら「それすごい」って言われました。「知らない間にこんなの持ってたんや、私」みたいな。何気なくやってたけど大事なことやったんやなって感じますね。
それに、タップダンスをやってなかったら私は全然違う人間になってたんじゃないかなって思うんです。私はもともと人前に出るのが苦手で。でも、タップを通して初めて人に笑ってもらう幸せというか、ちょっとくさいんですけど自分でも誰かを笑顔にできるんだなってことに気付いたんですね。スピーチとかをする時も緊張で震えたりしてましたが、ここがステージだって思うと笑顔で喋れるようになりました。