美学生インタビューInterview
自由な表現、感性が試される「モダンバレエ」
神戸女学院大学の舞踊専攻に進学したのはどうしてですか?
3歳からずっとクラシックバレエをやってきて、これから何をやりたいか考えた時に「もっと舞踊を学びたい」と思ったんです。大学探し中に年1回、神戸女学院大学で行われる定期公演で見たモダンバレエの作品が素晴らしくて、絶対に自分もここで先輩達と同じバレエをやりたいと思いました。今はクラシックとモダン、両方を習っています。クラシックバレエとモダンバレエの違いは?
クラシックバレエはキラキラした衣装にティアラを付け、振付は手や足の位置が決まっています。『白鳥の湖」を想像してもらえばいいと思います。対するモダンバレエはクラシックバレエよりも現代的で、衣装は普段着に近くトーシューズも履きません。基本の動きはありますが身体を自由に使った表現が特徴で、より自分の感性が試されます。見る側も有名な音楽やストーリーを扱うクラシックバレエより、予想の出来ない点が多いモダンバレエの方が面白いという人もたくさんいるんじゃないでしょうか。今、大学ではどんなことをしていますか?
来年3月に公演があって今はその練習の真っ最中です。題名は『Here we are』といって、振付はあるけど役はなく、自分を演じる・自分自身のまま踊る、という作品なんですが……言葉では説明が難しいですね。1回生らしい「大学に入って楽しい」という自分達の素直な気持ちや、2回生と組む部分もあるので色々教えてもらった上で先輩達との信頼関係を見せられたら良いですね。遊びに行っても“レッスンがしたい”
そもそも、バレエを始めたきっかけは?
ディズニーの『ファンタジア』という映画でバレリーナが登場するシーンがあり、それを見た時に「可愛い!」と言っていたらしくお母さんが始めさせてくれました。小学生までは遊び感覚でしたが、段々と学年が上がる内にバレエが生活の一部になっていきました。大学入学までは地元のスタジオに通っていて、高校生の頃は週に4、5回、学校が終わってから1日4時間くらい踊っていました。ほとんどバレエ漬けの毎日でしたね。バレエ以外のことをしたいと思ったことはないんですか?
放課後に同級生から「今から遊びに行こ!」って言われて行きたいなって思ったことも当然あります。食堂に残って喋ったり、スイーツを食べに行ったり……。でも、遊びに行ったら行ったで「レッスンがしたい!」って思うんです。遊んでいても物足りなさを感じるというか、踊っている時がやっぱり一番楽しいんですよね。バレエ自体が悩みになることもあるのでその時は本当に辛いですけど、踊っている時は嫌なことを忘れて無心になれます。邪念がなくなるし終わった時は達成感でスッキリするんです。熱があっても、少ししんどいくらいならレッスンに行った方が元気になれるんです。踊り手として何か心がけていることはありますか?
バレエはセリフがないので、テーマを表情や身体の使い方一つで伝わるようにするという点ですかね。自分の殻を破って全部をさらけ出すような踊りが出来たらカッコいいなって思うので、身体を最大限に使って余力を残さないことを心がけ、今はひたすら練習、研究をしています。あとは体型ですかね。スイーツを食べたくなる時もあるけど、「バレエか、おやつか」って考えて我慢するか、食べた分だけ動くようにしています。レッスンの時から身体にフィットするレオタードを着るので体型が変わるとすぐ分かります。だからと言って痩せ過ぎも綺麗じゃないし、動ける身体じゃないと駄目なのでコントロールが大変です。バレリーナにはしなやかな筋肉が必要で、ポーズをキープするためのインナーマッスルが大事なんです。誘惑に負けてしまうこともありますけどね(笑)