美学生インタビューInterview
動物園でのひき馬体験から本格的な馬術競技に熱中!
今、力を入れて取り組んでいることはありますか?
中学生の頃から続けている馬術競技です。馬がステップを踏んだり図形を描いたりしてその演技の美しさと正確さを競う「馬場馬術」と、障害物を飛び越えながら走行時間を競う「障害馬術」の2種目をやっています。
試合に向けて逆算しながら週2で1時間ほど馬に乗り、ストレッチや技をやったり、経路を実際に回ったりして練習に励んでいます。楽しみつつも練習毎に課題を見つけて改善していくということを地道に繰り返す日々です。
カッコいいですね!始めたきっかけは?
馬が好きすぎて、「そんなに馬が好きなら、乗馬を始めようか!」と両親に言われたことです(笑)小さい頃から動物が大好きで、毎週のように両親に動物園に連れていってもらっては、ひき馬体験という、馬に乗って飼育員の方と園内を周る体験を一日中繰り返していました。
馬に乗ると肩車よりも高い位置で良い景色を見れるし、風を切るのは気持ちいいし、都会暮らしだった私にとっては、馬がいる自然豊かな所はすごく癒される空間で、唯一無二の体験だったんです。
それと、大昔から移動手段としても戦いの際にも人間と生きてきた故の、人に寄り添おうという馬の性質や優しさも子どもながらに感じていましたね。
幼い頃から本当に馬が好きだったんですね。
最初はフィギアスケートやピアノなどの習い事と並行して、家族で週末に趣味で乗馬クラブに習いに行く程度でしたが、中2から本格的に競技として取り組み始めました。
ただ、この頃はまだ先生の熱心さとは反対に、私は馬が可愛いな、乗れて楽しいな、くらいの気持ちだったんです。
続けていく中で、競技に対する想いに変化はありましたか?
高2の時に出場した全日本ジュニアでガラッと変わりました。この時に乗っていた馬の能力がすごく高かったこともあり、全日本ランキング1位のポイントを獲得して試合に出場できたんです。
でも、迎えた全日本ジュニア予選で、練習でもしたことがない大きなミスをして点数を大きく落としてしまいました。決勝で挽回し、3位入賞しましたが、最後まで気を抜かなければもっと良い点を出せたのかなと思うと本当に悔しくて、本気で勝ちたいなら私の意識が変わらないと勝てないなと、実感した機会でした。
とても悔しい思いをしたんですね。その後の試合で印象に残っていることはありますか?
去年、鹿児島の国体に神奈川県代表として出場したことです。実は高校生の時、出場の権利を取っていた国体がコロナの影響で開催されず、悔しい思いをしていたこともあり、今大会にはより思いが募っていて。当日は観客数がこれまでにないほど多く盛り上がる中、「自由演技」といって音楽を流して馬を動かす競技に挑戦しました。
最初は馬も私も緊張していましたが、だんだんと馬が落ち着いていつも以上に良い演技をしてくれて、且つ私自身も冷静でいられたので、今までよりも納得のいく演技ができました。結果、馬術歴20〜30年のプロの方もいる中で、成年女子枠で3位を獲得でき、今後に繋がる結果を残せたかなと思います。
過去の悔しさを覆すような良い演技と結果になったんですね!ちなみにどんな馬に乗っているんですか?
馬場馬術では、もともと姉が乗っていて全日本ジュニアで優勝したグランダーというすごく優秀な男の子の馬に乗っています。普段は人懐っこいのですが、乗るとやる気とエネルギーが溢れてきて、今の私の技量では追いつけないくらいクオリティが高く、色々な人に褒められる馬です。9月の全日本ジュニアはグランダーのクオリティの高さを出せるように頑張りたいです!
障害馬術では、マシェリという可愛い女の子の馬に乗っています。可愛いのでいつもピンクばかり着せていますが、食いしん坊で人参が大好きな子なんです!女の子は機嫌を取るのが難しい場合もありますが、マシェリはギャルマインドで度胸があり、私に任せなさいという感じで心強いんですよ(笑)いつも助けられています!
吉田さんのお話からは、馬に対する愛がすごくよく伝わってきます!馬と仲良くする秘訣はあるんですか?
馬を信頼することだと思います。人間同士もそうであるように、馬を信じるとそれが馬にも伝わって馬も自分を信じて頑張ってくれる気がするんです。良いときは褒めて、悪いときはちゃんと指摘して、素直に馬を想うことが大切なのかなと思います。
あと人参をあげることも大事ですね(笑)りんごやバナナなどは意外と好き嫌いがあったりするのですが、人参は100発100中で喜んでもらえるんです。日本人が白米を好きであるように、馬は人参が大好きだと思います!
馬術、競馬界を盛り上げるようなお仕事をしたい
馬術に夢中な吉田さんですが、将来の夢はありますか?
馬術競技や競馬などを盛り上げるようなお仕事をすることです。イベントやレースなどに携わり、競技としてもエンターテイメントとしても馬術に貢献できるような裏方のお仕事ができたらいいなと思っています。
裏方を目指しているんですね。特にやってみたいことはありますか?
私自身もイベントに参加したことがきっかけで馬術を始めたので、そういった馬と馴染めるような機会が増やせたらいいなと思います。
実は今度のゴールデンウィーク中の5月3日〜5日に、世田谷にあるJRA馬事公苑で、ホースショーという国内で一番大きなイベントがあるのですが、国内トップレベルの選手が出場する競技会に私も選手として参加できることが決まりました!馬事公苑は、子ども連れの方が毎日たくさん来るような場所なので、きっと「あ、お馬さんだ!」と楽しんで見てもらえる、まさに理想の機会です。
また競馬に関しては馬術とはまた別のものですが、熱烈なファンの方もいてとても盛り上がる競技で、賭け事としてじゃなくても楽しめるので、将来関わっていけたらと思っています。
改めて、今後の目標と意気込みを教えてください!
馬術は個人戦ではありながらも、馬と自分でペアを組み、コンタクトを取って一緒に戦う団体戦のような、唯一無二の競技だと思っています。
大学卒業までのあと2年間は、引き続き選手として試合に出たり、SNSで馬のことを発信したりしていきます。いつも馬や乗馬クラブの方、先生、獣医さんなど周りの方々全員に感謝をすることと、楽しい、好き、という気持ちを忘れないようにしたいです。
今は9月にある全日本ジュニアでの優勝を目指して、もっともっと練習に励んでいきたいと思います!