美学生インタビューInterview
外国の方が自分と同じ思いをしないように
日本赤十字看護大学ではどのような勉強をしているんですか?
看護学はもちろんのこと、あらゆる患者さんに向き合えるように人間や社会や言葉など看護の基礎となる様々な勉強をしています。
必要な学科を修めれば看護師や保健師の国家試験を受験できて、卒業後はそれらの国家資格を生かして病院や保健所に就職する人が多いです。私も看護師として病院で働いて、将来は“国際看護師”になれればいいなと考えています。
国際看護師とはあまり聞き慣れない仕事ですね。詳しく教えてもらえますか?
海外を拠点として働く看護師と国内で外国人患者の対応をする看護師の両方を指すんですけど、私は後者を目指しています。日本で病気にかかった外国の方が安心して医療を受けられるように、適切に対応できる医療機関へと繋ぐお仕事です。
国際看護師になるには看護師としての実務経験を5年以上積む必要があるので、2年生の現段階で「国際看護師に絶対になる!」とは断言できませんが、興味はすごくありますね。
国際看護師に興味を持ったきっかけを教えてください。
タイトルはよく覚えていないんですけど医療関係の映画を見て医療に興味を持ち始めて、中学3年生の時に兄の通う医療系大学のオープンキャンパスに行ったことがきっかけで看護師になりたいなと思うようになりました。
国際看護師に興味を持ったのは、オープンキャンパスに行った後、ニュージーランドに3週間ほどホームステイをしてからです。帰国直前に風邪を引いてしまって、病院にも行けずにすごく不安を感じて、その時に「もし自分が看護師になったら日本に来る外国の方の不安を取り除けたらいいな」と思いました。
数ある看護を学べる大学の中で日本赤十字看護大学を選んだのは何故ですか?
日本赤十字看護大学は国際交流が盛んなんです。残念ながらコロナの影響で入学前に思い描いていたような交流はできていませんが、国際系に強いところに魅力を感じて公募推薦で入学しました。異文化理解に力を入れている中高に通っていたので、面接試験では授業で習ったことなどを話した記憶があります。
文化や習慣の違いをすんなりと受け入れるのは難しいことですよね。
そうですね。ホームステイ先でも、例えば、赤ちゃんが子ども部屋で1人で寝ていて少しびっくりしました。日本は一緒に寝ることが多いと思うんですけど、ニュージーランドでは割と放置されていて……(笑)ただ、そういう違いを現地に行って知ることが異文化を理解する上で重要なことなのかなと思います。
実習を乗り越えることが目下の目標
コロナ禍で始まった大学生活はどうですか?
1年生の前期は全ての授業がオンラインだったんですけど、後期は週に一度、大学に通えたので出席番号の近い子たちと仲良くなれて良かったです。私は公募推薦で入学したので、「周りの子たちはもっとすごいのかな?」って実は少し不安だったんです。でも、看護を一から学んでいくカリキュラムだったので普通に仲良くなれました。
1年生の友達作りは大事ですよね。面白かった授業はありましたか?
災害看護活動論という授業が面白かったです。災害時に立てるテントや担架を実際に組み立てたり、同級生と協力しながら救護所のレイアウトを考えたりして、学んでいくうちに災害看護にも興味が湧いてきました。
国際看護師には英語がつきものだと思うんですけど、英語は?
全然(笑)大学で学ぶ英語は医療系の単語がたくさん出てくるので、さらに難しいですね。今(21年11月取材)は留学に行くことも留学生を受け入れることもできない状況なんですけど、留学制度はすごく整っているのでコロナが収まったら留学することも考えたいです。
コロナ禍では看護師の働く姿をニュースで見ない日はなかったと思います。看護師を目指すまなさんの目にはどのように映っていましたか?
そもそも看護師の仕事は大変っていうじゃないですか。それに加えてコロナとなるとたぶん相当大変なんだろうなと……。ただ、本当のことを言うと、まだ他人事にしか思えていないんですよね。今後、実習が増えて実際に働く人たちとの交流も増えると思うので、だんだんと実感が湧いてくるのかもしれないです。
先日、日赤系列の病院に午前中だけ実習に行ったんですけど、看護師さんにくっついて仕事を見学したり、患者さんの血圧を測ったりするだけだったのに、それだけでなんかもう疲れちゃって。だから、まずはこれからの実習を乗り越えられるかが問題ですね(苦笑)
最後に、理想の看護師像を教えてください。
日本の方にも外国の方にも誰にでも気軽に話してもらえるような雰囲気を作れる看護師になりたいなと思っています。今はまだ基本的なことしか学んでいないんですけど、3、4年生で看護の面白さを学んで、患者さんの目線に立って看護できる力を身につけたいです。