美学生インタビューInterview
里山を、子どもたちにとっての心のふるさとにしたい!
今、頑張っていることはありますか?
「NPO法人東京里山開拓団」に所属し、上智大学で立ち上げた学生支部である「Enpentas」というインカレボランティアサークルの代表をしています。
サークルのメンバーは20人ほどで、2歳から高校生までと幅広い年代の児童養護施設の子どもたちと一緒に「里山」と呼ばれる、人里に近い荒れた山の開拓をして遊具を作ったり、こども食堂を開いたりしています。子どもたちが過ごしている施設を訪れて日常的に関わることもありますね。
ボランティアを始めたきっかけは何ですか?
小さい時からボランティアに馴染みがあったんです。
最初にボランティアを始めたのは小学生の時です。親が「ごみを拾ってきたら?」ってトングを用意してくれて、近所の海岸で妹と一緒に楽しくごみ拾いをしました。
今考えると、この時に親に褒めてもらったのが嬉しくてボランティアが馴染み深いものになったのかもしれません。中学生の時には東日本大震災を支援するチームを校内で立ち上げたりと、ボランティア活動を続けました。
今のNPOに入会したのは大学2年生の時です。今までの自分の人生を振り返ったり、自分のやりたいことについて真剣に考えたりしたときに、小学生の時に住んでいた新潟の自然の中で遊んだ記憶が自分の心の拠りどころになっていることを発見したんです。
もともと興味のあった児童福祉に関わりたいという思いもあり、自然と児童福祉のどちらにも関われるボランティアを探して、「NPO法人東京里山開拓団」を見つけました。他の団体さんも見たんですけど、社会問題と環境問題の両方を解決する活動をおこなっているところはあまりなくて、自分の興味ともピッタリ合っていたのが今所属している団体だったので、運命を感じてすぐに入会しました。
本部に入会して2か月程経った時にこの活動をもっと広げたいと思って、学生支部としてサークルを立ち上げることを決めました。本部には私以外に学生がいなかったので、学生の立場からできることがあるのではないかとも思ったんです。
サークルを立ち上げるのは大変そうですね。
すごく大変でした。立ち上げると決めた時点でサークル創設の手続きの期限まで残り1か月を切っていたんです。時間がない中でサークルのメンバー集め、書類作成、手続き、SNSの運営を全部1人でやりました。
私は思い立ったらすぐに行動してその後どうするかを考えるタイプなので、後から苦労しますね(笑)でも、気合いでやり切ります!
活動をしていて、どんな時にやりがいを感じますか?
子どもたちが喜んでくれている時です。初めて児童養護施設に行って子どもたちと会うと、その日一日ガン無視されるときもあるんですけど、活動を重ねていくうちに一緒に遊んでくれたり、楽しいって言ってくれるのが嬉しいです。
以前に活動の一環で子どもたちにインタビューをさせてもらったことがあって、「里山はあなたにとってどんな所ですか?」という質問に対して子どもたちが「自分のお家みたいな所。」と答えてれた時もすごくやりがいを感じました。
児童養護施設の子どもたちは色々な事情で親元を離れて暮らしていて、「家」という絶対的な場所を一度失くしているんです。そういう子どもたちが里山を家のような場所だと思ってくれていることで改めて活動の意義を感じましたし、素敵な活動だと思いました。
子どもたちにとって里山が心のふるさとになればいいなと思っています。
奥村さんにとってボランティアとはどんなものでしょう?
ボランティアをやっていて褒めていただくことがあるんですけど、自分の中ではボランティアをやっていることが、意識が高いこと、良いおこないっていう認識はないんです。自分の余力で何かをすればそれもボランティアになると思います。
普段からもっとボランティアが拓けて、人に思いやりを持てる社会にするにはどうすればいいか考えているんですけど、そういう世の中を作るために自分ができることとしてボランティアをこれからも続けていきたいと思っています。
約4か月の看護実習を乗り越えました!
大学ではどんな勉強をしていますか?
看護学科で看護資格を取得するために勉強しています。ボランティアをしていたこともあって、人と密に関われる職業に就きたいと思っていて、その中でも資格が持てる仕事がいいなと思ったので、看護学科に進みました。
勉強は大変ですか?
ちょうど最近まで実習があってとても大変でした。3年生の実習内容は4年間で一番多くて、私は9月から1月の間に小児看護、老年看護、在宅看護、母性看護、成人看護、精神看護の6つの領域の実習をしました。
特に大変だったのは、病気や手術のために入院している方を対象とする「成人看護」の実習です。他の領域と比べて一番期間が長い実習で、4週間もあったんです。期間中、平日は毎日記録と課題があったので、ボランティア団体の代表としての活動との両立は忙しかったですね。
実習ではアセスメントと言って、患者さんの疾患や今までの生活を踏まえてどういうサポートをしていく必要があるかを考えて毎日記録していて、実習の間で記録を何枚提出したんだろうって思います(笑)手術の見学が一番大変で、5時間くらいずっと立って見学しなくてはいけないので辛い時もありました。
一方で、在宅看護はすごく楽しかったです!お家で療養されている方が対象の看護で、患者さんの生活に入り込むので、その方らしさを保つために何ができるかを考えて生活を支えるという側面が面白いんです。
実習を経て、どの領域で働きたいと思いましたか?
小児看護です。今はボランティアとして子どもと関わっていますが、医療者という立場から子どもや家族を取り巻く問題を見られたらいいなと思っています。患者さんの疾患だけでなく、人生や生活も考えられるような看護師になりたいです。
また、看護師という資格を生かして今起きている社会問題に対して何か自分ができることを探していきたいです。