美学生インタビューInterview
古典を学びに京都へ
なぜ京都女子大学に進学したんですか?
古典の勉強をしたかったからです。古くからの日本文化が色濃く残る京都という地でなら自身の学びを深めることができると考え、地元福岡を出て、京都女子大学の国文学科への進学を決めました。大学で学んでいることについて教えてください。
主に中世から近代にかけての文学の解釈をしています。具体的には、太宰治と、『今昔物語集』に関して学んでいます。太宰治についてはどんな勉強を?
太宰治の生涯と作品を比較し、リンクしている箇所を研究しています。例えば、太宰は小さい頃、頭が良かったにも関わらず周りから見放されていたのですが、そのままその時の心情が『晩年』に書かれていたりと、太宰は自身が経験し、感じたことをはっきりと記述するんですよね。有名どころだと『人間失格』にはそれが顕著に現れています。太宰の生い立ちや死生観を学ぶことと、作品を読むことの二つを繰り返すことで、より理解が深まっていると感じています。『今昔物語集』についてはどうですか?
『今昔物語集』は平安時代後期に作られた説話集で、掲載されてある説話と実際の説話を比較して違いを探しています。『今昔物語集』に掲載されてある説話には、オリジナルの説話に作者の考えが付け足されていたり、表現が変えられていたりするんですよ。卒業研究では『今昔物語集』をメインにしようと考えていて、これから考察を深めていこうと考えています。「誰かのために頑張る」ということ
今年、頑張ったなということはありますか?
Campus Collection2017(通称:キャンコレ)という学生主体のファッションショーでのモデル活動です。キャンコレに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
スタッフをしていた先輩のSNSの投稿を見たことがきっかけです。今まで全くモデルとかそういった華やかな感じに縁が無かったので、大学生活の思い出づくりの一環として、ワクワクしながら参加しました。もともと私は家で引きこもるタイプの人間なので、ランウェイでカッコよく歩けるような女性になれれば自分の中で何かが変わるんじゃないかと思っていました。実際の活動はどうでしたか?
とにかく「大変」の一言に尽きます。ウォーキングレッスンもそうだし、スタイルの維持や慣れない撮影など、新鮮な経験が出来ていると感じる反面、プレッシャーに感じることも多いですね。通常の活動に加えて、私はMiss Campus Collection2017(以下:ミスキャン)というキャンコレ内でのミスコン候補者としても活動していたため、週のほとんどがキャンコレの活動で埋まることもザラでした。また、ファッションショー自体、全くの未経験だったのでとにかく自主練習にも励みました。大学の昼休みや放課後はもちろん、バイトの合間にもひたすら練習していました。ミスキャンに出場した経緯を聞かせてください。
スタッフの方からお声をかけていただきエントリーしました。候補者が選ばれる過程で書類審査と面接があったのですが、面接で話すつもりだったことが緊張のあまり飛んでしまい「頑張ります」しか言えなかったんですよね。だから、完全に落ちたと思ってました。合格者のみ電話がくるという日時が伝えられていたのですが、バイト中で確認ができずバイト終わりに着信履歴を見たんです。受かっていることがわかった時は信じられない気持ちとともに、とても嬉しかったことを覚えています。ミスキャンの活動はどうでしたか?
とても楽しかったです。ミスキャンとして活動することで「応援されることの有り難さ」を感じました。ミスキャンになってから、SNSや大学の友達、同じキャンコレに出るモデルやスタッフさんなど、多くの方から「今日も投票したよ!」「あの投稿良かったよね!」といった言葉を戴くことが増えました。こんなに大勢の方から気にかけてもらうことって本当に中々無いことだと思うんですよね。こう思うようになったある出来事があるんです。ある出来事とは?
スタッフさんとの何気ない会話でした。ミスキャンに出場が決まったばかりの私は、正直他のミスの子たちと比べると意識も低く、頑張ることが出来ていなかったんです。なんとなく“温度差”のようなものも感じ始めていて、「本当に出場していいのかな?」と思うこともありました。そのことをあるスタッフの方に相談のような形で話していたら「純奈ちゃんが頑張ることで、少なくとも応援してくれる人たちは喜んでくれる。純奈ちゃんはそんな人たちのために頑張るようにしたらいい。」とアドバイスをくれたんです。この言葉がきっかけで視点が変わったというか、“頑張る理由”ができたんですよね。そんな想いで臨んだ7月2日のキャンコレ本番。どうでしたか?
一瞬で過ぎていきました(笑)「ついこの前まであと二ヶ月とか言ってたのに、もう本番なんだなぁ」と、明け方でまだ薄暗い空を電車の窓から眺めながらぼんやりと思いましたね。本番が始まってからは、正直、緊張しすぎてどうやって歩いてたかも覚えていないんです(笑)だた、会場全体がキラキラしていて、今までで一番楽しくランウェイを歩くことが出来たのは覚えています!「たくさん練習した甲斐があったな。頑張って良かったな」と感じることばかりでした。ミスキャンのステージではスピーチも行ったのですが、ランウェイとは違ってとても落ち着いて話すことが出来ました。グランプリにも準グランプリにも選ばれませんでしたが、悔しいとか悲しいとかマイナスの気持ちは一切ありませんでした。応援していただいた方に結果を残すことができなくて申し訳ないという気持ちはありますが、それ以上にミスキャン候補の8人と出会えたことや、「誰かのために頑張る」ことに気づかせてくれた周りの方々に感謝したいという気持ちでいっぱいです。本当にキャンコレに関わることで幸せで素敵な時間を過ごすことが出来ました。