大阪　まいける。 ＠大阪音楽大学

モデルを目指しているまいける。さんですが、ファッションに目覚めたきっかけは何でしたか？

ちょっと暗い話になるかもしれないのですが、いじめがきっかけになったと思います。家族に「なんでいじめられるんかなあ？」って泣きながら相談したら、『きっと、あんたのこと妬んでるんちゃう？』って言われたんです。すごく救われましたね。全く外見も人種も違う流れている血も違うっていう中で、いじめっこたちが持ってないものを僕は持ってるんじゃないかなって、気づくことができたんです。それをきっかけに、少し強くなることができたし、周りにもだんだんと守ってくれる人たちも増えてきて。そうやって少しずつ、自分の外見をもっと生かそうと思えるようになりました。いつかいじめていたひとたちに『あいつあんなんなったんや、すごいな！』とか『俺、あいつとしゃべったことあんねん！』とか『あいつ学校一緒やってん！』とか言われるように。そして、自分が「あの時はひどかったなあー悲しかったんやでー」って言えるように。大人になったころに、そうやって笑いあえるようになろうと思いました。

いじめを乗り越えて、そこでピアノを学ぼうと思ったのは何故だったんでしょう？

元々母親がすごく音楽が好きで、特に黒人の文化をとても愛していたので、ブラックミュージックやジャズ、R&Bなどをよく一緒に聞いていました。少し成長してから、母親が録画してくれた自分の成長記録のビデオテープを見る機会があったんです。どのビデオを見ても、僕は踊ってましたね。（笑）それを見て、音楽がずっと好きだったことを意識しました。母子家庭なので経済的な問題もあって楽器を触ったことはなかったけれど、ずっとピアノはやってみたいと思っていました。小学校では部活でハープを習い、中学校では吹奏楽部に入部して、なんとかお金のかからない部活動などで音楽に触れて。音楽科のある高校に進み、高校２年生の時にはじめて授業でピアノを弾きました。週に１回程度の機会でしたが、とても幸せでした。進路を決めるときには、大学に行かずファッションの道に進もうかと思ったこともありましたが、根底に音楽をやりたい・ピアノを演奏したいという気持ちがあったので、母親に無理を言ってお願いし、高校3年生の夏からピアノを習い始めました。そして今の大学にいます。

2年制の学部なんですね。今年卒業ですが、今後の夢を教えてください。

ピアノのことを語った後な上に、抽象的でざっくりとしていて恥ずかしいのですが、人を勇気づけられるモデルになりたいです。モデルじゃなくても良いのかもしれないのですが、とにかく、人に何かを与えられる人間になりたい。とても簡単なことでもいいんです。僕の姿を見て「かっこいい」だけでもいい、とにかく何かを感じてほしいです。昔は178cmで80kg以上あったんですが、今は努力して、夢のために60kg以下まで落としました。太っていることがいけないとは思わないですが、人に不快感を与えてはいけないと思い、身体づくりからはじめました。身体からしっかり変えて、服装も勉強をして…ようやく最近自分の姿を認められるようになりました。内面を磨くのもすごく勇気が要りましたね。物心ついた時から僕はゲイだし、純粋な日本人ではないし。人と違うところが多くて「なんでこれがいけないことなの？」ってたくさん思っていましたから。いじめられたという経験もあいまって、いろんなことに対して腐ってしまっていたのですが、周りの人が助けてくれたり、家族が守ってくれたりして。時間はかかりましたが、強くなれたと思っています。僕の姿を見て、少しでも「自分も努力したら変われるかも」って思ってもらえたら、素敵なことだと思います。

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