美学生インタビューInterview
リボン
京都女子大学の古川璃桜ちゃんが涼しげな浴衣姿で再登場!
今宮戎神社福娘の経験などを経て、昨年から被写体モデルの活動を開始。今回は彼女の写真観についてたっぷりインタビューしました。
レンズで切り取られた“物語”にこそ、自分のやりたいイメージが詰まっているんです
今回の浴衣のポイントを教えてください。
ずっと着たいと思っていた白地の浴衣を選びました!かごバッグを合わせて夏らしく涼しげな組み合わせにしたことがポイントです。
清楚な雰囲気が透明感溢れる古川さんによくお似合いです!
ありがとうございます!髪飾りはかんざし1つだけでシンプルにしました。こだわりが詰まったお気に入りのコーディネートです。
では、浴衣にちなんで夏の思い出を教えてください。
被写体モデルの活動を始めたことです。私、ちょうど昨年の夏に美学生図鑑さんに取材していただいたんです。
本当にびっくりなんですが、それをきっかけにカメラマンさんから「あなたを撮りたい」と声を掛けていただくようになり、結果的に被写体モデルになりました。
……ですが、「被写体モデル」という言葉は自分の中ではしっくりきていないんです。
どういうことですか?
インスタグラムのアカウントを通じて知り合った方とお友達になって遊びに行って、その瞬間を撮ってもらうというのが私のイメージに近いし、好きな雰囲気なんです。こういう作品を撮りたいからこの服を着てこの表情をして……と作り込む感じではないんですよね。カメラ関係なしにカメラマンさんと遊びに行くこともありますし、カメラマンさんにも被写体モデルとして接されるよりは友達みたいな感覚で接される方がすごく嬉しいんです。
古川さんの“好きな雰囲気”についてもっと詳しく話を聞きたいです。
私、物語性を感じる写真や動画がすごく好きなんです。風景や空模様、光の当たり方など、その瞬間でしか切り取れなかった全部を素敵だなと思います。なので、 自分の顔が写っているだけの写真や動画って意味がないと思ってしまうんです。そこに物語がない感じがするので。
……うーん。自分がやりたい雰囲気は何となく頭に思い浮かんでいるんですけど、それを上手く言葉にできません。でもその分、アカウントの写真や動画を通して見てくださる方にそれが伝わっていたらすごく嬉しいなと思います。
極端な話、自分の顔を前面に押し出したいわけではないんですね。
どちらかというと、私はもともと写真を“撮りたい”側の人間だったんです。なので、初めの頃は“撮られる”ことにすごく抵抗がありました。実際、初めて撮影していただいた美学生図鑑さんの写真を見返すと「うわあ、変な表情だな……」って恥ずかしくなっちゃいます(笑)当時は それくらい撮られることに苦手意識を持っていました。
ですが、今は撮られることも楽しめるようになりました。というのも、「表情を無理して作らなくてもいい」ということに気づいたからです。初めの頃は写真を撮られる時、「どういう表情をしたらいいのか」という不安で頭がいっぱいでした。ですが、ご一緒したカメラマンさんは私の素の表情を引き出そうとしてくださる方が多かったんです。撮影を重ねるにつれ、自分自身がカメラマンさんと一緒にいる時間を楽しむことが一番大事なんだと気づきました。
……なんだか格好つけているような言い方しかできない。恥ずかしいです(笑)
そんなことはないです(笑)古川さんの撮る写真、いつか見てみたいです。
ありがとうございます!実はいつかチャレンジしたいことの一つが、“モデルさんに協力していただいて写真を撮る”ことなんです。今は試しに自分や友人を撮影して、それを好きな雰囲気に合うよう編集しているんですけど、自分を撮ることって物理的に難しいんですよね(笑)なので、たくさんの素敵なカメラマンさんに撮っていただいた経験を活かして、今度はカメラマンとして自分の好きな雰囲気を写真に残してみたいです。
そういえば古川さんは4年生ですよね。将来はどのような道に進むんですか?
普通の会社に就職します。なので、このSNSのアカウントを通じて「どうなりたい」とか「どうしたい」とかはあんまりないんです。それでもアカウントを消さないのは、今やりたいことを探している最中だからなのかもしれません。
こんなに時間があるのはきっと今年の夏が最後なんだろうと思います。なので、この夏は今まで出会った方とのご縁を大切にして、その人たちとの関係性をもっと深めながら、自分がやりたいことや楽しいと思えることに出会いたいです。
初めての先輩業。悩みながらも44人の福娘を支えました!
4年間の大学生活はどうでしたか?
やっぱり昨年の1月に今宮戎神社で福娘として活動させていただいたことが大きな転機になったと思います。実は私、すごく人見知りで遠慮がちな性格なんです。なので、人前に立つという経験をこれまでほとんどしたことがありませんでした。
今年の十日戎では福娘のOGとして、毎年選ばれる44人の福娘のサポートや指導をしたのですが、44人って1クラスの人数くらいじゃないですか(泣)なので、みんなの前に立つ時は緊張して仕方ないんです。
サポートや指導って具体的にはどのようなことをしているんですか?
福娘を選出する審査の進行を担当することや十日戎当日に福娘の方の体調を管理することなどが主なお仕事にあたります。
私自身、これまで所属していた部活が少人数だったということもあり、今まで“先輩”という立場を経験したことがなかったんです。ずっと「後輩としてついていきます!」というタイプの人間でした(笑)なので、44人もの福娘たちを責任を持って引っ張っていくということは自分にとって新たな挑戦だったんです。
先輩業にはどのような難しさがありましたか?
福娘の方にとってOGは一番身近なお手本になります。なので、自分自身が教わった指導内容を徹底できているのかについてはずっと思い悩んでいます。
あと実は私、学生時代に人見知りのあまり「声を掛けづらい」と言われたことがあるんです……。なので、声を掛けやすい雰囲気作りに奮闘しています。具体的には、自分から福娘の子たちに話しかけたり、一人一人に合わせたコミュニケーションを取ったりするなどを心がけています。
でも、福娘のみんなにとって私っていわゆる顔見知り程度だと思うんです。私は学生時代、顔見知り程度の方とお話するのが一番難しい時間でした。会話も探り探りだし、気軽に話せる話題がわからないし……(泣)なので、顔見知り程度の関係から一歩踏み込んだ関係に思ってもらえるように、福娘のみんなが私と話す時に感じるだろう抵抗感をちょっとでも少なくできるように、とにかく笑顔でいることを気をつけています。
現役福娘の方との印象的なエピソードはありますか?
とある福娘の方が「OGさんのサポートのおかげで十日戎の3日間を頑張れました!」と声を掛けてくださったんです。OGとしてのお仕事を自分が本当に務められているのかずっと不安だったので、この言葉のおかげで自信を持てました。
お仕事を通して、昨年自分がご奉仕していた時に見えないところでどれほどの方たちがサポートしてくださっていたのかを知ることができ、支えてくださった方への感謝の気持ちが増すばかりです。今宮戎神社ではOGとして福娘当時に着ていた着物を着てご奉仕することもできるんです。なので、大学を卒業して社会人になっても、人生を変えてくれた今宮戎神社にはどんな形であれ関われたらいいなと思います。