美学生インタビューInterview
自分との戦いでした
大学入学以前に力を入れていたことはありますか?
小学校3年生から中学3年生まで書道をお稽古として習っていて、高校は芸術科の書道専攻があるところに通っていました。高校では部活でも書道部に入っていましたね。
芸術科って珍しいですね!
そうですね。私の出身の高知県には芸術科のある高校は1校しかなく、その高校を志願しました。
書道専攻では週に10時間書道の授業があって、加えて平日の放課後と土日は朝の9時から夕方の5時まで部活でも書道に取り組んでいました。しかも、同学年で専攻している学生は誰もいなくて、私一人だったんです。
それはすごいですね……!1人で辛くなかったですか?
ライバルがいない分、自分のペースで練習できましたが、その反面自分との戦いで、心が折れそうになったり逃げ出したくなるときもありました。
書道専攻には3人の先生がいて、それぞれの先生方から合格を頂くのはなかなか至難でしたが、その分3倍鍛えられたと思っています。
特に大変だと感じたのはどういった点でしたか?
初めは書道をする時間が少し多いぐらいかなっていう気持ちだったんですが、入学してみると全国的に見ても先輩方は素晴らしい成績を残されていて、レベルの高い高校だと気づいたんです。
卒業制作展では、県立美術館に展示することができ、書道専攻は1人なのでまるで個展のように全て私の作品を展示することができました。
プレッシャーは相当なものでしたが、先生方や部員、家族に支えてもらいながら仕上げることができました。
自分で言うのも何ですけど、自分の作品で埋まっているスペースを見た時は、1年生の時からの苦労を思い出し、胸に込み上げるものがありました。
すごいですね!色々な字体の作品があるんですね。
自分の名前の「麗」という字を篆書、隷書、草書、行書、楷書という5書体で表したものを作品にもしました。
また、全国高等学校総合文化祭の高知プレ大会の開会式では単独パフォーマンスをしました。
書いている時はどのようなことを考えているんですか?
古典から文字を引用するときは、まずはその古典の作者の気持ちや書いている意味を本から捉えます。そこから作品に対する思いをどのように表現するかを考えています。結構深くて難しんですけど(笑)ただ手本を見て書いているのではないんです。
100枚書いたとしても、最初に書いた作品が選ばれることが多いんですよね。考え込みすぎると固くなるし、表現力が薄れます。展覧会によって審査の基準は違うんですけど、自分が書いた作品からどんな魅力が湧いているかが大切です。
なるほど……!大学でも書道を続けようとは思わなかったんですか?
3年間充実した書道生活を送ったので書道に悔いはないです。大学に入りこの4年間でまた新たな興味のあるものを見つけ、新しい自分を発見できると期待しています。
では、近藤さんが小学校から高校卒業まで書道を通して得られたことを教えてください。
精神が鍛えられて、集中力を身につけることができました。高校3年生では書道部のキャプテンになり、部員をまとめる力や状況判断力もついたと思っています。
それから、美しい字を書けるということは自己表現をするという意味で役に立つものだと思っています。
関西で新しい経験!
高校時代、書道以外に何か取り組んでいたことはありますか?
モデルとして、ヘアサロンの成人式用のパンフレットの制作に携わりました。
他にも、高知県警察の採用試験の募集広告のモデルとして、ポスターとCMに出演しました。
警察の採用広告ですか!何がきっかけでモデルをしたんですか?
モデル募集のチラシを見て友達と応募しました。演技もいらないし大丈夫かなって。面接とカメラテストを経て採用されることになりました。
モデルを経験してみて、どうでしたか?
CMはテレビや街頭ビジョンでも放送していただいて、反響はとても大きかったです。県下の学校にチラシとして配布されたり、ポスターを校内に貼っていただいたりしたので、友達や先生からもカッコいいって言われて嬉しかったですね。
CMは今でもYouTubeに残っています(笑)
素敵な経験ですね!ところで、近藤さんは大学進学を機に関西に出てきたんですよね?関西での生活はどうですか?
前期はオンライン授業で、高知にいたんですよ。7月ぐらいにやっと関西に来れました。今も対面授業がなく、サークルも決め切れてなくて……。4月のガイダンスの時に何人か友達ができたので、その友達から交友関係が広まることが多いですね。
一人暮らしは慣れましたか?
これまで親にご飯は当たり前のように作ってもらっていたので、まだまだ慣れません。同じマンションの子に聞いて料理をしたりしています。よく作るのはカレーですね。多めに作って冷凍してたらいつでも食べれるので(笑)
高知から関西に出てきて良かったなと感じることはありますか?
高知県では経験できないホンモノが関西にはたくさんあり、目で見て触れて感じることができると思っています。
例えば、先日お母さんが大阪に来ていて、一緒に京都の紅葉を見に行きました。あのスケールの大きな神社仏閣と紅葉のコントラストは圧巻で、さすが日本の京都だなと感じました。また吉本を見に行くチャンスがあり、本物の漫才師や新喜劇を見ることができ、これまでスクリーンを通して見ていたものを生で見ることができて熱気を近くに感じられました。
あと、身近なことで言うと「ハイフ」と呼ばれる頬や目元、顎下などのたるみを引き締める施術を受けたんです。ハイフを受けられるサロンは高知にないんですよ。将来、高知でもハイフの施術を受けれるようになったらいいなって思います。