人の心理を数字で証明していく
大阪大学人間科学部人間科学教育学専攻ではどのようなことを勉強していますか?
実験心理学について学んでいます。フラットに言うと、日常生活での人間の思考について統計を取り、人の心理を数字で証明していく学問です。
具体的にはどのようなことをしているんですか?
そうですね、研究の事例でイメージしてもらった方がわかりやすいと思うので、先輩の卒論研究なのですが、「文字のフォントで受け取り方が変わるかどうか」というケースについて紹介したいと思います。明朝体やゴシック体といったオーソドックスに日々接している読みやすいフォントと、普段あまり目にしないような読みにくいフォントの二つでそれぞれ書かれた文章を読ませた時に、人間はどちらのほうが注意深く文章を読むかという実験を行いました。結果はどちらだと思いますか?
後者の読みにくいフォントの方が注意深く読みそうな気はしますね。
実は、前者の読みやすいフォントの方が注意深く読むんですよ。一見、読みにくいフォントの方が、読み間違えの無いように注意して読む気がしますよね。でも、実際の結果は逆で、結局、読みやすい方が人間は集中して読むことができるんですよ。
このように、データ分析をした結果が予想と逆になることが多いことも実験心理学の面白さの一つです。
南さんはどのような研究をしているんですか?
私は、「思考を言語化することにより、思考が言語に近づくのではないか」ということについて研究をしています。自分自身が就職活動をしていて、面接を何回か受けている内に感じたことをそのままテーマにしました。面接などでは、60%程度しか自分の考えを話せていないなと感じることが多かったんですよ。自分の考えを100%伝えることができていないなって。面接官に話していても、自身の考えと言動にどこかズレを感じちゃって。でも、ズレているとはわかっていても、面接なので仕方なく話さなければいけないじゃないですか。そして、そのようなことを繰り返している内に、自分の思考が徐々に面接官に話したもの、言語化したもの、に寄っていると感じたんですよ。これは思考という非言語なものを無理矢理に言語化することで起きていると感じていて、とても興味深いと思ったんですよね。まだまだ研究の進捗は進んでいませんが、卒業までに形にできればと考えています。
テニス歴13年
何かスポーツはしていますか?
テニスをしています。小学校一年生の時に始めたので、受験などで中断していた時期を除くと、中学時代はスクール、高校時代は部活、大学ではサークルと、約13年ほど取り組んでいますね。
始たきっかけは?
テニスをしていた両親の影響です。両親がとても熱心に教えてくれていて、当時通っていたテニススクールよりも厳しかったですね(笑)でもそのおかげで、根性がついたのかなと今となっては思います。
南さんの感じるテニスの魅力について教えてください。
挑戦と達成感を味わえることです。難しいからこそ、自分の狙ったところに狙った玉を打てた瞬間などはとても嬉しいですね。