大学受験をやめ、高校卒業後はニュージーランドへ
高校卒業後すぐに大学進学しなかったそうですね?
大学へ進学するにあたって何を勉強したいかを真剣に考えたとき、「開発学」(地球上の貧困や格差の是正や、権利に関する問題にフォーカスした総合的な学問)を学びたいと思っていました。海外の大学では開発学は珍しいものではありませんが、日本で開発学を専門にしている大学はあまりありませんでした。自分が本気で勉強してみたいと思える環境を探して色々な大学のオープンキャンパスにも足を運びましたが、本当に行きたいと思える大学に出会えることができませんでした。そうして時は過ぎ、いよいよ大学受験を控える時期になって、「今回は受験を諦めよう」という結論に至ったんです。
思い切った決断ですね。高校を卒業してからはどうしたんですか?
10代のうちに海外に住みたいという夢があったので、どうせなら海外に行こうと思い立ちました。大学受験するなら英語を中心に勉強したいと思っていたので、日本でアルバイトをしながら勉強するよりも、海外で過ごしながら勉強する方がいいなと思ったんです。それで、高校を卒業してから半年間はアルバイトをしながらお金を貯めて、夏頃から一年間、ニュージランドにワーキングホリデーに行きました。ちょうど誕生日が夏なので19歳の一年間は海外で過ごすことができました。
ニュージランドでの生活はどうでしたか?
働いていた職場では20カ国以上の人が働いていてとても国際的な環境でした。色々な人・様々な文化に触れて、視野を広めることができました。
ニュージーランドに行く前は開発学にしか興味がありませんでしたが、もっと広い範囲で世界の勉強をしたいと思うようになりました。ICU(国際基督教大学の略称)のことを知ったのはそのときですね。日本に帰国したらICUを受験してみようと思うようになりました。
何か思い出に残っているエピソードはありますか?
一度パーティーを開いたことがあったのですが、参加する人たちの国民性がよく見えました。時間前に来る人や時間ぴったりに来る人、30分遅れで来る人や2時間後に来る人がいたりと、とても様々で興味深かったですね。
二年かけて選んだICU(国際基督教大学)での生活はとても充実
現在、大学ではどのような勉強をしていますか?
ICUはリベラルアーツをモットーにしているので、色々な角度から物事を見るために「学部」というものに縛られないで好きなことが勉強できます。最初の二年間は文・理問わず好きなことを勉強することができ、後半の二年間では専門を選択して勉強します。
開発学以外に、興味のある分野を見つけることはできましたか?
大学に入ってからは「平和学」に興味が湧きました。高校生のときは途上国を発展させるような仕事をしたくて、国際機関に入るなどの将来像をイメージしていましたが、今では色々なアプローチがあるのかなと思っています。ICUに入って逆に進路に迷いが出た気もしますが、選択肢の視野が広がったこともまた事実です。私と同じ代の人たちの大半は大学3年生で、就活が近付いて進路を決める時期だと思いますが、私はもう少しゆっくり将来の道を探していきたいです。
話は変わりますが、現在シェアハウスに住んでいるそうですね?
はい!私の住んでいるところは170人くらい住んでいるのですが半分くらいは外国人です。様々な世代でかつ国籍も数え切れないので、色々な国の文化や言語も学べて、私生活もとても楽しいですね。このあいだは「誕生日だ」と言っただけで、周りのみんながプレゼントをくれたりしました。
アルバイトは何をしていますか?
最近まで翻訳のアルバイトをやっていました。英語を使いながら働くと英語力も伸びるし、将来の自分の仕事にも活かせるかなと思ったからです。でも、最近、写真のアルバイトを始めてみようかどうか迷っているところなんです。
どうして写真に興味を持ち始めたんですか?
夏休みの間に日本や海外をけっこう旅行していたのですが、友達が一眼レフを持っていて借りて写真を撮ってみたら楽しかったんですよ。普段、iPhoneで撮影するときもいつもこだわりますし、カッコよく撮るにはどうするか考えています。写真の理論や技術を知らないので、そういった知識を身につければもっと良い写真が撮れるんじゃないかと思っています。
カメラを始めたらどんな写真を撮ってみたいですか?
人でも風景でも、自分がその場にいていいなと思ったものを収めるような写真が撮りたいですね。人を撮るなら笑っている表情とかじゃなくても、道端で泣いている人がいたら、ありのままを写したりとかそういうことをしてみたいです。