美学生インタビューInterview
強い信念を持てば夢は叶う
Miss Campus Collection(Campus Collectionというファッションショー内で行われるミスコン)で初代グランプリを受賞したとのことですが、まずはCampus Collectionへ参加したきっかけを教えてください。
Campus Collectionとはまた違うイベントなのですが、学生規模で行われているファッションショーを見に行ったことが最初のきっかけでした。先輩に誘われてノリで見に行ったのですが、その時に「ファッションショー」というものに魅了されたんですよね。
ファッションショーって、簡単に言うと服を着て歩いているだけじゃないですか。ただそれだけなのに、颯爽とランウェイを歩いていくモデルさんの姿がとてもカッコ良く私の目には映ったんです。人間の基本動作である「立つこと」と「歩くこと」だけで勝負する、”限られた選択肢を極める”ということを私もやってみたいと思い、同じ学生規模で行われていたCampus Collectionへの参加を決めました。
Miss Campus Collectionへはどうして参加することになったんですか?
団体の代表の方から今年度からCampus Collection内でミスコンを実施するというお話を聞いたことがきっかけです。私は性格上、常に自分を奮い立たせる何かを目標にしながら生きていくようにしているので、聞いた瞬間からエントリーしようと考えていました。
選考はどのようにして行われたんですか?
まず、グランプリの候補となるファイナリスト選出のために面接がありました。その際に、ありのままの自分を出そうと、面接の最後に「そこらへんの男よりガッツあります!」って言ったんですよ。
終わってから「ちょっと言い過ぎたかなぁ」とも思ったのですが、ファイナリストに残った人を見ると色んな意味で変わったメンバーばかりだったので、逆にそれくらい強気で言ったことが良かったのかもしれません。
グランプリになった瞬間のことは覚えていますか?
覚えています。震えましたね。Miss Campus Collectionには“ある思い”を懸けていたので、ものすごい達成感が私の心を包みました。
“ある思い”とは何ですか?
証明したいことがあったんです。ある友達に引っ込み思案な子が居たんです。色んなことへ挑戦する前に「私なんかには無理」って言ってしまうような子で。「どんなことでもやろうと思えばできる」という自信を持ってもらうために、必ずグランプリを取ることを決意していたんです。
結果、グランプリを獲得し、「強い信念を持てば夢は叶う」ということを証明することができました。それと同時に、自分の人生において常にこの意識を持って、”何事にも挑戦していこう”という意思を再認識しました。
“笠井維月”という人間のルーツ
笠井さんが“強い信念を持てば夢は叶う”という考え方を持つようになったきっかけはありますか?
うーん、そうですね。私、小さい頃から、それこそ幼稚園の頃くらいから「自分はこうなりたい」というイメージがはっきりしていたんですよ。誰かの気持ちを引き出すことのできる存在になりたい、って。
例えば、モデルに対してマイナスのイメージや偏見を持っている子も多くいると思うんです。そういったものを舞台に立つ私の姿を見てもらうことによって変えたいんですよね。その子達が「モデルって本当にカッコいいんだ。私もやってみたいな。」って思えるように。
一例としてモデルを挙げましたが、どんなジャンルでも良いんです。人前に立って影響を与えられる、誰かの感情を引き出せる。そんな存在になりたいと常に考えているので、必然的に行動や考え方もストイックなものになってきたんだと思います。
幼稚園くらいからずっと同じ夢を持っているんですね。
はい。この夢を叶えるためにはどうすればいいかってことを常に考えているんですよ。だからどの高校に行くかということも小学校4年生の時には決めていたんです。この高校での経験が私という人間のルーツになっていると強く感じています。
どんな経験ですか?
三年間毎日自分自身と向き合ってきたことです。宝塚北高校の演劇科に通っていて、卒業生は宝塚歌劇など様々な表舞台で活躍している人も多く居る高校なのですが、入学して最初に先生から「この高校は舞台俳優や女優にする場ではありません。自分がどういう存在であるかを見極めていくところです。」って言われたんですよ。
そこからはずっとそれについて考え続ける日々でした。厳しい環境も含めて、これが私を形成する根本になりました。
厳しい環境とは、どのようなものだったんですか?
例えば、寝る暇がなかったことですね。学校に居る時間はもちろんですが、放課後も舞台の稽古やその日教わったことの反復練習に取り組み、さらに衣装作りも全て自分達でしていたんですよ。時間に常に追われていて、毎日始発で学校に通っていました。また、「電車は一期一会が繰り返され、人間観察をする上での最適の場だ」と教えられていたので、座席に座らずにずっと立っていたんです。
そんな生活が続いていたある時、誰かがボソッと「疲れた」と言ったことがあるんです。みんなもそれに同意しました。それを聞いた先生が「お前らは『疲れた』って言えるほど人間じゃない」って言ったんです。最初は驚きましたが、続けて先生が言った「本当にそれは疲れているのか?限界を自分で決めるな!」との言葉で理解することができたんですよね。
これはほんの一例ですが、こんな風に追い込まれた環境だからこそ身についたことが色々あって、”笠井維月”のキャラクターに結びついていきました。
そうなんですね。今、笠井さんは大学に通っていますが、高校卒業後に先輩方のように表舞台へ立つ道は考えなかったのですか?
考えていましたね。当時の私はとにかく早く卒業してそのような世界に飛び込みたいと思っていました。高校三年生になり、進路相談で東京の歌の専門学校を希望していることを先生に伝えたんです。専門学校に通いながらスキルを磨きつつ、活躍の場を早いうちから東京で探そうと思って。こういう風に言うことで先生も喜んでくれるとさえ考えていたんですよね。
でも、それを聞いた先生からは「あなたたちが描いている夢も応援してあげたい。でも、気持ちとしては一旦大学に行って欲しい。」という言葉をいただいたんですよ。社会の厳しさや、私が取り組みたいと考えていることは本当にその学校でしかできないのか、など、色々なことを話したことを覚えています。
結果、大学に進むことを決めました。高校二年生の時に外部公演で身体障害者の施設などに行った経験から漠然と福祉に興味を抱いていたことと、子どもが好きだったことから甲南女子大学の総合子ども学科を選びました。
大学に行ったからこそCampus Collectionを始め、様々な素晴らしい機会・経験に巡り合うことができたので、先生方にはすごく感謝しています。