美学生インタビューInterview
ミスキャンパス関西学院の名を背負うということ
あと一ヶ月ほどで今年度のミスキャンパス関西学院のファイナルイベントですね。あれから一年。昨年のファイナルイベントのことを聞かせてください。
もう一年も経つんですね。ファイナリストに選ばれてから半年間、私は数多くのレッスンを受け、様々なイベントをこなし、普段から他人にミスキャンパスとして見られていることを意識して過ごしてきました。そんな日々を思い返して、ファイナルイベントが始まる直前、舞台裏で感極まって涙を流しかけたことは今でも覚えています。でも、イベントが始まってからは絶対にステージ上では笑顔でいようと心がけました。グランプリに選ばれた時の心境を聞かせてください。
頭が真っ白になって、その時の気持ちを覚えてないんですよね。私は正直、自分がグランプリに選ばれることはないと思っていました。ブログのアクセス数やTwitterのフォロワー数もファイナリストの中では下から数えた方が早かったし、ファイナルイベント当日に披露したバレエも自分では納得のいく出来じゃなかったんです。披露を終えた後に舞台裏で号泣したくらいです。それに私は、他のファイナリストや実行委員の皆さんの力と合わせて“イベントを成功させること”が一番の目標で、その頑張りの上でグランプリがついてくれば良いという考えだったんですよ。こういう言い方をすると誤解されるかもしれませんが、私は誰がグランプリを取っても良かったと思っていたんです。半年間励まし合って、切磋琢磨し、共に成長してきたファイナリスト全員がミスキャンパス関西学院の名に相応しい女性だと本気で思っていました。だから、私はどの子が選ばれても納得できたんです。そんな思いがあったからなのか、自分の名前が呼ばれてすぐは他の5人の顔を見ることができませんでした。自分がグランプリに選ばれたという実感は「ミスキャンパス関西学院大学2014グランプリ」のタスキをかけられて初めてが湧いてきました。選ばれなかった、選ばれてもおかしくなかった5人の思いを受け継いで、“ミスキャンパス関西学院”という看板を背負って生きていこうと誓いました。グランプリになってから中山さんの生活に何か変化はありましたか?
息つく間もなく、全国のミスの頂点を決める「Miss of Miss 2015」が始まりました。正直、孤独との戦いでした。今まではファイナリストという5人の仲間が居たわけですが、Miss of Missではたった一人で他大学のミスとの合同イベントに参加したりと、個人での活動に変化したんですよね。これが予想以上にキツくて、これまで通りにTwitterを更新することでさえ辛いと思うこともありました。きっと私がグランプリに選ばれた事で悔しい思いをしている人もいるので、Miss of Missの事を他のファイナリストに相談することも出来ませんでした。辛さを分かち合える仲間がいないことは本当に苦しかったです。他の大学のグランプリの人たちも同じような孤独を抱えていたようです。ミスキャンパス関西学院の名を背負う上で、Miss of Missは私にとって大きな試練でした。今年のミスキャンパス関西学院のファイナリストへ一言メッセージをお願いします。
綺麗事に感じる人もいるかもしれませんが、グランプリになることが全てじゃありません。素直な気持ちを忘れずに、最後まで楽しんでください。自分の言葉一つで人生が変わる仕事
現在大学4回生ですが、卒業の進路は決まっていますか?
昨年、美学生図鑑の取材を受けた際に『生活保護のケースワーカーになりたい』とお話ししました。その後、希望の職種に内定し、春から行政の福祉職のお仕事をさせていただくことになりました。配属はまだ決まっていませんが、昨年語った「生活保護のケースワーカーになりたい」という気持ちは変わっていません。「生活保護のケースワーカー」とは、どのようなお仕事なのですか?
一言でいうと、“どうしたらその人の生活が良くなるか”を考える仕事です。生活保護を受けている方の家に訪れて生活状況の確認をし、客観的に見てその人が生きていく上で足りないと思われるものに関してアドバイスをするのですが、この“客観的に見る”ということがとても難しいんですよね。以前、こういう話を聞いたんです。駅の高架下で暮らしているホームレスのおばあちゃんが居たのですが、その人は年金もきちんともらっていて、普通にマンションも持っているにも関わらず、敢えて路上に住んでいたんですよ。おばあちゃんにとってはそれが幸せだったんです。側から見ると一見不幸そうに見えても、それがその人にとっては幸せな場合もあります。価値観を押し付けてはいけないという、当たり前のようで実は難しいことがこの仕事をする上で最も大切なことなんです。そういったことを考慮しつつ、自分ができる最大限のサポートをすることは簡単なことではありません。でも、その分やりがいも多い仕事です。例えば、今まで仕事をしていなかった人が、自分の言葉がきっかけで働くようになり、その人の人生を変えることもあります。私もいつか、誰かの人生を変えることのできるようなケースワーカーになりたいです。