美学生インタビューInterview
本番ギリギリでプラン変更!“チームワーク”にこだわったビジコン
大学生活で力を入れてきた活動を教えてください。
経営学部内で開催されるビジネスコンテストです。1年生の前期に「ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)」という授業があって、企業が直面する課題にチームで取り組み、ビジネスプランを考え、学期末におこなわれるコンテストで発表するんです。約400人が参加する、経営学部の一大イベントで、私は1年生の時に受講生として、2年生の時に運営メンバーとして参加しました。
面白そうですね!「企業が直面した課題にチームで取り組む」って具体的にどんなことをするんですか?
4、5人のチームで提示された課題をもとに、前期の約半年かけてビジネスプランを考案します。私が1年の時の提携企業はTBSで、「あなたのちょっといい時間をつくるためにTBSにできること」というテーマでした。テレビに関するコンテンツに限らず、例えばテレビ局が遊園地を作るとか、独創性のある型破りな発想が求められるんです。業界研究から課題の深掘り、プランをまとめたポスターの作成および中間発表、そこからさらにブラッシュアップしてコンテストでプレゼンテーションをおこないます。
このコンテストでは、予選を突破したチームのみが本選考に進めるんです。そして、本選考で優勝した代表チームだけが本社へプレゼンに行けるという、結構本格的なコンテストなんですよ。
宮下さんのチームはどんなプランを考案したんですか?
私たちはTBSがSDGsに力を入れている企業ということから着想を得て、「SDGsをテーマにした全国合同大学学園祭」を提案しました。学園祭の内容としてはTBSの所有地である緑山スタジオ・シティを利用したSDGsに関するグッズ販売や、スピーチコンテストを企画しました。スピーチコンテストは、SDGsと絡めて「社会に貢献したいこと」を有志で発表してもらい、選ばれた人とコンテスト主催チームでそのプランを実現させようというものです。
でも、私たちのチームは予選を通過できなくて……。すごく悔しかったです。思い返してみればTBSならではのプランではないかな、という反省点はあります。でも、私たちなりに何度も話し合いを重ねて固めたプランです!
ビジネスプランを考えるって、面白くもあり難しくもあると思います。大変だったことはありますか?
長期に及ぶコンテストなので、チーム5人全員のモチベーションを保つことが大変でした。半年間もあると、なかなか話し合いが進まないことや行き詰まることがあってモチベーションに波ができちゃうんですよね。そんな状況でも諦めず、そして妥協せずに力を合わせることに苦労しました。
チームに貢献できたと思うことはありますか?
実は私のチームは予選2週間前という本番ギリギリでプランを大きく変更したんです。もともとは別のビジネスプランの話をずっと進めていたのですが、「それってすでに世の中に存在するアイデアなんじゃないか?」という理由でチームが行き詰まってしまって……。
その時に「新しいプランを今から考えてももう時間が足りない」という意見もあったんですが、このままでは良い方向に進まない、チームのみんなが納得できるプランにならないと思い、思い切ってプランを変更することを提案しました。私たちのチームは「今までにないオリジナリティのあるアイデアを生み出す」というテーマが根底にあったんです。
本来半年かけて考案するプランを2週間で完成させなければならないので、授業時間外にもたくさん話し合いをしました。日中はなかなか予定が合わないので、夜中の12時から朝方までZoomで話し合ったこともありましたね。プランを変更したことによって時間的にすごくハードになってしまったんですけど、それまで進めてきた話し合いの全てが無駄になったわけではなくて、プラン変更後に活きてくることもあってより良いプランになったと思いますし、何よりメンバーのみんなが協調性を持って力を合わせることができたのですごく達成感がありました!
私自身は「リアクション」を大事にしていて、予選後チーム内でお互いにそれまでの行動についてフィードバックし合う機会があるんですけど、そこでも「表情豊かなリアクションはありかの強みだと思う!」と仲間に褒めてもらえました。
2年生では後輩をサポートする側に!「私たちの役目は“受講生をより良い方向へ導く”こと」
2年生になり、今度はコンテストの運営側に回ったとのことでしたね。
もちろん1年生の時に本戦出場チームに選ばれなかった悔しさもあるんですけど、それ以上に当時の運営スタッフである2年生の先輩が盛り上げてくれたり、優しく親身になってサポートしてくれたことが嬉しくて。
例えば夜中の1時2時にZoomで話し合いをしていて、眠気も相まって議論が失速してしまったときに先輩に助けを求めると、すぐにミーティングに駆けつけて軌道修正してくれたんです。後輩のためにこんなに親身になってくれる先輩がすごくカッコよく見えて。
そんな先輩への憧れから、「自分も次は絶対に運営側に立つぞ!」って思っていたんです。実際に運営スタッフになってみたら、みんなでお揃いのパーカーを作ったり「受講生のためにみんなで一緒に頑張ろう!」という一体感がすごかったです。
授業のサポート役というより、一種のサークルみたいですね!
友達にも言われました(笑)でも、この活動がコロナ禍の大学生活に彩りを与えてくれたんです!
運営スタッフって、具体的にどんな役割があるんですか?
運営スタッフのコアメンバーは20〜30人くらいいて、その中からいくつかの係に分かれるんです。私はダンス班と授業班を担当していました。
ダンス班?!
BLPの初回の授業でその年の提携企業を発表したり1年生同士で交流を深めるウェルカムイベントのようなものがあって、そこでダンスを踊るんです!約400人の受講生と運営スタッフ、あとは学部長も一緒に踊るんですよ(笑)
私はダンス班としてそこで踊るダンスの創作を担当しました。ダンスは未経験なんですけど、同じダンス班に経験者の子がいたのでその子の力を借りながら振り付けに挑戦しました。
すごく盛り上がりそうですね!授業班にはどんな役割があるんですか?
授業班としては、毎週運営メンバーが司会進行を務める授業設計や課題作成をしました。
あとはざっくり言うと授業のサポートなんですけど、受講生が意欲的に楽しんでやってもらえるように努力しました。オンライン授業だったので、ZoomやLINEなどのツールを使って何か受講生の役に立つことができないか考えて、応援メッセージやアドバイスを送ったりしましたね。
例えば、漠然としている設定課題をどう具体的な案に落とし込むのかをアドバイスしました。私たちの役目は“受講生をより良い方向へ導くこと”であって、“作業をやってあげること”は受講生のためにはならないと思うんですよ。だから言葉をかけることしかできなくて悩みました。
他にも、私が1年生の時はモチベーションが下がってしまった時期があったので、そんなときにどうしたら役立てるか考えて、常に明るく楽しい雰囲気作りをすることを心がけました。なかなか話し合いに参加してくれない子もいるんですよね……。その子をどうグループの輪に巻き込むかも難しかったです。
でも、受講生が楽しそうに取り組んでくれている姿を見て「やってよかったな」と思えましたし、BLPの授業を通して、改めて人と協力して何かに取り組むことが好きだと思いました。
寮生活や留学生活。充実した学生生活のキーワードは「仲間」と「助け合い」
「改めて」ということはこれまでにも人と協力することが好きだと感じる出来事があったんですか?
中学高校時代の寮生活を通して協力することが好きになったんだと思います。実は私、山梨県出身なんですけど中学からは静岡県の中高一貫校に進学して、6年間寮生活を送っていたんです。
私が通っていた学校は、全国から生徒が集まるんですよ。中学1年の頃はみんな親元を離れたばかりだから、毎日誰かがすすり泣いている声が聞こえるんですよね。あと、家族と話すために公衆電話に長蛇の列ができていたり。私も、最初はワクワク感でいっぱいだったものの、いざ寮生活が始まると寂しくて……。
そういうホームシック的な寂しさの中でみんなと共同生活を送っていたので、助け合ううちに仲間意識が芽生えました。寂しくなったときは「みんな同じだから、頑張って乗り越えよう!」ってお互いを励まし合っていました。みんながいてくれたおかげで、私は半年くらいで寮生活に慣れました。皿洗いとかもみんなでやるくらい、常に一緒に過ごしていたんです!
寮生活ということは、部活動をやっていたんですか?
はい、部活は6年間バスケットボール部で副キャプテンを務めていました。ただ、この学校に決めたのは部活のためというより、英語に力を入れているところに惹かれたんです!
2歳年上の姉がいるんですけど、姉が知人の紹介でもともとその学校に通っていて。海外に姉妹校がいくつかあって留学制度が充実していたり、英語に注力している学校なんです。姉が楽しそうに通っている姿にインスパイアされて「私も入ってみたいな〜」と思い受験を決めました。
お姉さんの影響だったんですね。もともと英語に興味があったんですか?
はい!両親が地元の国際幼稚園に通わせてくれて、幼い頃から英語に触れる機会があったんです。なので昔から英語が好きでしたね。あとは小学3年から6年まで英会話スクールに通っていました。
子どもの頃から英語に触れていたんですね!留学には行きましたか?
高校2年の8月から10か月間、カナダのノバスコシア州に留学に行きました。田舎なんですけど、新垣結衣さん主演の映画『ハナミズキ』のロケ地にもなった自然豊かで素敵な街なんです!
留学先ではどんな経験をしたんですか?
できるだけたくさんの現地の人とコミュニケーションを取りたいと思って、出来ることは何でもチャレンジしました!特に思い出に残っているのはクロスカントリークラブでの活動と、ボランティア活動ですかね。
走ることが大好きで、クロスカントリークラブに入ったんです。そこで交流の輪が広がったし、大会に出場したりととても充実していました!大会の時にはコーチから「最も頑張った人」に選んでもらって、賞をいただきました。
クロスカントリーはいわゆるマラソンのようなもので、楽しくもあり途中体力的にキツいときもあるんですよ。でも、そこで仲間と励まし合いながら走ったことで英語力ももちろんですけど、それ以上に仲間の大切さを学びました。
ボランティア活動はどんな内容だったんですか?
ボランティア活動は、いくつか挑戦しました。中でもホームレスの方の支援をした時のことが印象深いです。ホームレスの方が集まっている施設があるんですけど、そこで寄付品の衣服を整理したり、料理をして振る舞ったりしました。
これまで、どこかホームレスの方にプラスのイメージを抱き難いと思ってしまっていた自分がいたんです。でも、施設にいるホームレスの方一人ひとりとお話ししてみると、色々な背景があったり、色々な想いを持っていたり……。
例えば言葉を発することが困難なためにホームレスになった方がいたんですね。でも、その方は手話を使ってコミュニケーションを取っていて。たとえ言葉が発せなくても人と会話することを諦めない姿に感銘を受けて、私も少しだけ手話に挑戦したんです。
そんなきっかけを与えてくれたり、とにかくみんな良い人ばかりで接していてすごく楽しかったんですよね。それに、ボランティア活動を通じて初めてホームレスの現状的なものがわかった気がして。「この人たちをもっとサポートしたい!」と思い、自分にできることを模索しました。
何事にも積極的にチャレンジして学びを吸収し、常に仲間への思いやりを持っている宮下さんの人柄が伝わってきました。まさに「学生の鑑」だと思います!
いやいや、そんなことないですよ(笑)でも、何事も積極的にチャレンジしたおかげで充実した学生生活を送ることができていますし、自立も出来たんじゃないかなと思います。