美学生インタビューInterview
12時間耐え忍んだカウントダウン
今までに何度か海外留学をしてると聞きました。どこへ行ったんですか?
大学2回生の9月から1年間ほどアメリカのオレゴン州へ行きました。その前には中学の時にイギリス、高校ではカナダに行きましたね。
色々な所に行ってるんですね。では、まずイギリスはどうでしたか?
それが初の海外だったんですけどすごく良かったです。語学研修を兼ねた修学旅行で、昼間はみんなで色々な観光地を周って、夜はバラバラに分かれてホストファミリーの家に泊めてもらうって感じでした。
晩ごはんもそれぞれの家で出してもらうんですけど、その時、夕食でラム肉が出てきたんですよ。子羊の肉。
私、当時はお肉が苦手で、普段は牛肉とかも全然食べなかったんですけど、せっかく作ってもらったから悪いなと思って食べてみたらめっちゃ美味しくて!全部食べました!むしろおかわりしたくらいで(笑)
イギリスはご飯が美味しくないって聞いてたんですけど全然そんなことなかったです。
大学に入ってから1年間留学したとのことですが、この時もホームステイですか?
いや、寮で1つ下のアメリカ人の子と2人部屋だったんです。優しい子だったのでお店とかも色々と教えてくれたし、買い物にも付き合ってくれたりして。アメリカでの生活はアッと言う間ですごく充実してました。
毎日授業に行って、課題やって、土日はみんなでご飯行ったり、連休は旅行にも行きました。シアトル、カリフォルニア、ニューヨーク。色々行きましたね。
一番印象に残ってる出来事は?
ニューヨークで年越しをしたことです。タイムズスクエアのカウントダウンに行ったんですよ。定番というか、折角なんで行ってみたいよねってなって日本人の友達5人と昼の12時くらいから並び始めて。
12時間も前から?
そうなんですよ。中心部までなかなか入れないんです、人がいっぱいで。だから早めにご飯を食べて、トイレもないから絶対に水を飲まないようにして。
で、並んでたら色々な人が色々な物を売りに来るんですよ。その中に雨カッパを売ってる人がいて、「絶対に持ってた方がいいよ。」って言われたんですけど、みんな防寒で水を弾くやつを着てたからいりませんって断ったんですよ。でも、途中で雨が降ってきたんです。
えっ、大丈夫だったんですか?
凍え死ぬかと思いました(笑)12時間くらいずっと立ちっぱなしやし、袖を絞ったら雨水がザァー!ってぞうきんみたいな感じでホントにヤバかったです。
何回かリタイアしようとしたんですけど、結局ここまで並んだし頑張ろうってなってみんなで励まし合って年越しを迎えました。人生で一番しんどかったですね。一生戻りたくない瞬間でした(笑)
それは過酷な年越しでしたね。
12時過ぎてカウントダウンが終わった瞬間にタクシーまでダァー!って走って、そのままホテルへ直行。帰ったらトイレ争奪戦でした(笑)
フレンドリーなアメリカで“気にしい”な性格が……
それは忘れられない思い出ですね(笑)でも、折角なので楽しかった話も聞きたいです。
特別なイベントというわけじゃないんですけど人が日常的にフレンドリーでした。
キャンパス内でも日本なら友達としか喋らんけど、向こうは顔見知りやったら、「ヘイ!」って感じやし、店員さんも「調子どう?今日、何してたん?」 ってめっちゃ話してくれる。急に「I like your shoes !」って言われたことがあって「ここ見てたん!?」って最初ビックリしましたけど、どこに行ってもそんな風なんで知り合いも増えるしすごく良い文化やなって感じました。
日本ではないですよね。店員さんが今日調子どう?って話かけてきたら……
ビックリして、何!?って思いますよね(笑)
勉強の方はどんな感じでしたか?
オレゴン大学に通ってたんですけど最初は留学生クラスで語学の授業を受けて、その課程が終わったら大学の普通の授業を取るんです。
私が受けた中で一番面白かったのはジャーナリズムの授業で、会社経営者とか学生起業家とか、毎回違う分野の人がそれぞれの視点で授業をしてくれました。全部英語なので完璧に聞き取れてたわけじゃないんですけど、自分の知らない国で知らない分野に触れられてすごく面白かったです。
あらためて振り返ってどうでしたか、アメリカ留学は?
視野が広がるというか本当にたくさんの人がいるから、色々な見方や考え方を学べたし、あまり小さいことは気にしなくなりました。
アメリカって日本と比べるとちょっと大雑把というか、そんなところがあって。私は少し“気にしい”な性格やったんですけど、海外へ行ったことで細かいことをあんま気にしないようになって自分は自分って楽に生きられるようになったと思います。
日本人はちょっと神経質過ぎですかね?
日本ってちょっと浮いてたら「ヒソヒソヒソ……」みたいな感じで、他人の目をすごく気にしちゃう。
アメリカじゃ個性爆発!みたいな人もいて周りもそれを尊重してくれて、例えば少し奇抜な色の髪でも「その色いいね!」とか言うんです。褒め合う文化というか、良いと思ったことを口に出すのは良いなって思いましたね。
実は好きじゃなかった英語の勉強
そもそもなんですが留学というか英語を学ぼうと思ったきっかけは何だったんですか?
私もともと医学部を目指してたんですよ。お父さんが医者で、ずっとカッコいいなと思ってたんですけど、高校3年生の進路決定の時にあらためて考えると自分が本当に何をしたいかわからなくなってしまって。医者ってカッコいいって気持ちだけでなれるものではないじゃないですか。それで悩んでた時にお母さんがこれからはグローバルの時代だからって語学の道を勧めてくれたんです。
でも、理系から文系への転向ですよね。大変じゃなかったですか?
成績自体は悪くなかったんですけど、実は英語の勉強をするのは好きじゃなかったんですよ(笑) 数学とか化学の方が好きでした。だから確かにしんどい時もありました。ただ、留学の経験もあって外国人と英語で話すことはすごく楽しくて。
この先どんな仕事に就きたいとか希望はあるんですか?
今、考えてるのは航空系とかホテル系とか。第一志望はキャビンアテンダントです。国際便は語学も生かせるし、自分も楽しんで仕事ができそうだなって。
私、自分の働きで人が幸せになってくれることがすごく嬉しくて、サービスとか接客の仕事が向いてるんじゃないかなって思ってます。今はそういう語学と接客の勉強を兼ねてホテルのベルスタッフのアルバイトをしていて、海外からたくさんのお客さんが来るので外国の方と話す機会も多いんですよ。
接客する上で心がけてることはあったりしますか?
自分がただおもてなしをするんじゃなくて、最近は相手の立場に立ってどうかな?って考えるようにしてます。それぞれ求めてることが違うから例えばゆっくり旅行に来てる家族連れとかならいっぱい喋ってたくさんの情報をお伝えするんですけど、ビジネスで来てる人にはお待たせしないよう迅速さを重視するとか、人に合わせて対応を考えるようになりました。
私自身、京都出身じゃないのであまり細かいことを聞かれると困るときもあるんですけど、休みの日に自分で街を歩いてみて、知ったことを仕事でお客さんに伝えて「ありがとう!」って言われると達成感というか、頑張るモチベーションになりますね。