美学生インタビューInterview
「ガリ勉」から「金髪」に
現在、サロンモデルやインスタグラマーとして活動してる加藤さん。以前からそういった活動に憧れがあったんですか?
私、昔から周りに「可愛いね。」って言われながら育ってきて、自分でも可愛いと思って生きてきたんですよ(笑)小さい頃に赤ちゃんモデルとかもやってたし、テレビっ子だったから「将来は女優になりたい!」なんて思ってて。思えば、昔から目立つのが好きだったのかも知れません。
小学校高学年の頃には芸能事務所のオーディションにも合格して……でも、入るのは断ってしまいました。
え、どうしてですか?
大きくなるにつれて芸能をやることに恥ずかしさが出てきたんです。中学では演劇部に入りたくて見学まで行ったけど結局、断念して……。憧れ自体はずっと心の中にあったんですけど、誰かに将来の夢を聞かれても「んー、いい大学に行くことかな!」とか言ってごまかしてました。
そんな感じで中学生の頃は芸能のことからは目をそらして勉強ばかりしていて。今の私からは想像できないと思うんですけど、当時は美容院にも行かなかったし顔もニキビだらけのガリ勉でした。
意外ですね!(笑)
それで、高校は偏差値の高い所に入ったんです。でも、自分のこと賢いと思ってたから高校に入ってから全く勉強しなくなったんですよ。遊び呆けてたから、定期テストはいつも最下位。
その頃ですね、初めてサロンモデルをやったのは。インスタグラムに「髪染めた〜」って金髪の写真を載せてたら美容師さんからDMで声かけてもらって。無料でカットやカラーしてもらえるなんてラッキー!くらいの気持ちで始めました。
高校生で金髪ですか。それはだいぶ遊んでますね。
そんな感じだったから現役の時は大学に受からなくて、1年間浪人しました。金髪ロングを顎まで切って真っ黒にして、インスタもやらずに改めて勉強に専念しました。
1年間でフォロワー6000人超!計算されたインスタグラムの戦略
振り幅がすごいですね。それで、大学生になってからまたモデル活動を再開したんですか?
サークルに入って「うぇーい」って感じもいいけど、もっと実りのある4年間にしたいなって思ったんです。集団行動が苦手だから一人でやれることないかな〜って。
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その時に、そうだ、インスタしよう!サロンモデルを本格的にやろう!って思いつきました。それで、自分から「サロンモデルさせてください!」って色々な美容師さんにDMを送ることから始めたんです。
今は約6000人までフォロワーが増えましたよね。何かコツはあるんですか?
フォロワーさんが見たいものを載せるっていうのは意識してますね。
インスタを本格的に始めて2か月くらい経った頃に、知り合いのカメラマンさんから指摘されたことがあったんですよ。「自分の見せ方が甘すぎる!」とか「写真がつまらない!」とかコテンパンに。
その頃は、ただただサロンで撮ってもらった写真だけを載せてたんです。でも、そういう自分が載せたいものを載せるだけじゃなくて、苦手でも自撮りとかもたくさん載せるように、アドバイスを受け止めて変えていきました。
今はもっと具体的にターゲットを絞ってます。アバウトに自分可愛いでしょ〜って写真を載せるんじゃなくて、「これくらいの年齢のこういった方が見たいと思う写真を!」って決めて、その層に受ける写真を載せるようにしてます。
写真の加工にも時間をかけていて、投稿の見え方を確認するためにチェック用の非公開アカウントも作ってるんですよ。
最近はサロンモデルだけでなく、インフルエンサーとして企業さんから商品提供を受けて紹介などもしてますよね。
これも自分なりに成果が上がるようにこだわってます。商品単体を載せて「これ、おすすめですよ〜!」って言うだけじゃ「いいね」って増えないんですよね。でも、自撮りと一緒に載せると伸びるんです。
商品だけの写真、アップで商品を持ってる写真、引きで写ってる写真、色々と実験してみたらアップが一番フォロワーの反応率が高いことがわかりました。
今後のインスタグラムの目標はありますか?
まずは今年中にフォロワー1万人を目指したいです!
私、目標を立てるときは具体的な数字を決めるんですよ。ダイエットでも「何月何日までに何キロ痩せる」って。頑張れば達成できるような小刻みな目標を立てて、それを一つずつ潰していくイメージです。
糖尿病には2種類あるんだってことを知ってほしいです
浪人してるとはいえ、1回生にしてはとてもしっかりしてる印象を受けます。
そんなことないですよ!あーでも、数字にこだわるようになったのは持病のせいもあるかも知れないですね。
「持病」?
私、糖尿病を患ってるんですよ、「1型糖尿病」っていうやつ。すい臓の細胞が壊れて機能しなくて本来出るはずのインスリンがほとんど出なくなってしまう病気で、高血糖状態が続くと命にも関わるものなんです。
だから、今もそうなんですけど常に身体に「インスリンポンプ」っていう機械をつけていて、血糖値を正常に保つために24時間持続的にインスリンが注入されるようになってます。薬の量を間違えると血糖値が下がりすぎちゃうから、毎日自分で測って数字で健康状態を確かめるんですよ。
いつ、その病気になったんですか?
症状が表れたのは高校1年生の夏かな。体重が35キロくらいになったんです。特にダイエットとかもせずに普通に食べてたのにどんどん痩せていって、なんで?!って。あとは、やたら喉が渇いて一日で2リットルのジュースを飲み干したり、授業中に気絶するように眠ってしまったり、体育の授業では手に力が入らなくてラケットが持てなかったり。
最初は親や先生にもサボってるだけだって思われてたんですけど、あまりにも異常だったので病院に行ったら突発性の1型糖尿病だって診断されました。その当時は周りに気を遣わせたくなかったので、毎日保健室でインスリンの注射を打ってましたね。
「糖尿病」というと不摂生な人や肥満な人がなる病気というイメージがあります。
それめっちゃ言われるんですけど、違うんです!糖尿病には「1型」と「2型」という種類があって、一般的にイメージされる糖尿病っていうのは2型の方で、約95%はこっちのタイプ。2型は食生活やライフスタイルの改善で治すことができます。
でも、私が患ってる1型の方は治るものじゃなくて、一生付き合っていかなくてはいけない病気。「甘いもの食べてるからでしょ〜?」なんて言われて傷ついたこともあるけど、まったくの別物なんです。ちょっとでも健康管理を怠ると血糖値が下がらなくなるし、最悪の場合、合併症を引き起こして取り返しのつかないことになることもあります。
しかも、1型糖尿病って未成年は治療費の公的助成を受けられるんですけど、20歳を超えると毎月3万円くらい自己負担になるんですよ。
ヘラヘラ遊んでるインスタグラマーって思われがちだけど、どうしたら病気と付き合いながら生きていけるんだろうっていうのは常に考えてます。昔から可愛い可愛いって言われ続けてきたけど、可愛いだけじゃ駄目。もっと中身のある人間にならないとこれから先、生きていけないなって反省する毎日です。
そんな苦労があったとは知りませんでした。それでは最後に、加藤さんの将来の夢や今後の抱負を聞かせてください。
最近は「将来、モデルやっていくの?」「就職しないの?」って周りに聞かれることもありますが、就職活動は普通にする予定です。私のやりたいことってなんだっけ?ってわからなくなって気分が落ち込むこともあります。
でも、人生は短いしやれることは限られてるから、出来るだけプラス思考で、やりたいことはどんどんやりたいって口に出して実現していきたいなって思ってます。
例えば、小さい頃に抱いていた「女優になりたい」っていう夢。今でもお芝居をやりたい気持ちはあるし、機会があれば一つの経験としてそういうことにも挑戦してみたいです!