ポートレートは“鏡”。自分と向き合っている感じがする。【カメラマン坂井高久】

「美学生図鑑って、一体どんな人たちが作っているの?」という疑問に迫る、シリーズ『美学生図鑑の中の人』。第8弾は関東のエースカメラマン、坂井高久。
早稲田大学大学院で建築学を専攻する傍ら、2年連続でミス青山特集の撮影を担当。モデルさんの自然体を捉えた写真が編集部内でも好評。
今回は、上司にあたる山本貴一(関東エリアチーフ)がインタビュアーになり、彼の写真観に迫ります!

定番は壁ショット!柔らかい表情を引き出すコツとは

―そもそも美学生図鑑で活動しようと思ったきっかけは?
友達と飲んでる時に「坂井くん、写真やったほうがいいよ。」って勧められて、なんとなく写真を始めたんです。

その頃、SNSでポートレート(人物写真)を載せてるカメラマンさんのアカウントを見て、カッコよくも可愛さを引き出せている写真に感動して。それで「自分もこんな風に撮ってみたい……!」って思ってポートレートを撮るようになりました。

ポートレートを撮る機会を増やしたいなと思った時に、美女を掲載してるメディアとかでカメラマンになれたら自動的にポートレートを撮る機会が訪れるはず、素晴らしいじゃないか!って思って美学生図鑑に応募してみたんです。

―坂井が加入したのは2018年。その頃は他にも美男美女を紹介しているメディアってあったと思うけど、なんで美学生図鑑を選んだの?
一番知名度がある気がしていたんですよね(笑)それにブログとかで当時から活動の様子とか中の人の雰囲気が発信されてて、安心感を持って応募できた。実際に入ってみても活動内容や雰囲気にギャップを感じることはなかったです。

―なるほどね。今、振り返ってみて最初の頃の活動ってどうだった?
正直、入ってから2年くらいはもう闇雲に撮ってたんですよね。やる気はあったけど、自分の強みとかも全くわかっていなかったし。

今でこそ山本さんの影響も受けて動きのある写真も多く撮るようになったけど、当時は止まった状態のポージングで撮った写真が多かったなって感じます。

それでもだんだん編集長とか山本さんとかから上手くなったねと評価されるようになっていって、いつの間にか関東でも「見習うべき存在!」みたいな立場になってて。自分の居場所を感じることができるようになったし、慕ってくれる後輩ができたという点でも自分の成長を感じることができました。写真の感想DMくれたりしたこともあって嬉しかったなぁ。

―坂井の写真はめっちゃいいと思うし、実際に新しいカメラマンが入ってきたらとりあえず坂井の撮影に同行させて学ばせてた。撮影の面ではどういう変化があったの?

撮り方の面で大きく変わったのは撮る数とバリエーションですね。

モデルさんを撮る時、一見綺麗な角度に見えるシーンであってもその中でも本当に一番綺麗に決まる角度ってとても限られているなって思うんです。その角度を一発で当てていく力は自分にはないなと感じたので、じゃあたくさん撮って見つけていこうかなと。だから、モデルさんをあらゆる角度から撮って一番いい所を見つけるように心がけてますね。

バリエーションに関していうと、まず美学生図鑑のカメラマンの中には表情の引き出し方とかポージングの指示が上手い人がたくさんいるんですよ。その中で自分はどう強みを見つけていこうか考えたときに、10枚の掲載写真を飽きずに見てもらえるように、色々なシーンを見せれるように撮りたいなって考えたんです。

そこは自分なりに頑張ってきた部分でもあるし、実際に昔に比べて成長したかなとも自分でも思いますね。

―確かに坂井の撮影を側から見てると、モデルさんの周りをぐるぐる回って撮っている印象がある(笑)色々なバリエーションの中でも坂井的な定番カットってある?
ん〜。壁に手をつくポーズかな。

新田さちかさん(ミス青山特集より)

白い壁とかだったら大体きれいに撮れるので安パイのような(笑)そのポージングがめっちゃいいというよりは、使いやすいポーズなんですよね。

基本的に美学生図鑑のモデルさんって撮影経験がない学生さんとか撮影慣れしていない学生さんがほとんどじゃないですか。ポージング指示しても、身体を支える物がないと全体的に硬くなっちゃうんだなって個人的な学びを得て。

逆にそういうときに座ったり、壁に手をついたりすると安定するからモデルさんがリラックスして、少し柔らかくいい表情になるんですよね。結構使うことが多いポーズかも知れない。

牛田英里さん(ミス青山特集より)

“自分”が写るからこそ、良くしたい気持ちが強くなる

―これまでたくさんの撮影を経験して変化もしてきたと思うけど、坂井は今の自分の写真をどういう写真だと思う?
「カメラマンの存在を感じさせない写真」かな。モデルさんがなんとなく過ごしている様子をどこからか観察しているような。ふとした瞬間を撮るのが好きなんですよね。それでいてまとまった綺麗な写真を撮れるように心がけてます。

「俺が撮ったぜ!」っていう感じのカメラマンの色が強い写真とはちょっと違いますね。「自分を殺す」までしたいわけではないし、どこかで自分が撮ったということは分かってほしい……!っていうのはあるんですけど(笑)難しいところですよね。

―確かに坂井の写真は自然体な雰囲気が印象に残っているな。この写真とか。

 

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―坂井にとって「ポートレート」ってどういう存在?
自分の鏡みたいなものなんですよね。ポートレートって被写体を写しているようでカメラマンのことも写しているなと思っていて、自分と向き合っている感じがする。

撮った写真を見て「こういうところを直さなきゃ」と感じて直していけるっていう面もそうだし、自分がその時に美しいと思えたものを撮っていくわけだから、ある意味記録的な面もある。

自分のことが跳ね返ってくるからより一層「良くしたい」という気持ちが強くなるんですよね。

―すごくわかる。感情やモデルさんとの距離感も写真でなんとなく見えたりするよね。ちなみにこれまで美学生図鑑で撮影してきた中で一番印象に残っているモデルさんは?
2018年のミス東大特集で撮影した村岡さんですね。

村岡紗綾さん

こんなこと言っていいのかわからないですけど、趣味がめっちゃ良かった。村岡さんの取材の後で実際に音楽とかの文化的な面で僕自身がすごい影響を受けたんですよ。

撮影の時はテキパキしていて仕事っぽく取材に応じてくれてたんですけど、ストリート系の雰囲気を持っている方でポージングも自分好みな感じで決めてくれたりもして、とにかく楽しかったなぁって今でも覚えてますね。

―相手のことを引き出す場ではあるけど、自分がその機会で何かしらの刺激を受けることができるっていうのが撮影のいいところだよね。

心地よくて、常に成長を求め続けられる場所

―カメラマンとして3年間活動してきたわけだけど、坂井にとって美学生図鑑ってどんな場所?

学校でもなく、アルバイトでもなく、サークルでもないけど、全ての要素を持ち合わせているような組織。僕とってはそれがすごく心地よくて。大学院の研究が疲れたなと思ったときに思い浮かぶのは美学生図鑑でした(笑)

一カメラマンとしての話でいうと、“記事を作る”っていう同じ目標に向かっている中でも色々な撮り方をするカメラマンがいて、写真に個性が現れているのが面白いなって思ってる。そして、写真を楽しむだけでなく、「上手くなりたい」という思いをみんな持っている。サークルとかとは全く異なる環境だなって感じてます。

カメラマンでミーティングをしたり、他のカメラマンの撮影に同行する機会もあって、他の人の撮り方とか考え方を知れたり、同じシーンの切り取り方の違いを感じたりできるので学びが多かったですね。

―具体的にどんなことを美学生図鑑で学んだ?
写真に厳しい環境だけあって、セオリー的な部分が学べたのはやはり大きかったですね。

それとモデルさんとのコミュニケーション方法とか繋がり方は学ぶことが多かった。

僕は写真を撮っておしまいというスタンスだったんですけど、モデルさんと一人の人間として向き合って関係づくりをしているメンバーもいて。コミュニケーション上手い人が多いですよね。

最初に比べると自分も撮影中のコミュニケーションや撮影以外の時間の会話もちゃんと重要視するようになったんですよ。

―メンバーとしての美学生図鑑はどう?
写真仲間ができたっていうのは純粋に嬉しくて、みんなで機材とかレタッチの話をしている時間はめっちゃ楽しい。

それにカメラマンはみんなポートレートを撮るだけではなく外部でもそれぞれ別の活動をしてるし、インタビュアーの中には「モデルをプロデュースしてみたい」「モデルを輝かせたい」という思いを持って活発に活動してる人もいたりして。

そういうスタッフみんなに直接会う機会は少なくても普段からチャットやビデオ通話とかでも交流できていてるからか身近な存在として思えていて、団結している感じが良いなって思っています。

アットホームな感じはあるけど、一つ「いい記事を作ろう」っていう目標があるからこそ、馴れ合いで終わらずに成長を常に求め続けられるという点で本当にいい環境だなと感じますね。写真自体のスキルもこういうメディアとしては高い方だと僕は思います。

一番のモチベーションは「自分は下手くそ」という思い

―この春で大学院も卒業。坂井が美学生図鑑のスタッフとして、一人のカメラマンとしてこれからやりたいことってある?

スタッフとしての話でいうと、僕は雑誌が好きなんですよね。モデルを中心としてプロのメイクやヘアメイク、アクセサリーや服が存在している場所。

ただ人を撮るのではなく、人と文化やファッションが掛け合わされた写真を撮ってみたいなって思ってます。「綺麗だな」という感情の後に、「こういうのあるんだ」って、そのモデルさんの周りにあるものに心が動かされるような。

美学生図鑑という場所で人×ファッションという組み合わせで人の魅力を引き出せるコンテンツ作りや写真に関われるようになれたらいいなというのが今の気持ちですね。

カメラマンとしての話でいうと、美学生図鑑で写真を撮る中で誰かの記念となる瞬間を写真を通してお手伝いする能力が図らずも身についてきたんだなって感じてるんです。

この前、大学の友達の写真を撮ってあげたときに感動してくれたんですよ。それがすごく嬉しくて。「人のために撮る」っていう事の楽しさも分かってきたので、そういう写真を撮る機会は増やしていきたいです。

―新しくカメラマンが入ってきたら、その人たちにとって美学生図鑑はどんな場所になると思う?
間違いなく成長はできると思う。いい規模感だと思うんですよ。カメラマン一人ひとりをみんなが認識していて、尊敬しあっている。

めっちゃ厳しく指摘されるから楽しくやりたいだけの人には向いていないかも知れないけど、その分、続けていけば成長はできるし認めてもらえるし、世代を超えて写真が好きな人と繋がれて温かさも感じられる。そんな場所になるんじゃないかな。

重い活動にはならずともやりがいを感じることができるから、学業やサークルがどんなに忙しくても両立できてもう一つの居場所になってくれる、そんな場所でもあるのかも。

―坂井にとってのモチベーションややりがいって何?
難しい(笑)でも、自分が自分の写真に満足してないから辞められない。

「もっといい写真撮りたい!」という気持ちがあるんですよ。「自分は下手くそ」っていう思いが一番のモチベーションかも。

美学生図鑑の中の話で言うと一つの記事として10枚の写真が並んだときに、バランスとれたページになっていると嬉しいなって感じるんです。メディアとして自分の理想の形になるような写真を撮りたいと常々思っていますね。

―最後に、美学生図鑑のカメラマンに応募しようか迷ってる人へ一言どうぞ!

ポートレートを撮りたいと思っているなら絶対に上手くなるから入ることをおすすめします。セオリー的な部分を学べるのは大きいし、明確に技術面で変化が出る。

メディアだから次から次へと撮影があって打席が早いペースで回ってくるという点でも本当にいい環境。やる気さえあればめっちゃ成長できると思うし、活動としても学生時代の一つのプラスの要素になると思います。

伸び代もあって色々な可能性を持っている会社だと思うから今の段階で入ると面白いんじゃないかなとも思うし、少しでも興味を持ってくれたら是非入ってきてほしいですね。

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